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    5つ星のうち 4.0 レビュー詳細を見る

あさのさんのレビュー一覧

投稿者:あさの

34 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本レディ・ギネヴィア

2002/07/25 23:52

少女漫画革命

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

名香 智子氏という人は、最初に『少女漫画』という概念をぐちゃぐちゃに覆してしまった人ではなかろうか。
プレイボーイという概念は当時の(というか70年80年代)少女漫画にもあったけれども、美女と美男が、互いに絶対に相手の心理には気づかず、互いそっと嘆いたり泣いたりして決して分かり合わない、なんてものは当時の少女漫画になかった(あってもたいてい悲劇だった)。
この漫画では、主人公カップルは結ばれる前に『強姦』なんて行為を経て、互いに別の相手を愛していたりする。そして結ばれた後も、浮気はするわ、あげくのはてに生まれたわが子を本気でなぐったりする。
いや、ご立派。
それでもそんなもん、『へ』でもないんである。
成長した息子に、『こんなに美男子になるならやさしくしてやるんだった』と父は言い、息子が母を恋していれば、『いいだろう。これは俺のだ』とにやつく。
でもそれが名香作品の登場人物なのだ。『傷つくほうが修行がたらない』といわんばかりの傍若無人な美貌の登場人物たちに、『そうよね、ここまで美貌尽くしだとやっぱり感覚違うわよね』なんて納得してしまう。
美女美男をかくならここまでせい、ということか?

美男や美女には心して近づきましょう。
ということでいや、面白いですよ。ぜひおためしあれ。

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真の強さ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『西遊記』といえば、誰でも玄奘法師、すなわち、猿の悟空にわっかを書けて旅をした、姿が浮かぶのではないでしょうか。

この漫画は、その玄奘自身が、悟空のように、なにものからわっかをつけられ、世界を見、その卓越した才能をなににささぐべきか、みつめる、一つの物語となっています。
彼がそこで見聞きしたさまざまな世界。そしてなにより彼をそこに導いた彼の兄。
誰もが、玄奘ではなく、彼の兄を慕います。

ほんとうの『慈悲』。ほんとうの『求心』。それはなんでしょうか。
この旅の中で、同じく旅をしてきた僧に、玄奘は言われます。
『崇め立てられて迎えられれば、あなたは簡単にほんとうに惑う人のことなど忘れてしまうでしょう』

人の真の貴さは、弱さを知る心にあると、思うのです。

生半可な心で、『救う』などと、口に出してはならない。が。
黙々とそれをなしてきた心で、この世界はきっと結ばれている、と。
よみおわった時にそう信じずにはいられません。

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紙の本夜の翼

2002/07/26 21:53

翼は夜にそっと

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

少女の頃、長いことSFをよみあさっていた。
バローズやらローガンやら。
いつも、ヒーローは強く、そして科学は真実を知っていた。

この小説に出会ったのは、そんなものをあらかた読みあさってしまった後だった。
『夜の翼』
聞いた瞬間、なにを思うだろう。
夜にしかひらかない翼。

その翼を持つ翔人。
どれだけ儚い翼かわかりますか?夜にしか、開かないんですよ?
彼女はその翼ゆえに、昼間はよろよろと歩きながら、長い旅を続けます。
さまざまなキャラクターが、夜の翼を持つ彼女の周りでひたすらに旅を続けます。
でもその『儚さ』は、じつはどんなヒーローよりも、強く、優しかったのです。
もし心震わせるファンタジーに出会いたいなら、ぜひ一度この本を手にとってくださいますように。おそらく、ストーリーそのものが頭の中から消えてしまっても、おそらく何年たとうとも、『夜の翼』を持つ翔人のことは、永遠に頭に残るでしょう。それはすなわち、この作品の世界が、どこにも消えず、そこにあるということなのです。

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地獄でメスがひかる

2002/07/25 21:32

メスと肌

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

医学用のメスは人間の肌を実に小気味よく切り裂く。

高階作品の、ごく初期に(今となっては)属するこの作品は、当時から数十年を経た今読みかえしても、時代後れな感を殆ど感じさせない。
それは、この作品に限らず、著者のすべての作品にわたってかもしだされている、ある『生々しさ』それは多分人間の身体の、生体、血やに、肉、そして皮膚の毛穴一つ一つにいたるまでの、あるリアルさ、があるのではないか。
著者は、ある部分に関しての描写は、残酷なまでに決定的だ。それは人間がなにを快いと感じ、なにを唾棄すべきものとして感じるか、ということに驚くほどに敏感である、ということだと思う。

