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求道半さんのレビュー一覧

投稿者:求道半

58 件中 31 件~ 45 件を表示

紙の本ぬむもさんとんぽぬくん

2017/06/09 17:39

真空からの贈り物

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二足歩行する二頭身の異星人ぬむもさんとんぽぬくんの外形的な違いは、頭にアンテナのような突起があるか、単眼鏡のような物を掛けているか、であるが、んぽぬくんについては『いないときに来る列車』に収録された書下ろしの短編でその素性が少しだけ明かされており、本巻にもタイトルに偽り無く登場するものの、その活躍は二年前の断片的な出来事が過半を占め、ぬむもさんの地球での滞在記が本巻の大筋である。
 『いないときに来る列車』の大部分を占める「斥力構体シリーズ」の続編である『ぬむもさんとんぽぬくん』は完結していない架空の静岡の郷土史の一部であり、本巻では昭和から平成へと作中時間が経過しており、それに伴う少女の裸体表現に対する世間の風潮を反映して、スクール水着を着用する機会は十分に確保されてはいるものの、腰蓑姿は影を潜めている。
 年頃の女の子に対する性的な関心は、地球人だけの特質ではなく、本巻に登場する性別不明の宇宙人とも共通する自然律であり、彼らの地球滞在の目的を遂行する上で欠かせない財政的な基盤に資する宇宙規模での一大事業を興す動機ともなっているのだ。
 残念ながら本巻では、日本人の少年や成人男性は直接的には登場せず、複数の少女が様々な異性人と交流する様子が和気藹々と描写され、彼らが男の子の代役として、少女の羞恥心を刺激しつつ、微笑ましい日々を共に過ごす。彼らの存在は噂として周知されており、初対面であったとしても、旧友のような自然な応対から交際が始まる。
 通常の異星人と「彼等」と呼ばれる存在の区別が作中でなされているのが「斥力構体シリーズ」の真骨頂で、時間的、空間的な広がりが、凡百の異星人の来訪譚とは趣を異にする、独特の謎と訴求力を産み出し、ある状況下での、当事者ですら想定し得ない展開は、物語の根幹に関わる秘密の一端を覗かせ、読者を唸らせる。
 半官半民の組織なのかさえ明らかではない杉登機関と呼ばれる異星人との窓口機関や政府の関係者が、男子の件と同様に直接、読者に姿を見せることは無く話が進み、ぬむもさんの居候先の娘である吉川奈美に地球人代表の権限が託される、ある異常事態が本巻の山場である。    
 空を飛べる機械で自宅の周辺を散策したり、謎の生き物を採集したり、海辺まで遠出したりする、夏の日の出来事や、学校での部活動は、読者の郷愁を呼び起こし感傷に耽らせる役目を果たすだけの陳腐な情景ではなく、気の抜けたような絵柄からは想像し得ないサスペンスの舞台に変貌する性質のものである。
 繰り返し用いられるモチーフをマンネリの所産だと決め付けるのは早合点であり、他の作品との比較、類推から「斥力構体シリーズ」を、より深く理解する手立てを読者が自らの意思で放棄する事を意味し、賢明な態度とは言えない。同一の行為や状況が作中の時間経過で、その内実を変化させているのに気付けるか否かで、作品に対する愛着の度合いが変わるのだ。
 締め込み姿の少女は健在である。

