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求道半さんのレビュー一覧

投稿者:求道半

82 件中 31 件~ 45 件を表示

乙女が集う模型店

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模型店に入り浸るモデルの少女からプラモデルの作り方を教わる少年の話が、何故、このようなタイトルであるのか、と、多くの読者は思うに違いない。
 プラスチックの感触からは連想しにくい、その擬音の意味を知ったとしても、小難しいタイトルだ、との印象は払拭する事が出来ないであろう。
 しかし、主人公の匠海が真っ先に想像した女体の弾力性と滑らかさは、それでも副題に即しているのである。
 他人がプラモデルを作る過程を見るのはつまらないと思う読者や一度もプラモデルを作ったことのない読者でも、ランナーから部品を切り離して、やすりをかけて、部品同士を丁寧に接着する各段階の要諦を、文字だけで説明されるのではなく、先生と教え子の関係と二人の周囲の者とのそれぞれの交流を軸にしたラブコメディーとして絵と文字で学べるので、素人はストーリーを楽しみつつ素直にそのやり方を実践し、玄人は自身の技と比較して技術の向上を図れるのだ。
 本作では主に艦船模型の組み立ての手順が扱われるが、作中には複数のモデラーの少女が登場して、船舶以外の模型の作成や完成品を使用した遊びも披露されるので、話は単調ではない。
 また、乳首は描かれないものの、少女の入浴シーンやヒロインの文夏に匠海が抱きつかれたりする場面があり、匠海の妹は家の中で下着姿で過ごすので、お色気の方面も少しだけ楽しめる。
 ミリタリーマニアには物足りない中身かもしれないが、ソ連軍の侵攻等、素人向きではない話題もあり、双方ともに本作を敬遠しかねないが、プラモデルに興味がありさえすれば本作を読むのに知識の過多は不問である。

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サファリの代償

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天空にあるアリアドネ皇国から地上に降り立った皇女レアナへ差し向けられた追っ手と主人公ラシルとの戦いは、本巻でひとまず決着するが、レアナが半年後に他国に嫁入りする経緯が明かされた事により、期限のあるお姫様の物見遊山が、実際にはアリアドネ皇国国内の政争と無関係ではなく、それは第一巻で追っ手を差し向ける人物の不遜な態度からもある程度は示唆されていたとは言え、今後、第二、第三の姫の追跡部隊の派遣とラシルの追討命令の発令は不可避だと思われる。
 本巻を読み終えると、ヒト以外の十二の種族のうち、四種族の名称を知る事が出来る。前巻から登場するシウ族に関しては、突発的な事態の発生によりシウ族の村へと足を踏み入れたラシルとレアナは、そこで追っ手以外の敵と遭遇し交戦する。
 先の大戦で特殊な能力を有する兵器にされたラシルが、旅の途中でその力を発揮する相手が、次の大戦を惹き起こしかねない連中であるのは運命的で、地上と天上、それぞれにある国家間の紛争が、レアナとラシルが出会った事で複雑化して、全面的な世界大戦へと発展しないか不安である。
 しかし、第二巻も真剣な戦闘の場面だけに紙幅が費やされてはおらず、浮世離れしたレアナがシリアスなシーンにおいてもラシルに茶々を入れて、その物言いが周囲の者へと伝播するので、気分が和む。
 また十二の種族の姿には、それぞれ一見しただけで分かる特徴があり、前巻においてはズネ族を見てはしゃいだのはレアナのみであったが、今回、シウ族の女性に圧倒されるのはレアナだけではない。シウ族の男性は上半身裸で外出する。少年も同様だが、少女と成人女性は半裸ではない。
 十二の種族以外の、少し不思議な生き物にも、二人は旅の途中で出会うだろう。

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若気の至り

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白浪理助は法螺吹きである。
 しかし、誠実な男である。
 大学生同士の見栄と虚飾と意地の張り合いは、彼らの実生活にどのような影響を与えるのか、その答えが最終巻となる第二巻で明かされる。
 第一巻で見られた主人公等の破天荒な言動は、本巻では多少、抑えられており、拍子抜けする読者もいるかもしれないが、新入生の濱崎みなとみらいは、夏休みを経て、ようやく先輩の理助と向き合える。
 他人が知ったか振りをするのを非難するのは容易いが、読者は決して理助らを貶すべきではない。
 終盤で理助やみなとみらいが心底から発する言葉を、二人の会話を、一言一句、聞き逃さないで、その是非を判断してほしい。
 本作は理助の幸福論である。
 背伸びをする男は幸せになれるのか、なれないのか、理助の本性を知る事となるみなとみらいは、嘘つきが嫌いである。