この作品ならば、、醜かった『ひろみ』が、人工の、美しい『ひろみ』へと生まれ変わった時、その画面からも、『美しいひろみ』からただようホルマリン臭さ、とでも言おうか。鈍感な、『醜いひろみ』を疎んじ続けた人間には感じられないその『臭さ』が、彼女を執刀した医師と、当の『美しく生まれ変わったひろみ』にだけは常に感じられる。
そうして彼らは、自分たちの存在そのものから追い立てられる。
決して端正とはいえない絵柄の一つ一つに、どうしてここまで、というほどの登場人物たちの肉声、そしてその身体の一つ一つが呼吸している。

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カルキのくる日

2002/07/25 21:15

ただひととき、夢のように

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

もしあなたが、この著者の名前を知らなければ、一冊でいい。著者の作品を読むべきでしょう。
彼女は多分不世出の、たった一瞬、この世界に夢を見に現れたような、漫画家です。これから、すべてが始まるという時に、まるで早すぎた才能を愛でられるようにこの世界から去りました。

どの作品を読んでも、『あと十年読んでいられたら』と思わずにらいられません。
『完成』した、というよりは、まだこれから花開くみずみずしい若芽のような作品の数々に、悔し涙を流してしまうのです。

この漫画は、著者の作品の中でも、その方向性、彼女が夢みていた世界をかいま見せてくれるものです。
たった一冊、なにかを選んで旅立たなければならないとしたら、迷わず、わたしはこの作品を選ぶのではないかと思います。

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恋愛太平記 1

2002/07/25 21:07

太平記なんだよつまり

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者の、おそらくは、『恋愛コメディー』に属する作品。

多分もう、こんな『おかあさん』は死に絶えているのかもしれない。
『自分』というものがもうすでに、『四人の娘のいる母親』という中に完全に埋没している。そしてそのことにての疑いもない。
育った娘はみんな『自分』とは違う。
みんな理解不能だ。
誰一人として、自分が願ったような結婚も、自分への敬虔な愛情も見せてくれない。
だけども、『おかあさん』は、くじけたりしないのだ。
なんたって彼女は『おかあさん』なのである。
嘆きながらも、娘たちのために、信じる道をひた走る。

娘たちは、『時代おくれ』のお母さんの行動に嘲笑を向けつつ、やはりその庇護の元で、がんがんと人生を貫いている。

だけどやっぱり、彼女たちの視線の先にはつねに、『おかあさん』がいるのだ。
おかあさんは不滅に、娘たちの人生を嘆きつつ、巨大な『あんたたちの人生の思い出』という荷物を抱えながら、走り続けている。

酔っぱらってシャワーも浴びずに寝た朝、奇妙に頭がかゆい、と思った時、不意にこの小説のことを思い出します。なにもかも忘れていいから、やっぱり一度はよんでおくべき本でしょう。ほんとに。

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秘められた掟

2002/07/25 20:44

カノン

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

わたしはナーヴァに出会うまで、ブランドステッターに密かな熱情を燃やしていた。本書は、その著者、ジョセフ・ハンセンに捧げられている。

前作で、自分のルーツに立ち返ったリオスは、今回、そのもっと先、『だから自分はどういきるのか』に、今回いきあたっている。
僣越な見方をすれば、このシリーズを通して、作者自身が、自分の立つべき場所、を探しているような、という気がする。
主題は『父』そして『息子』。
母と娘がある意味、一卵性双生児のような世界を紡ぐのだとすれば、父の息子はなんなんだろう。
本書を通して、常に語られているのは、『父』に謗られた『息子』、である。
しかしその『息子』は、語られるうちに、『父』の内なる『自分』であることが判明する。
そしてどうなるか。
すべての『父』は息子によって葬られるのである。
生きるために。
『息子』がいきる為に。
カノンのように、その主題は本作を通して繰り返し繰り返し流れ、やがてリオスは最愛の恋人との別れを迎える。
リオスは自分が憎み続けた『父親』を、自分もまた演じていたことを知る。
彼の庇護の元で育まれた息子は、やがて父の呪縛から逃れた恋人を胸に抱きしめる。
『泣く時間は後でたっぷりあるよ』