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とまとの湯剥き

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連載終了後に発売された第十三巻は、カップルが成立したり、男女の仲が深まったり、魔法のアプリが暴走したりする、他の単行本と同様の出来事が収録されているが、魔法のアプリ以外の謎のアイテムを巡る、当事者が廃人になる危険を孕んだ緊張感の漲るエピソードが、読み応えの面でも、完結に向けた伏線の面でも、中核をなす、不吉な単行本である。
 しばらく息を潜めていた謎の組織パームズの一員が漏らした言葉の意味は、最終巻を読めば明らかになるとは言え、これだけでも読者に混乱と衝撃を与えるのは確実であり、魔法のアプリの実質を示唆して、不安が募る。
 もちろん、暗鬱な雰囲気を和らげる、他の四つの話は、あれを加筆する場面が少ない反面、週刊少年ジャンプとジャンプ+での双方の第一話に焦点を当てたり、実質的に最後となる恋物語であったりして、最終回直前に相応しい、賑やかでコメディ色の強い、明るいものである。
 本編での加筆が少ない分は、当然、おまけで補われており、我波灰、更田とまと、麗郷サヴィナの本編と関連の深い凝ったシチュエーションでの素肌の露出が用意されている。また、校内で戯れる朱雀と筧の様子を覗き見る女子の反応や胸が小さい女の子の利点など、性的でありながら笑いを誘う小話もある。
 巻末の最終巻の予告は、連載終了時に周知された書き下ろしの完結編の収録を、連載を振り返るコラージュと共に伝えるもので、本巻にも登場するパパラッチの活躍を暗示するかのようなコマも載せられている。

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能天気な切札

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普段とは異なる体裁の第十一巻は、まるで青年向けの雑誌であるかのような錯覚を、本作ではおなじみの手法と漫画ならではの趣向で生じさせつつ、収録された三つのエピソードは、過去に登場したカップルやその友人同士の絆を深めさせる、従来通りの作風を堅持する。
 注目すべき点は、作者の各話の構成力が間違いなく上達している事で、とりわけ二つ目のエピソードは、時事的なアプリゲームを題材にした、主人公が男性会社員の、一瞬、他の作品を読んでいる印象を読者に与える異色作であるが、魔法のアプリという基盤により、読み終えた時には、本作中で屈指の意外性に、満足感と幸福感を抱くであろう。
 本巻では、魔法のアプリの秘密を探る組織、パームスに関する動きは全く把握されず、作中に不穏な空気が漂う事はないものの、度を越した愛情表現が、笑いに包まれた犯罪行為に発展し、異様な緊張感が漲る場面もあり、読者を飽きさせない。
 今回も、威風音学園に在籍する二人のアイドル少女のグラビア撮影の裏話や、ある親子の入浴時の会話、女体に絡まる蛸などのおまけが収録され、どちらが本編なのか区別がつかない猥雑な局面を活写する。
 以前、読者モデルとして下着姿の撮影を拒否した卜部シエナを覚えている読者は、巻頭のグラビアで本作の宣伝をする水着姿の細身の少女を見て驚くと共に、風呂場ではあまり見映えのしなかったその体つきが、二人のアイドルの秘密の暴露の余波で、本人の知らない場所で、見事に存在感を増したのを、必ず、確認すべきである。覚えていない読者も、見ず知らずの読者も、確認すべきである。

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恋路の道標

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嫁入り前の娘が、政略結婚に反発し、ささやかな性的な抵抗を試みる、姫の秘め事と言う解題で間違いがない内容である。
 幕末の政情不安を背景にした大名家の婚姻は、予想以上に面妖な政治力学に支配され、当事者の女子には口出しする権限も自由も無いが、主人公の敬姫は、世継ぎの懐妊に資する閨房の術を習いつつ、ある男らと共に嫁ぎ先の江戸を目指す。
 薩摩から船で長崎経由で大坂まで行き、そこから中山道を経て、江戸に到る道すがら、正体不明の刺客に行く手を阻まれつつ、異国情緒溢れる丸山遊郭での饗宴、上方の商家の奇習、信州の奇祭を体験し、既に隠居した婿に対面する頃には、手抜かり無く初夜を迎える心構えが備わっている事であろう。
 表題作以外に一本、前シリーズの短編が収録されているが、登場人物には全く関連がないものの、火伏札という共通のモチーフが用いられる。「ひめごと」での火伏札に関わるエピソードは僅かであるが、同じモチーフを扱いながら、全く異なる艶笑譚が仕上がるのは興味深い。
 成人向けの内容だ、と敬遠される恐れがあるが、徹頭徹尾、裸体や性愛の描写で埋め尽くされている訳では毛頭なく、チャンバラや刃傷沙汰、権謀術数を味わえる、虚実織り交ぜた時代劇である。

