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GORIさんのレビュー一覧

投稿者:GORI

406 件中 16 件~ 30 件を表示

紙の本

紙の本しろがねの葉

2023/02/19 08:09

石見銀山を生きる

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人が生きると言うことを考えさせられる。
ウメ、喜兵衛、岩爺、隼人、登場する人たちが皆んな魅力的。
銀山で生きるということは、男は早く死に、女は子を産んで次の男を選ぶ。この山で生まれて、生き続けることは、そういう事なのだ。
読み応えがあり、最初から最後まで一気に読める。
直木賞 やっぱり凄い

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紙の本

おもしろい

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

芥川賞受賞作で読んで面白かったと思った作品は初めてかもしれない。

会社のアラサーくらいの同僚3人が中心。
からだが弱く早退しがちで仕事のミスもパスしてしまう芦川さん。
4月に転勤で赴任した二谷くん。
なんでも出来るので無理をしてでも頑張ってしまう押尾さん。
パートの原田さん、役職者の藤さんもいい存在。

仕事は辛いけど、おいしいものを食べて元気になって、また明日も頑張れる的な小説かと、思っていたらとんでもない。
とにかく不穏なのだ。
ずっと不穏のまま。
怖いけど、気分悪くなるけど、でも面白いから読み進めたくなる。

仕事で疲れることが多くて、なんかいいことないかなあと思っているあなた。
この本がぴったり。
怖いもの見たさで、ちょっとスリルを楽しんで、気がついたら少し元気になっている。

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紙の本

紙の本看守の信念

2022/07/27 14:09

塀の中の世界

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今回ものめり込むように話に入り込みながら読みました。
どの話もよいが、「がて」は多くの読者が涙を流して読むのではないでしょうか。
受刑者を矯正するために刑務官は日々苦労している。
また社会に出て仕事をして、犯罪を犯すことなく幸せな生活を送ってくれる事を願っている。
本当に苦労が多く報われることが少ない仕事だと思う。
しかし99件嫌だなあと思うけど、1件の良かったと思えることで、この仕事が続けられるというのは本音なのでしょう。
前作の看守の流儀の火石さん、今作の火石さん
見事な展開に次作にも期待してしまいます。

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紙の本

紙の本夜が明ける

2022/01/11 03:45

圧倒される

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

生きるエネルギーといつか終わって欲しいと願うような生き方に圧倒されながら、ページをめくった。
そして生きることが止まってしまった。
一人は本当に命を失って、もう一人は時間が止まるように・・

帯に小泉今日子さん、是枝裕和さん、仲野太賀さんの声が書かれている。
私が大好きな人たちもこの本に出会えていたことがうれしい。
そして多くの人たちが、この本に出会えることがとても嬉しく思える。

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紙の本

紙の本白の闇

2021/11/16 14:36

感染症の恐怖

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

毎日新聞の書評を読んで興味を持ち読了。
コロナ感染症により社会が大きく変わろうとしている今、20数年前に目が見えなくなる感染症を物語にした小説があった。
しかし、この物語は想像を超える内容だった。
政府による感染者の隔離、そこには盲人たちの世話をする者はいなく、隔離された人達で生活をするように強要される。
出入口は軍隊が見張り、施設から出ようとする盲人を射殺するよう厳命されている。
施設内は食料が乏しく、衛生面も最悪な状態。
水もない、新しい衣服もない、トイレも使えない。
遂に施設内は一部の人間により暴力と略奪による世界となる。
施設の火災により感染者たちは外の世界へ脱出するも、世界は盲人の世界に変わっていた。
この物語にはひとりだけ目が見える女性が存在する。
この女性により7人の仲間は生き延び、人間らしい生活を保ち、人間性を維持する。
しかし、見えているからこそ自分が皆んなの目になり、皆んなを助けなければと考える姿は痛々しい。
そして自らも目が見えなくなりたいとも考えてしまう。
見えないからこその真実。
見えないからこそ分かるひとの心。
見えることによって、私たちは見えなくなってしまっていると、作者は語りかけてくる。
ノーベル文学賞受賞サラマーゴ作