本シリーズは、全作7作で終わりを迎える。
それが手元に届くことを、『ゆっくりとくる』ことを望むのか、それとも。
一作一作を、大切に、舐めるように読みたいシリーズ。

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紙の本李欧

2002/07/20 13:08

真剣勝負

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参った。
 そうなるだろうと思ったから、刊行されてから二年も待ったのに。
 読み終わって二日たった今でも恋狂いにでもなったかのように頭の中からラストの桜のイメージがまといついて離れない。どうしてこんなに苦しいのかと思う。読み進むことがもったいなくて、一日に二十ページほどを読み進んではやめ、自宅でこの本を開いたことはなかった。そうして四週間ほど手元に置いておいたのだけれど、ついに一昨日、意を決して最終章を一気に読んだ。
 刊行されてから一年近く購入を控えていた。
 『わが手に拳銃を』のリメイクだということもひっかかっていたのだと思う(結果的には杞憂だったけれども。すくなくとも表面上は)。五年を経て、作者が書かなければならなかった物語はその前身とはすっかり別のものになっていた。淡々と年が進む。より深く、身の内にもぐり込むような静謐さ、鮮やかさがたまらない。こんな物語を書く人が憎いと思う一方で、書き終えた瞬間にやはり小説は作者を、そして読者をも置き去りにするのだとぼんやりと思う。

 高村作品を読むのは一種の真剣勝負だ。
 へとへとになる、そして魂ごと、もっていかれてしまう。

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タビネコ

2002/07/20 13:00

猫の背中には

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 リュックサックがある。
 そこにはいろんなものが詰まっている。

 ビーダマにやられる。でも、その次のエビフライの尻尾が嬉しい
 (間に雨の粒があった……)。

 幼少の頃、飼っていた猫も、不思議と数年たつと姿を消した。たぶん、重くなった荷物をおろすついでに、帰りの道順も一緒に下ろしてしまったのだろう。
 今うちのネコは、旅を禁じられた猫なので、多分リュックに入っているのは、ゴキブリのヒゲと、わたしの睫毛くらいのもんだろうと思う。

 いつのまにかいなくなってしまった猫のことを思い出しながら読む。
 あの子のリュックに入っていたのはなんだったんだろう。
 わたしの手から食べた竹輪の切れ端もちゃんと入ってるだろうか。
 雨あがり、ぽっかりと出た月のかけらも。
 

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御宿かわせみ 上

2002/07/17 01:04

普遍というものの厳しさ

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いわずと知れた、時代シリーズものの初期編。
いわゆる、グランドホテル形式、とでもいうか、ヒロイン『るい』の営む『かわせみ』という宿を舞台としてさまざまな事件を解決していく、一種の捕物帳。
お約束ともいうべきか、るいの恋人東吾は、出会う女皆が『岡惚れ』するいいオトコ、です。そしてこの二人の仲は決して世間に認められるものではない。いわゆる『身分違い』の恋である。しかも女が年上。
美人でおきゃんで焼き餅やき、そしてどこまでも忍ぶ女『るい』、は女の目からみてもけなげでかわいらしく、思わず拳を握りしめて応援したくなってしまうヒロインです。
しかしその苦労も実って、数十年の長きを経て(いや誇張でもなんでもなく、初出から三十年近く経っているのですよ)、るいと東吾は晴れて結ばれて、今では一人娘までいます。
すっかりおちついた幸せなおかみさんぶりを発していますが、やはりこの初出の一冊がなんとも愉しい。
さまざまな事件がおきては解決していくのですが、その中で許されない恋に自分の運命をゆだねて、ただ黙って笑っている『るい』のけなげさと、その『るい』を恋い続ける東吾の、若いだけにいちずで精悍な色っぽさに、ついくらくらってとなってしまいます。
一生手元に置いて、時々会いに行って幸せになる。そんな一冊です。