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妖怪の集まる場所

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ゆらぎ荘のある湯煙温泉郷についての観光情報は、読者にあまり知らされてはいないのだが、第十一巻では、そこで開催される音楽祭やレジャー施設の詳細が入手可能である。
 また、生前の幽奈さんに関する貴重な証言も、新たに登場する少女によって齎されるであろう。
 既出の人物の動向に関しては、コガラシの誘拐騒動以来、度々、ゆらぎ荘を訪れるようになった西日本の妖怪の出番は今回はなく、新学期前後にコガラシと知り合った者らが彼を赤面させる色仕掛けを施し、久しぶりに登場した男はコガラシとその周辺の娘に対して、またもや多大な迷惑をかける。
 本巻でも管理人を除くゆらぎ荘の住人は、一度は、裸となる。コガラシに対して積極的な態度を示す雨野雲雀は、単独でも他人と一緒の場面でも、その裸身を読者に見られる機会が一番、多い。
 前巻に収録された話において、猫神様の助けがなければドジである事が判明した夜々は、本巻では、知られざる猫神様の力によって、その風貌を一新させる。変身する前の夜々は裸である。
 増刊に掲載された僅か数頁の番外編の主役は狸娘のこゆずであり、番外編は本編以上の密度で女体が入り乱れる。

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部活動の意義

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第一巻で一都四県の名所を探検したアウトドア部に所属するさぐりちゃんは、第二巻の後半では高校二年生となり、他の部員と共に更に遠くまで足を伸ばし、充実した部活動を行っている。
 遠足や修学旅行でも触れる機会があるかもしれないアウトドア部での非日常的な体験の数々は、まだ部に加入していないツムという昔馴染みの男子がさぐりちゃんに常に寄り添う事で、引率する女性教師や部長が傍にいても、二人だけの秘密の時間を過ごしている錯覚を、当人にも、読者にも、感じさせる。それは部活動以外の課外活動とは異なる雰囲気の中で行われる、部活動の最中でしか味わえないものである。
 第二巻の末尾の時点で、アウトドア部の部員数は五人である。
 新入部員の勧誘に消極的な部長と二人だけで始まったさぐりちゃんの高校での部活動は、さぐりちゃんの人徳のなせる業か、一年間で三人の仲間を得て、活動範囲を広げつつある。
 初出時に読者の目を惹いた、単行本にも収録されるべき、作中のカラー頁は、第一巻と同様にピンナップとしてスナップショット風に纏められて巻頭に収載されている。この事を残念に思う読者の気持ちは理解するが、本作は、各回の数頁のカラー頁の有無のみで、話の内容に対する評価が左右される作品では決してなく、モノクロのストーリーを読み終えてから、過去を懐かしむかの如く、カラーピンナップを見返す、という単行本ならではの読み方が可能なのだと、知ってほしい。
 ツムが入学祝で貰ったカメラや趣味のゲームを通して、さぐりちゃんや他のアウトドア部員と仲良くなる、男子高校生の日常の場面と、病弱だったさぐりちゃんが読書だけでは知り得なかった世界に対する好奇心を満たす場面とが混在する探検コメディーは、泥まみれになる事だけが探検ではない事を証明する。
 本巻では、探検で重要となる食糧問題についても話が及ぶ。
 アウトドア部にはグルマンがいる。
 その恍惚とした表情は、探検の定義を揺るがしかねない危険なものである。

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死なせたくない子どもたち

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集団安楽死を企てる十二人の子どもたちは、まだそれを実行しておらず、集合時間の正午から数時間が経過した。
 それは全員が怖気づいたから遅れているのではなく、予想外の事態に直面して、精神的にその始末をした上で、晴れ晴れとした気分で死にたいと願う一人の参加者の切実な訴えが発端となった、その場にいる筈のない十三人目の存在の死因を巡る疑念が解けないからである。
 自殺と他殺の違いは、その真相次第では、崇高な理念に基づく集団安楽死の参加者が、殺人事件の容疑者となりかねず、それは、自死は望むとも殺人の汚名は被りたくない、と言う珍妙な議論によるものだ。
 自殺か他殺か、犯人は誰か、共犯者はいるのか、と、全員で話し合う過程で、各々の自殺したい理由や境遇が明らかとなり、その事で議論は更に混迷し、自己申告した内容が真実であるとすれば、誰にも十三人目を殺す理由は見当たらない事になるのだが、一人だけ、犯人ではないかと名指しされた後に行方不明となる人物も現れて、中々、全員の意見は纏まらない。
 第一巻では目立たなかった人物も、本巻では積極的に発言し、十二人の子どもたちの性格や見解の相違が読者にも知れ渡った事で、読者も各登場人物と一緒に他の参加者に対して同情したり、反発する事が可能となった。
 自殺の動機を他人が理解し、それが尊重されるには、どのような社会的な了解があれば良いのだろうか。集団安楽死の志願者であっても、他の参加者の素性や動機を聞くと、自殺を思い止まらせたくなるようだ。
 熊倉氏のあとがきによると、次巻でクライマックスとの事である。