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紙の本

紙の本琥珀の夏

2021/08/16 07:23

琥珀に子供を閉じ込める

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

辻村深月さんの作品は期待を裏切らない。
どれも読むと一気に読み続けたくなる。
おもしろいだけではなく、人の痛みに寄り添う優しさ、私たちが直面している辛いものに立ち向かう勇気、そしてミステリー的な面白さ満載。
本作は、子供達の理想の教育を目指す「ミライの学校」が舞台。小学校の夏休みの合宿に参加したノリコは誘われた学校の友達とも一緒にいられず不安な時間を過ごす。
そんなノリコに未来の学校に暮らすミカとシゲルが声をかけて二人の友情が育まれた。
そんなミライの学校の事も忘れていた頃、学校の敷地から子どもの白骨が発見される。
弁護士になっていた法子のもとに白骨で発見された子供は自分の孫ではないか調べて欲しいと依頼がある。
その後は一気読み。

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紙の本

紙の本本心

2021/07/04 13:44

生きること 死とは 現実と仮想社会の違いとは

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

少し前にカズオイシグロの「クララとお日さま」を読んで近未来の格差社会について考えさせられた。
本作もそんな世界をまた新たな物語として面白く楽しめる一冊です。
舞台は生き続けることが経済的に厳しい格差社会。
母と二人で暮らす息子は母から「もう十分だから」と自由死を告げられ理解できていない時に、突然の事故で母を失ってしまう。
息子にとって母との暮らしが全てと考え、母をヴァーチャルフィギュアとして蘇らせる。
フィギュアは二人の時間を過ごすことで「母」は母らしくなると考える息子。
母が生前よく付き合っていた三好に出会い、ひょんなことからルームシェアをすることになる。
貧しいため仮想世界で満たされたいと考える人たち。
読者も主人公達もどちらが現実の世界なのか分からなくなりながら物語の中で生き続ける。
生きていることとは、存在しないこととは、生き続けることとは、この小説はこんな投げかけが次々に発せられる。
読者は登場人物たちと同じ様に悩み、考え、答えを探そうとする。
今年最高の本と選んだ小説があったが、本作も今年度最高の一冊です。

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紙の本

紙の本つまらない住宅地のすべての家

2021/06/29 15:52

つまらない住宅地の面白い小説

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

初めに住宅地図とそこに住む住民達の説明があり、最初は何処に住む誰々と確認しながら読むので登場人物達が混乱する。
刑務所を脱走した逃走犯が近くに来ているかもしれないと知り、住民達が自警団を作り見張る事から物語が始まる。
最初はそれぞれの住人達の生活が語られるが、児童誘拐を計画している一人暮らしの男性、問題のある息子を家に閉じ込めようと考えている夫婦、母親から見放された姉妹、雨戸を閉め切って外灯を灯さない暗い家、それらがなんとも不気味で恐ろしい。
本当は逃亡犯が恐ろしいはずなのに、物語はつまらない住宅地の住民達に焦点を当てる。
後半、ついに逃亡犯が語る。
逃亡の訳、そして住民達との接点がなんとも上手く練られていて、それまで張り巡らされた伏線が次々と回収されていくのがなんとも読んでいて気持ちがいい。
逃亡犯と長谷川家の祖母との対決の場面、その場面をしっかり見届けた孫娘、見事です。
逃亡犯を同級生だった耕市が家に連れてきて、耕市の母親が温かく迎えた場面には涙しました。
津村さんの小説は好きで読んでいますが、こんなに巧みに構成された小説は初めてかも。
これからの作品も大いに期待したい。

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紙の本

紙の本爆弾

2023/02/24 07:21

期待して良い

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

第一章の冒頭から最後まで一気読み。
名前も住所も分からない容疑者と刑事の心理戦がとにかく面白い。
冴えない中年男の酒屋の店員への暴行事件と思っていたが、容疑者は爆発を予言。
第一章は等々力刑事から特殊犯係の清宮に取調を交代。
清宮とスズキタゴサクの心理戦は読み応えがある。

第二章は類家に取り調べが交代。
類家の推理はスピード感があり、物語はスピードアップして進む。タゴサクに上手く操られた伊勢刑事。
警察を不祥事で辞めた長谷部。
長谷部の家族が登場。