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紙の本絶対泣かない

2002/07/14 16:00

生きるということ働くということ

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人は誰でも時々ふっとダメになる。
失恋で、仕事の失敗で。
まるでもう誰からも『いらない』と言われているような気持になる。そしてつきおとされる。
ここに出てくるさまざまな女性たちは多かれ少なかれ、このような壁にぶちあたっている。
とある一つのストーリーの女性は、同じ会社の恋人に振られる。しかも同じ会社の女性に彼を取られてしまうのだ。愛している、ということ以前に、もう生活の一部であった人を失う。すくなからず属して居る社会の関係者との生木を裂かれるような別離は彼女をずたずたにし、会社にすらいられなくなる。彼女は泣きに泣く。けれど身体はあまりにも若く、死にも至れない。そして彼女がやったことは、『死に物狂いで働く』ことだった。なにも考えず、ただ仕事をする。それもがむしゃらに、厳しく。誰の関心を買うためでもなく、ただ、生きるために。生き続けるために。そしてやっと、数年を経て、彼女は思いがけず、その結果自分が得たものを見る。多分初めて。『わたしなんて嫌われているだろう。だけどそれがなんだというのだ』。保身を捨てた、誰かから愛されるためではない、彼女の生きざまの結果、彼女が手にしたものはそれまでの、かわいくて綺麗な世界に属していた甘えた彼女ではなかった。

女はいいよね、結婚したら無理して働かなくてもいいし。
そんなやっかみの中で、必死で働く女たち。味方なんてどこにもいないのだ。だから彼女たちは必死で、自分に問いかけている。働くことと生きる事の意味。
得るものと失うもの。
覚悟を決めた女たちは、そこんじょそこらのオトコなんかよりよっぽど肝が座っている。

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『少女』はしっかり視線をつきさして

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『papa told me』の著者の短編集。といってもテーマはほぼ統一されている。
著者がその作品のほぼ全体に渡って訴えている事『わたしは誰のためでもなくわたしのためにある』ことを、四編の少女たちにふりかかる(または少女のおかれた環境の)事件を通して実に小気味よく語られている。
誰もが目をつぶり、このまま気づかないふりをしていれば誰かが幸せにしてくれるよ、とささやく声を聞くともなしに聞いている。けれど、その言葉の中の欺瞞、ささやきながら笑っている誰かの『悪意』を、この少女たちの耳は敏感に聞き分けている。
黙ってないことにしてしまえば、一番傷つくのは、自分自身であることを、少女たちは知っている。
決してそのままでは美しくもないこの世界を、美しく彩るのは自分できっちりと顎をあげ、視線をまっすぐに突き刺して、他の誰でもない、自分を騙さないように生きる事。
なにもせず、眠ったままでいれば、いつか王子さまがキスで目覚めさせてくれて、幸せにしてくれる。
そんなおとぎ話ガッデム、な強い少女たちは、自分の力で目覚めて、荒野を歩きだすのです。

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紙の本このワガママな僕たちを

2002/07/13 19:25

かわいすぎる男の子たち

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たとえば失恋したとか、嫌な奴に嫌なこと言われたとか。
成績が悪かったとか、友だちとケンカしたとか。
そんな分かりやすい理由なんかじゃなくても、もうなんとなく生きていたくないって、ああ、なんで生まれてきちゃったかなぁ、なんて、鬱々と空も見たくない時ってのはきっとあるはず。

世界中のみんなが俺のこと、いなくなればいいって言っている気がする、とか。
ああ、それどころか俺がここにいることは誰も、知らなくて、居る価値もないんだ、とか。
まるで暗闇の中にぽつんと一人いるような、今すぐここで息とめていなくなりてい、って思う夜は、きっとあるはず。

そんな時に、この詩集を読んでみる。
『このワガママな僕たちを、許してくれてありがとう』って、ちょっと言葉に出してみる。
怖いオバケが消えるみたいに、心につんと、優しい気持が湧いてくる。
みんな勝手、みんなだらしない。こんなにかっこいいのに、『もう好きじゃない』って彼女にふられたり、好きな女の子の前で全然別の顔しちゃういいかっこしいの自分を見つけたり。