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深遠な尻

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未亡人である母親と二人暮らしの男子高校生鈴木実は父親譲りの性的な好みを有しており、母親のお尻を眺めては、物思いに耽っている。
 また、ある理由から、お尻を見た時だけではなく、折に触れて、母親の事を可愛い、と感じてしまう。
 これは罪であろうか。
 本人は悩んでいるのだ。
 第二巻では、彼を救うかもしれない、自身による同級生に関する発見があり、その同級生は何度も登場している女の子である。
 このような話の概略を少し聞いただけでも不潔に思う方には、肉欲を主題にしている作品ではないと伝えたい。
 このような作品を愛読していると他人に知られたくないから、興味はあっても実際に単行本は購入しないと決心している人には、あなたは当事者ではない、と翻意を促したい。
 ブルマを穿いた少女に対して、何故、色めき立つ男がいるのか、と不可解に思う、或いは、そのような読者の心情を理解したいと願う、知的探究心の旺盛な老若男女は、本作を読めば、その疑問が解消するであろう。
 母親の旧姓は大蜘蛛である。
 意外にも、ある虫が苦手で、別の虫も体のある部位に近付きやすい体質だそうだ。
 息子は母親の身体に触れて、虫を取る。
 何ら、いかがわしくはない。

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長いものに巻かれるな

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法では裁けない犯罪者を、誰がどのようにして断罪すべきなのか、ある被害者の遺族が出した答えが知りたければ、本作を第一巻から読んでほしい。
 SPを退職した初老の男、平賀雷蔵と小学生の女子児童、涼風美晴が請け負う他人には言えない仕事は、莫大な報酬が確約されてはいるものの、余程の事情を抱えていなければ、即刻、辞退すべき内容であり、任地に赴く事も任務を遂行する事も、素人には困難である。
 二人は数々の案件を処理して生き延びているのだが、最終的に立ち向かうべき相手は、狡猾で抜け目なく、包囲網は着々と狭まりつつあり、客観的に見れば、そこから二人が脱出する見込みは少ない、と言わざるを得ない。
 二人には血縁関係はなく、爺と少女は成り行きで一緒に行動するようになった間柄である。
 前巻から続く、時事的な話題に着想を得たと思われる政治的な駆け引きが、本巻では、一気に世界規模の反社会的な集団の内部での主導権争いへと発展し、本人が覚えていない自身の過去を知る人物の下へ美晴を導く。
 本作には、本巻の収録分だけではなく、所々に、小学生の女子児童の下着姿やコケティッシュな姿が、主にアクションシーンの最中に見られるので、気になる読者は目を凝らして読んでもらいたい。
 しかし、平賀雷蔵は、孫娘と間違えられても不思議ではない女に手を出す男ではない。

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超人の騎士道

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血の繋がらない家族と共に人里離れた場所に隠れ住む十四歳の少年ラシルの前に現れた異国の少女レアナは、未知の世界の有様を、その目で確かめてから、ある人物と結婚したいそうだ。
 世間知らずの二人が、これから見聞を広める、その世界には、嘘か真か判断しかねる噂が数々あり、レアナがラシルに告げた種族や土地について、二人が一緒に真実を確かめるのが話の本筋であろう。
 ラシルの興味はレアナの故国についても向けられており、一般人が知り得ない複数の空中都市国家と地上の国々との関係も、二人の旅に影響を与えるのは確実である。
 更にラシルの秘められた能力は、先の大戦とも関わりがあるらしく、その非人道的な技術は、地上の国のものだけではなく、空の国の機械にも応用されている模様で、軍事機密を巡る陰謀にも、二人は度々、巻き込まれるかもしれない。
 本巻でラシルは正体不明の人物に打ちのめされる。
 レアナの国の者からも攻撃される。
 レアナは早速、ヒトとは外見の異なる二種族と接触する機会を得る。
 好奇心旺盛な、高貴な、レアナの豊かな感情表現と言動は、いつしかラシルの心に庇護欲を掻き立てて、卑賤な少年は騎士へと転身する。
 二人の移動手段として利用される家畜の臭いと生理現象を喜ぶレアナの顔は、その一例である。