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日が差す時

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記念すべき十巻目の内容は、祝祭的な晴れやかなもので、独り身の寂しさを託つ醜男も、高嶺の花に想いを寄せる少年も、なんだかんだ言った所で、心が浮き立つ状況に直面するのだ。
 前巻以上に、連載開始の初期に登場した人物が大半を占め、過去に使用された魔法のアプリが汚名挽回を図る話もあり、おさらいとまとめに主眼が置かれた、新規読者にも親しみやすい一冊である。
 しかしながら、話の途中で少しだけ明かされる謎の組織パームスの実態や人間ではないアプリの説明書の秘めた想い、主要な舞台である威風音学園にまつわる人々の相互の関係性も徐々に明らかとなり、一歩ずつ結末に向けて話を進めている印象を受けるであろう。
 おまけがふんだんに用意されているのが単行本の長所と特色であるが、本巻では珍しく、次巻の予告と既刊の案内に四ページを費やし、一瞬、戸惑うが、予告によると、第十一巻が普段とは異なる体裁で刊行され、本巻にも登場する二人のアイドルがそれに深く関わっている、との事で、期待が高まる。巻末の予告も前例がない訳ではなく、それを補うだけの少女と説明書の弾力的な肌が本編でも披露され、問題はない。
 すれ違う想いと恋人を思う気持ちが重なる、アプリの介添えによる奇跡を、休日や放課後の逢瀬を、本巻でも存分に味わえるであろう。

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羞恥心の変化

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週刊少年ジャンプでの連載開始から魔法のアプリによって結ばれたカップルは数十組を超えるが、本巻に登場する四組のうち二組はその一番手と二番手であり、別の一組は移籍連載開始直後に登場し、まだ付き合っていない男女で、第九巻は時間経過によるそれぞれの関係の変化と使用者に寄り添うアプリの有用性を再確認するには、好都合な内容である。
 移籍に伴いプラスされたのは、単行本化の際の少女の乳首だけだと思われがちだが、週刊誌連載分の第一巻と本巻とを見比べて一目瞭然の違いは、表情の豊かさで、何度も主役として登場するキャラクターではそれが顕著であり、展開の面でも前回の出来事を踏襲しつつ、新たな局面を提示し読者を飽きさせない。
 どの巻についても当てはまるが、たとえ各エピソードの結末が読者の予想通りであったとしても、犬が重要な役割を果たす本巻収録の話のように、各話の途中経過を正確に言い当てられる程、単純な構成の話は一つもない。 
 今回はおまけも変化に富み、ストーリーを重視した続き物が多く、本編では見られない少年の乳首や、人目を忍ぶ卑猥な部活動、同級生と張り合う少女らの姿が追加される。
 時々、語られる謎の組織が壊滅する時、物語は終焉すると思われるが、その手先の女が浮気男に挑む、純情と愛欲の賛歌で本巻は幕を閉じる。だが、組織の実態に触れられる事はなく、まだまだ楽しい時間が過ごせそうだ。

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春の深層心理

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本巻は、他の巻とは趣が異なり、魔法のアプリを介して新規カップルが誕生する話は一話もなく、男同士、女同士の友情を育み、絆を再確認させる手段として、謎のアプリが役立つ。
 甘ったるい恋愛話が苦手な、普通のコメディーを好む読者に打って付けの四篇の各主人公は、今回が初登場ではなく、脇役として何度も登場しており、この一冊だけで、その人となりを判断して、これ以上、読み進めないのであれば、非常に損だ。
 魔法のアプリに精通した謎の男が登場したり、ギャグやパロディーの側面が大幅にクローズアップされた本巻は、全体的に見ると、その特色は、変質者、にあり、彼らの動向を注視するのが、楽しくない筈がない。
 更に、過去にアプリの仲立ちで成立したカップルが二組、他人のアプリの利用に伴い、その親密な関係を読者に披露する微笑ましい光景もあり、本編での性的な描写は言うに及ばず、一人でも多くの方が、本巻を手に取り、本作の魅力の一端に触れてくれれば、と、切に願う。
 思春期の男女の哀切な叫びを聞いて、変態、と蔑むのも、欲求不満、と笑うのも、憐憫の情を催すのも、読者次第である。