だけど、そんな『僕ら』も、この世界は許してくれる。ここにいることを許してくれる。
だから生きていこう。『僕らにもきっと、いいとこあるはず』なんだから。

そうやってわたしは何度も何度も、この詩集に助けて貰っていきてます。

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少年たちの沈黙

2002/07/10 19:24

おしどり探偵という罠

1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 幼少期、父親とともに拉致監禁され、しかも目の前で父親をなぶり殺しにされた少年二人が、長じて真の犯人を追求するために犯罪に手を染め……という話。この少年たちを救出したヒーローであるにもかかわらず(というかそのためにというか)、拉致されて薬づけにされるのが、主人公、アイリーン・ケリーの夫、フランク。だからストーリーは、夫の身を案じ、警察と打々発止の戦いを繰り広げながら夫の探索を続けるアイリーンの活躍が描かれている。五作目なことを考えても、とりあえずアイリーンとフランクのおしどりぶりはもはや一種の『ウリ』になっているはずで、ともすれば(おしどり探偵ものにありがちな)マンネリ……というかなあなあで、途中から読んだ読者を爪弾きにしてしまうような傾向は、この作品に限っては、かなりない。つまり、前四作の話もちらちらとエピソードとして出てくるのだけれど、かなり興味深い出し方で出てくる。他のを読んでない人は仲間に入れてやらないよ、じゃなくて。多分、前シリーズ読んでても、それらのエピソードは新鮮なのでないかな。

 ハードボイルドミステリーで、気が強くて頭の切れる女主人公というのは、面白いのだけど、かなり肩がこるのも確か。多分、ハードボイルドという分野がもともとは男性のものだったからかもしれない。強がりも、やせがまんも、時々爆発する怒りも、そして怒鳴り声よりも怖い静かな怒りも、男ならなんとなくサマになるんだけれども、これを女性がやると、どうもちぐはぐに感じる。(ヒステリーが延々続いてるように思える)がんばってもがんばっても苦しい、とか、男社会で傷ついてます、わたし、みたいな側面が覗くことがままあって、それが女が主人公のハードボイルド系ミステリーを息苦しくさせてるような気がする。アガサクリスティの時代の女探偵はもっと洒落ていた。というか、したたかだった。もっと徹底的に男を馬鹿にしていたしね。
 だから、この手のハードボイルドは、女主人公に思い入れできなくて、読んでる最中、なんとなく辛いのだけど、この小説は、それを全て凌駕するくらい、周りの男性軍がチャーミングだった。
 中でもネゴシエーターのキャシディは秀逸です。一人でブランコに乗ったり、昔の恋人の死の夢を見ては夜中にかけだしたりね。
 そしてフランク。いや、もう、人質の鏡。
 作者自身、フランクは、探偵に情報提供するだけの役(刑事)ではない、と言い切っているし、そういう意味では彼がこの小説の主役なのかも。
 そしてブレッドとサミュエル。
 沈黙は人の心を殺す。そして結びつける。二度と解けないくらいに固く。

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紙の本美貌のディテイル

2002/07/26 22:00

ターニングポイント

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これはおそらく、著者の『タクミくんシリーズ』の、分岐点、ターニングポイントとなる作品ではなかろうか。
想像ではあるけれども(というか著者がどこかでおっしゃっていたことであるけれども)、このシリーズは、主役カップルの高校二年生の十二カ月で終わりを迎える予定だったものである。物語、特にシリーズものというのは、作者の考えより、読者に育てられる、というか方向を決められる性格が強いものであるから、もともとはとある単発作品の脇役(というか探偵役)だった主役コンビが、そのままシリーズの主役となろうとも、『男同士の恋愛の未来を書くとどうしても暗くなりがち』な観点もあって、『一年間』と制約をつけても、このありさま。とにかく人気が凄すぎた。
ここではっきり『書かない』、というほど冷たい人では著者はないので(感謝)、おそらくものすごく悩んだのではなかろうか。
そしてこの作品である。
正直、それまでのシリーズで多少マンネリ化していた購買意欲が、俄然沸騰してしまった。
それくらいに、この本の中の主役カップルは『色っぽい』です。
このままどんどんとシリーズが続くと、多分他の作品にも力を注ぎたいと思っている著者は重い鎖となりかねない読者のラブコールですが、そこをこんなふうに見事にのりきった著者の力量におおいに期待しつつ、これからも身勝手な(笑)ラブコールを送らせていただきたいと思います。

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