何もかも今までのスケールを超越したサスペンスミステリー。
読めて良かった。

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紙の本

紙の本汝、星のごとく

2023/01/16 20:30

凪良さんの小説の中で一番好きだ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

自分の恋愛しか見えない母親を持つ櫂。
父親が愛人のところに入り浸って帰って来ない家庭で育つ暁海。
二人は不安定な家庭に翻弄されながら、運命のように惹かれ合う。

漫画家を目指し東京へ旅立つ櫂。
一緒に東京へ行きたい暁海だが、母親を置いて行けないと島に残る。
遠距離恋愛ながら、漫画家の夢を実現させようと懸命に書き続ける櫂と母親の面倒を見ながら納得いかない仕事を続ける暁海はお互いを愛しむように二人の時間を過ごす。
しかし、櫂の仕事が売れていきお金をどんどん稼ぐようになった辺りから二人にすれ違いが生じる。
櫂と暁海を交互に書きながら二人は年齢を重ねる。

二人の決して分かり合えないそれぞれの思いも理解できる。
順調だった櫂も相棒の事件で漫画界から追放されてしまう。
暁海は島で耐えながら母親との生活を過ごす。
いつまでこの生活が続くのか
いつか自分の夢を実現出来るのか

二人はそれぞれ惹かれ合い、すれ違い、成長していく。
自由になるために、何かを捨てるのではなく、掴むだけなんだ。

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紙の本

自己啓発本を超えた物語

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

現代の複雑で孤独な社会を生き抜くために、こんな本があったら救われるだろうと思える。
辛い時には助けてと声を出せたらいい。
でもそんな助けを求めたら他の人に迷惑をかけてしまうと躊躇ってしまう。
人には迷惑をかけないように、自分で完結するために、PDCAサイクルを回し続ける人生。
なんて苦しい時間だろう。
手元に置いて置きたいと思う一冊。

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紙の本

複数の勘違い

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小説講座の人気講師からセックスを強要され、小説を書くことも講座も辞めてしまった咲歩。結婚して数年後講師をセクハラで告発した。

小説は当事者以外の家族、小説講座の生徒たち、SNSに投稿する関係の無い他人などの語りで進む。
視点を変えながら、いろいろな人の気持ちを読みながら、読者はグッと物語の深みに沈んでゆく。
上手いなあ、と唸らさられる。

レビューの中に父井上光晴に関連して読んでいる人がいた。
娘だった荒野は、どう思っていたのか。傷ついていたのか、と想像してしまう。
ただ、本作は傷ついて傷ついて、生皮を強引に剥がされ痛みに苦しんでいる咲歩が、告発したことで、もがき苦しみながらも、傷を癒していく姿が語られる。

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紙の本

紙の本恩讐の鎮魂曲

2022/06/11 17:40

稲見教官の集大成

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

見事な弁護、見事な判決。

沈みゆく客船で起こった事件で、緊急避難で無罪判決の栃野を絡ませたストーリーは読み応えがあった。
御子柴弁護士の調査も見事だった。
稲見元教官を無罪にするために全力で弁護を行ったが、稲見は殺人の意思があったと法廷で告白し罰を与えて欲しいと願う。
罪を与えられなかった者の辛さ、罪を償って生きていく辛さがある。しかし稲見にはもう残された時間がない。だからこそ罪を与えて生きる道を与えたのだろうか。

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紙の本

野球を愛し、最後まで野球と生きた名将

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ノムさんが解説する試合は楽しみだった。
なかなか他の人が気づかない視点でゲームを見ていた。
また作戦や球種もズバリ当てたり、見ていて楽しかった。
弱小チームをいかに勝たせるか。
ヤクルトの選手たちが逞しく成長し、今指導者として活躍する姿はノムさんが望んだ光景。
きっと喜んでいることでしょう。
ノムさんの教えを引き継いだ人たちが、これからの野球界を楽しものにしてくれることを願います。

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紙の本

紙の本砂に埋もれる犬

2022/02/21 06:58

桐野夏生ワールド

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

育児放棄の問題を深く描き出した一作。
桐野夏生だからここまで描けると、辛い内容だがじっくり読み進められる。

子供、親、児童相談所の職員、里親などそれぞれが語る物語には、理解し難いこともあるが、妙に納得させられるような心情が書かれている。
読むのが辛い物語だが桐野夏生の力量に納得させられた一冊。

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