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理不尽な裁き

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正当防衛など認められない階級社会で育った少女が受ける刑罰は、古代ローマの剣闘士よりも絶望的な見世物であっさりと殺される事で、故郷から遠く離れた見知らぬ星で、グラジオラスは最期を迎える筈であった。
 人を憎む壊れかけたロボットが跋扈する星での対戦相手は、ビーム砲塔を持つ巨大な機械で、手も足も出ないグラジオラスが勝利を諦めかけた時、予想外の援軍が現れ、戦局は一変する。
 幸運の神と同じ名前で呼ばれる小さなロボット「カイロス」の力を借りて、少女は逆境から逃れられるのか。
 次々と降りかかる身体的、肉体的な試練に、野獣狩りしか経験した事の無い非力な少女が耐え、恩赦を勝ち取れるのか、少女の死を望む声が響き渡る中で、血も涙も無い敵に立ち向かうグラジオラスの勇姿に見惚れない者などいないであろう。

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冒険者の心得

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幼女新米冒険者の修行時代を、二十九歳の独身男性の目を通して描く、相棒が少年ではなく少女である利点が遺憾なく発揮された作品だ。
 捨て子や奴隷が横行する社会で前向きに生きる少女リルイに過去の自分を重ね合わせたハジメは、時に手を貸し、葛藤し、突き放すが、命取りになりかねないと分かっていながらも、年端の行かない女の子を仲間として迎え入れ、面倒を見る。
 だが、単なる人情話や苦労話で話が終わるのではなく、本人ですら気付いていない幼女の正体が、性別の異なる師弟関係を今後、ただならぬ仲へと発展させる可能性を宿し、興味深い。
 毎朝、ギルドに顔を出し、仕事を請け負う冒険者としての心構えを、手取り足取り、一から教えられるリルイの修行は、村が管理するダンジョンに出現するスライムに打ち勝つ、初歩的なものだが、リルイは、中々、倒せない。
 おまけでは、そのスライムの視点で、ダンジョンの仕組みの一端が明かされ、立場が逆転した二人のパロディも別にあり、目次の仕掛けも面白い。

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格安物件の日常

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地縛霊を除霊すれば下宿代が只になる男子高校生、冬空コガラシの高校入学式前後の騒動が収められた第一巻は、元温泉旅館の入居者への挨拶と交流、クラスメートから依頼された怪奇現象の解明が主な内容で、腕力のみで霊や妖怪に立ち向かう粗野でざっくばらんなコガラシの態度が、周囲にあらぬ誤解を生じさせ、反感を買う原因となり、時には諍いの種となる。
 除霊対象が十六歳の少女だと知り、力尽くで成仏させる他の霊能者のやり方に異を唱え、自分自身でさえ未練の中身に気付いていない幽奈さんの悪霊化を阻止すべく、解決策を模索する、高校一年生の春先の出来事から話は始まるのだが、曰くつきの場に住み続ける管理人を含めた四人の猛者の正体と彼女らとの触れ合いも、物語の重要な柱である。
 一巻の時点では、主人公以外で氏名の明かされた男は二人だけで、一人はクラスメートとして今後も登場する機会があると思われるが、もう一人は余程の事がない限り再登場することが適わない仕打ちを受けており、男同士が拳で語り合う展開を好む読者には期待外れな場面が多いであろう。
 その反面、山裾の温泉郷ならではの風景と温泉を堪能する少女や女性の裸体の描写には事欠かず、入居者以外の入浴の場面などもあり、湯煙で霞む事が多いとは言え、重力に従い、時に抗う躍動的な乳房の持ち主の、主人公に心ならずも全身を弄られた時の表情は、目を細め、頬を赤らめ、吐息を漏らす、少年だけではなく成年男子の心をも落ち着かせないものである。