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牧歌的な窮状

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仮に、中学生の男女の磯遊びが、余暇ではなくて生活の糧を得るための純然たる労働だったとしても、本作を読まずに、そんなのは退屈で面白くない、と断言するのは止めた方が良い。
 主人公の浦島六郎の家は、ヒロインの村上セトの家族のような切羽詰った経済的な苦境に陥ってはおらず、六郎には二人で食べ物を探すのを楽しむ余裕があるが、空腹に耐えかねているセトは海の恵みを余す所なく享受したいので、血気盛んで我武者羅である。だが、手当たり次第に獲物を捕らえようとしても、都会育ちのお嬢様には、知識と経験が足りず、漁村ならではの社会的なルールにも阻まれて、苦労が水の泡となるのが常であり、そこに滑稽さが生じるのだ。
 この説明だけで、瀬戸内の海辺の中学校を舞台にした地元の少年と余所者の少女との準サバイバル生活が、楽しそうだと感じられる読者には、これ以上、言い添える必要はないかもしれないが、年頃の男の子の前に突然、現れた美少女に対して、男の子が恋したとしても、不思議ではなく、傍から見ても実際に六郎はセトの事を意識しているので、恋の話が好きな読者にも、本作は受け入れられると思われる。
 また、食材の調理法や保存方法も作中で解説されており、一種のグルメ漫画の側面も持ち合わせているのが、本作「いそあそび」である。
 読切版がプロローグとして収録され、各話の幕間にはおまけのカットがある、巻末には後日譚も載せられている単行本の第一巻は、六郎とセトの出会いから、海辺の生活に慣れ親しんでいくセトの暮らしが時系列に配置されており、読者は二人と一緒に海辺で生きる術を少しずつ学べるのだ。

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妖怪の心理描写

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もし、本巻で通巻十巻目となる事に驚く読者がいるのであれば、それは本作の真髄を堪能していないからであり、今からでも遅くはないので、再度、単行本に目を通してもらいたい。
 高校二年生となった冬空コガラシの日常生活は、妖怪絡みの椿事を抜きにしては語れず、それらは毎回、似通った話題ではないか、と見向きもしない読者にこそ、第十巻は重要だ。
 本巻では、座敷童子の仲居ちとせと酒呑童子の末裔の荒覇吐呑子の、年長者二人の言動に注目してほしい。
 一方は、永遠に年をとらない者にしか獲得し得ない見識を、もう一方は、酒に溺れている様にしか見えない者の持つ懐の深さと周囲への心配りを、読者には理解してほしい。
 荒覇吐呑子は、胸が大きいだけの飲んだくれではなく、仲居ちとせは、童心を忘れない怪物ではないのである。
 二人の言動に着目する事は、本編が、必ずしも、お色気とは無縁のシリアスな展開である事を意味せず、呑子の裸体に関心のある読者の期待は、決して裏切られる事はないであろう。
 しかし、仲居ちとせや猫神憑きの伏黒夜々の、ゆらぎ荘の浴場での十全な活躍を望む読者にとっては、今回は、物足りないかもしれない。
 だが、猫娘としての夜々の魅力の大部分は、本巻に収められた丸ごと猫尽くしの一編で、読者に伝わる筈である。
 また、幽奈を始めとする他の少女の胸の表現については抜かりなく、特に番外編での幽奈とコガラシの閨での情景は短編とは言え、必見である。