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女の子の秘密

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四人の高学年の女子児童に懐かれた男性養護教諭に降りかかる性的な災いは、逮捕寸前の段階にまで達しつつある。
 本人が弁明するとすれば、自らの意思で積極的に女子児童の体に触れてはいない、同僚にも相談した、等と主張するであろうが、同情の余地がなく断罪に値すると考える読者は、そっと本を閉じ、密告などせずに放って置けば良い。
 口の堅い者だけが、牙城の保健室で、下宿先で、村人共用の温泉施設で、多少、他人の目を気にしつつ、未発達、未成熟な女の子の裸体を陰ながら存分に味わえるのだ。
 田舎だからと言って、村人全員が性に大らかではないのは、第一巻に登場した先代の女性養護教諭のように、恩師として主人公の振る舞いに釘を刺す、良識的な大人の存在からして明らかであり、主人公の教員と言う肩書きが功を奏し、村落共同体の一員として信頼され、周囲の者が油断しているだけかもしれないが、それでも星姫村が桃源郷であるのは間違いなく、都会に住む者から見れば主人公の悩みなど取るに足らない物である。
 発達途上の心と体の女の子同士の主導権争い、性的な好奇心、淡い恋心など、アンバランスな少女の探究心の原動力は、大人の秘密を暴くと言うより、背伸びであり、森の中に捨てられたエロ本を回し読みして妄想を膨らませる事自体は罪ではなく、喜ばしいせいちょうの証で、それに振り回される主人公の苦労を大っぴらに分かち合えないのが残念だ。
 見掛けとは異なり、本作が現実的で健全であるのは、結局、成熟した女性の身体的な優位を少女が見せつけられる場面からも分かるが、あくまでも内緒話、噂話として秘かに流布するのが望ましい。決して不名誉なレッテルを貼られる中身ではなく、無粋な黒いシミが必要とされる描写も全くないが、大手を振って、電車内に持ち込むのは止した方が良い。

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ロマンスの研究

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史実と神話の接点を、羽衣伝説の枠組みを逸脱しない範囲で巧みに描いた、興味深い作品の下巻は、大団円でありながら、前日譚、後日譚を想像で補う他に手がないのが悔やまれる、また想像するのが楽しみでもある、上巻以上の展開の速さと中身の濃さで、平安京の都大路を吹き抜ける薫風が感じられる力作である。
 牛、魚、狼、烏、雉、龍、猿など、動物が重要な役割を果たす、盗人が暗躍し、富士山の噴火におびえる人々が神に祈る、羽衣を巡る冒険が孕む、神々の黄昏を目にした読者の脳裏には、壮大な世界認識が必ず宿ると確約しよう。
 創作ではない、史実である、真実である。
 これが羽衣伝説の真相だ。
 漫画ではない、散逸した神話の断片の再構成による絵物語だ。
 そして恋の物語だ。
 摂関政治の始まりを告げるこの時期に、国風文化の生みの親、菅原道真が権謀術数の一端を披露する権力抗争の火種となった羽衣には、本編では語られない愛憎劇が織り込まれており、糸に宿された感情に触れれば、単なる御伽噺、昔話ではない羽衣伝説の奥深さが、身に染みて理解でき、また、それに気付いた瞬間に、作品に内包された捌け口のないやるせなさが、我が身に引き寄せて、実感されるであろう。
 日本の国の成り立ちに関心はあるが、史書や研究書を片っ端から読み込みたいとは思わない、ただ、何となく昔の事が気になる、多くの本好きにとっての手軽な参考書、肩肘張らない入門書として、また、ここから神話、伝説、歴史、風俗などの各領域に興味の幅が広がる足がかりとして、役に立つ、立たなくても暇つぶし以上の有意義な時間が過ごせる、豆知識の詰まった全二巻のガイドブックである。