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未熟者の気概

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作者の前二作とは異なり、本作で横山氏は、読者の身近で起こるかもしれない、少年少女の、理想的で、ノスタルジックな、工作を通じての交流を描く。
 年上の少女に惹かれる主人公の小学生のボクの夢は、大工になる事であり、その少女は大工の孫で工業高校に通う女子高生である。
 一人前とは言えない腕前の少女でも、ボクの目からすれば、尊敬すべき、師事すべき、技術の持ち主であり、偶然に知り合った女の子を師匠と呼んで、腕を磨く日々が、廃工場という他の人が近づきにくい閉鎖的な空間を舞台にして、まるで二人が秘密の逢瀬を重ねるかのように綴られる。
 毎回、二人によって産み出される物の種類は幅広く、その製作手順は絵と言葉で丁寧に解説されており、工作が趣味ではない読者が読んでも、二人の情熱に感化されて、何かを手作りしたくなり、十分に楽しめるであろう。本作は途中で読むのが苦痛になるマニュアルのような作品では、決して、ない。
 作中には、ボクの、男の子らしい、性的な事柄に対する関心の芽生えの描写が、ほんの少しだけ、あるのだが、師匠の年下の男の子に寄せる想いは、まだ、明らかではなく、ほぼボクの独り相撲であり、微笑ましい。
 現段階では、ボクも、師匠も、名前が明かされておらず、恋仲となるには程遠く、二人が師匠と弟子の関係を逸脱する過程を、読者は腰を据えて見守れる。

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女優の置き土産

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初恋に振り回される高校生の男女の物語は、各々の失恋の痛みとともに、本巻で一気に幕を下ろす。
 書き下ろしの番外編まで読まなければ、大地と菜乃花、そして真麻のその後については分からず、単行本の奥付の手前まで、一頁も読み飛ばす事は出来ない。
 もちろん、最終話以降の三人の関係の全てが番外編で描かれているわけではなく、成長した大地の姿を見れば、全四巻で本作が完結する事に読者は納得しつつも、続きが読みたくなるに違いない。劣等感から産み出された分身の言葉が、自身の将来を、これほど左右するものになるとは、第一話の冒頭の大地の独白の通りである。
 単行本の第二巻、第三巻、第四巻には、本作のプロトタイプの読切が収録されており、一番、核となるのが、本巻に収録された作品である。その中の二作品では年上の女の子と年下の男の子の組み合わせが目に付くが、その点は、本作には見られない要素である。
 本巻にも番外編以外のおまけがあり、皐月菜乃花の活躍の一端や、艶っぽい豆知識など、本編を補完するものが用意されている。
 また、全四巻の単行本の各巻には、男の子が見たい女の子の体の一部が、適切に描かれている事も付記したい。
 最終巻では、特に、女優、皐月菜乃花の演技力に注目してほしい。
 本作はSNSを用いて演技する高校生の男女の物語である。

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男子の生態

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女優とファンの間柄から逸脱しつつある事を知るのは、一方の若手女優だけである状況下で、主人公、玉梨大地が、SNS上の友人と実際に会う事になるのが、第三巻の内容である。
 また、幼馴染の高峰真麻は、大地への思いを募らせて、告白する機会を窺う。
 本巻は、幕間のおまけが充実しており、本編では明かされなかったある人物の過去と現在が、四コマ形式と短編で綴られ、それは第四巻の番外編とも密接に関わるものである。更に、表紙カバーの折り返しにある作者の言葉も、第四巻と連動しており、読者はその心憎い演出も楽しめる。
 その他にも、本作のプロトタイプの一つである特別読切も収録されており、そのヒロインは、皐月菜乃花とは立場が異なるものの、両者には被写体という共通点があり、公私の区別に悩む菜乃花と似通った境遇であるのが興味深い。
 くそみそ男に扮する菜乃花が直面する、女優生命を失いかねない数々の危機と、有害君と過ごす楽しい時間とを、読者は存分に味わえる。

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魔窟の居心地

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新年度の開始前後の出来事が収録された第九巻では、新たに二人の女性が冬空コガラシと関わり、彼と日常的に接点のある女性のほぼ全員が登場し、各々が、ゆらぎ荘や高校で、様々な不思議な体験をする。
 コガラシの通う湯煙高校の新入生の一人が、ゆらぎ荘の面々と仲良くなる話を中核としつつ、収録された九話はそれぞれ独立した短編であり、たとえ、それらが第八巻までに何度も描かれたような場面であったとしても、その都度、コガラシのゆらぎ荘での一年間の生活が反映されて刷新されており、感慨深く、読み進められる。
 ヒロインの湯ノ花幽奈さんを始めとする霊的な存在が数多く登場する本作にしては珍しく、その新入生は凡人である。多少、脛に傷を持つ身ではあるが、神秘的な才能は有しておらず、このような一般人が活躍する話を読みたい読者にとっては、本巻は、願ったり適ったりの中身であろう。
 早速、その人物はゆらぎ荘を訪ねて、入浴する。
 入浴後は宴会である。
 浴衣姿である。
 その場には猫神様もいる。
 コガラシもいる。
 そこで何かが起こるのが、ゆらき荘である。

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