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女神と天使の悪意なき悪戯

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一般向け青年漫画雑誌における年少者の性愛描写に目くじらを立てる輩の、成人向け指定に向けた圧力に抗う、一線を弁えた、女児と成人女性の裸体描写が満載の、ハートフルになるかもしれないコメディーである。
 裸を見せることだけが目的の、ストーリー軽視の駄作だと、鼻であしらうのは早計で、主人公の過去と現在が、田舎と都会、幼馴染と教え子、男の子と女の子の対比を軸に、予想を上回る構成と叙述で繰り広げられる、内緒話と言うより牧歌的な田舎暮らしの報告だ。
 確かに、重苦しく、陰惨な、抑圧的、嗜虐的な性暴力漫画を期待する読者には、導入部での卑猥なやりとりを除く軽やかであけっぴろげな女性陣の物腰と態度は物足りなく、意に沿わぬ展開であろうが、現実では到底、起こりえない、郷愁と憧憬を惹起させる、夢物語だと分かっていても、心のどこかで自分が実際に体験したかった話であると、素直に告白する勇気を持つ読者には、至極の喜びが味わえる作品である、と約束できる。
 羞恥心の欠如とは違う、暢気さと純粋さが、大人にも子供にも備わっている事で、手垢にまみれた展開と描写も、性的でありながら嫌悪感や陳腐さを伴わず、それでいて知らず知らずのうちに妙な気分にさせられ、主人公と女性とのちぐはぐな認識を楽しみつつ、各ヒロインの身体的特徴の差をするめのように噛みしめられる稀有な作品である。

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隠し所

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崇高な繁殖行為と獣的な愛欲との間の溝は、思春期前夜の少年少女の心に、抱える悩みと連関して、未知なる領域の探索へと足を向ける決意を挫けさせる障壁とはならないが、一生かかっても解決しようのない煩悶だけを生む難問でしかない。
 男子に比べ成長の速い高学年の少女が、年下の男の子を服従させるかのように同級生を使役し、成人男女の、夫婦間の、性行動の実態を理解しようと奮闘する過程を描く本作の舞台は、日本のどこかとしか言いようのない時空を超越した普遍性を宿す、一昔前の出来事のような郷愁と猥雑さが混在する、性の目覚めの日々を描くのに適した、ある町である。
 男の子は女の子のあそこと勃起について悩み、女の子は愛に満ちた結婚生活を夢想するが、正確な知識を得る手段を持たない二人の思惑は表面的に一致し、協力して打開策を練る、性を巡る冒険の幕が、人知れず上がる。
 男の子のあそこと女の子のあそこの秘密を、男子も女子も、自分の体の一部でさえ正確に把握できない状況で、異性の内面にまで思いを巡らさずに理解するのは困難で、高圧的な少女と内気な少年との間には軋轢が生じ、口げんかから端を発した争いのさなかに精神的な立場が逆転し、悲劇的な結末に至るのだが、二人が垣間見て戸惑い、受け入れようと努力する性的な快感と官能の描写には、個の確立から他者への眼差しの獲得を背景にした、大人が反省すべき人間関係、男女関係の本質が見事に表現されており、稚拙な性的な悪戯や卑猥ではない真摯な場面が作中の至る所に確認できる。
 悲劇的ではあるが、結果的に幸福感に満ちた二人の未来が約束される痴話喧嘩の怪我の功名は、異性を思い遣る、暴力の果ての、新鮮な感情の獲得であり、青年誌に掲載された作品でありながら、思春期真っ只中の読者の反応が楽しみな作品である。

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爬虫類は魔性の美少女

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ペットを愛玩動物と言い換えると、性的な雰囲気を醸し出すと感じるのは異常だろうか。
 犬や猫について、では、ない。蛇や蜥蜴、蛙や亀の肌や鱗、目つきや舌先に、目を逸らすどころか、性的な興味を覚え、交尾をカメラで撮影して性的に興奮する、ペットショップの男性店員の話である。
 本作の話の筋は、毎回、各種の爬虫類の飼い方を客に説明する部分と、その店に入り浸る年齢不詳の「マドンナ」との恋に発展しそうな交流が主で、たとえ生理的に爬虫類が苦手であったとしても、リアルに近いデフォルメされたユーモラスな姿には、男女を問わず、目を奪われる筈で、新人離れした力量を堪能してもらいたい。
 タイトルの「ガラスケース」は、もちろん、飼育箱の事で、人が入るには小さすぎ、ファンタジーかと誤解されるかもしれないが、紛れもなく現実的なラブコメディーで、何故、作者がこのタイトルに決めたのか、その答えは、早くも第一話で明かされるので、真実を知れば、禁断の恋の行方に目が離せなるのは必定だ。
 巻末には描き下ろしのおまけもあり、少ないページ数ながらも、おまけならではの設定で、連載分に目を通した読者も楽しんでもらいたい。

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