uruudukiさんのレビュー一覧
投稿者:uruuduki
紙の本
紙の本陰陽師 13 太陽
2020/04/13 09:55
陰陽師ーコミックか小説か
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原作は夢枕獏となっているが、両方読まれた方にはお判りの通り、このシリーズは小説の筋とは離れ、最後はまったく別の話になっている。
個人としては、どちらもいいが、映画や、ドラマの下になっているのはコミックではなく小説の方だ。
しかし、岡野玲子さんの話は難解だ。しかも、多くの晴明ファンからすれば理解しがたい部分が多いのではないだろうか?
陰陽師と言えば、イコール安倍晴明と考える人が大方ではないかというくらい、安倍晴明は多くの人に認識されている。
だからだろうが、多くの人が安倍晴明を書いている。ところが、もとが平安時代の人で史実としての情報が少ない人にも関わらず、たまに悪人に書く人がいても、何故か大筋では人物像が外れた物は見た記憶が無い。知らないだけかも知れないが――。
そんな中で、岡野玲子さんの描く晴明は何ともぶっ飛んでいる。飛躍しているのだ。
だから、ドラマ化される度に、やはりなと、岡野さんのコミックが映像化されないのに、どこかほっとするのだ。
紙の本
紙の本死体は語る 2 上野博士の法医学ノート
2020/03/31 14:46
小説とノンフィクション
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ノンフィクションでも、おそらく一線を画す法医学の関連図書が、文庫本になるのかと驚いたものだ。それが、2巻目とは、それだけ一般書に近いということだろうか。
初めて、上野先生の本に出合った時から思ったのは、死に際し人間に対して真摯だとということだ。その先生の人柄が文章に反映されているからだろうと考えながら、上野先生の本を、気が付けば何冊も読んでいた。
もとはと言えば、推理小説やサスペンス小説の延長として、トリックを解くのに役立つのではといった考えから読み始めたのだから、ミイラ取りがミイラになった口だ。
だが、冷静でありながら、温かみを感じさせる文章は、何冊読んでも野次馬根性で読むものではないなと考えさせられた。それとともに、死者の権利として、不審な亡くなり方をした人をもっとしっかり調べられる制度が、日本にも欲しいと考える機会をいただいた。
2020/03/21 13:42
猫猫+壬氏
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キャラが立つって、こういうのを言うんでしょうね(笑)
先に文字だけで読んで、後からコミックを他のも読んで、多少の差は有っても、キャラがブレないなんて、読みながらつい、薬を前にした猫猫みたいにほくそ笑んでしまう。
原作者が関わっているんだから、基本そんなにブレが有るはずは無いんだけど、何故か、ブレる時はブレる。主人公くらいは大丈夫だとしても、わき役がどうもって時は有るのだ。まあ、原作+コミックが1+1ならまだしも、他のコミックまでとなると……。
今回この1巻を読むのに、ちょっと迷った。
けれど、壬氏もブレていないし、ストーリーの追い方には多少の差は有るけれど、それはまた新鮮でいいかな。
特にこの宦官バージョンの壬氏と、女官バージョンの猫猫は面白い。
紙の本
紙の本波津彬子選集 第1巻 (Nemuki+コミックス)
2020/03/20 10:13
鏡花の空気
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泉鏡花は好きだが、文で読むには難儀する。独特の空気が文章に有り、文体について行くには、覚悟がいるのだ。特にせっかちな現代の文体に慣れた人間には、文の背景に流れる時間の流れに乗るのに苦労する。
そんな時に出会ったのが、この作品だった。
扉絵の美しさもさりながら、鏡花の作品の雰囲気が味わえる内容が良かった。
元が文学の場合、基本的にはコミックは別のものと考えておいた方がいいというのが、個人としての見解だが、たまにこういった、元の本の良さに加えて、現代では理解し難い部分を補完してくれる作品に出合える。
だから、文学や小説だけでなく、コミックもやめられないのだ。
電子書籍前略 雲の上より(1)
2020/02/27 13:11
単なるオタクと言うなかれ
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「空港」の蘊蓄を延々と、って話ならちょっと重いなあと思ったのだが、何しろ空港や飛行機に理解の無い「新人くん」と、蘊蓄満載かつ、こだわり絶好調でちょっと腹黒い?「課長」のやり取りが面白いなんて……、もう、抱腹絶倒ですよ。
取材に歩いている、原作者の竹本さん、凄いですね。
絵を描いている猪乙くろさんも、大変だろうなぁ。背景に描く物が多いし細かくて。でも、空港だけでなく、空を飛ぶ物が好きな人にも楽しめますね。
もっと面白いのは課長のキャラクターですね。この課長さん、生意気で、自惚れが強くて、上昇志向が強い新人くんを、掌の上で転がしながら、上空へ、上空へと(実際に飛ぶ意味でも、仕事でも)誘っていますね。
ところで、原作者の竹本さんの絵、顔がちょっと怖いんですけど……。
電子書籍源氏物語 あさきゆめみし 完全版 The Tale of Genji(1)
2020/02/15 05:20
古典文学の別の読み方
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今では源氏物語も身近で、読み比べが出来ていい時代になった。などと言ったら、何を言っているんだかというところだが、どうも古典の授業の堅苦しさを思い出すと、漫画で読めるなんてと感動する。
たしかに谷崎が解説をした源氏物語は格調高い。基準の一つだろう。だが、いかんせん現代の人間には、これでも、もう一段解説を付けていただかないと難しい。申し訳ないが……。
だったら他の現代語訳というのもあるが、やはり絵が有ると無いとでは格段にわかりやすさが違う。だったら、多少の捉え方の違いはともかくとして、まず漫画で読んで、それから文字で読むというのもいいかも知れない。
ただ、もともとの平安時代の「光源氏」がこの絵のようであったかといったら、相当違うらしいから、現代人には漫画の源氏の君のほうが美しいでしょうね。
紙の本
紙の本1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え
2019/12/14 14:01
成功者は観念論に向かうか?
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誰であったか――、以前、成功哲学について語られた中に成功者は成功するまでの最も根本となるところは語らない。世に出ている成功者の本は、成功したのちにどうありたいかを書いている。そのように書かれた本を読んだ記憶があるが、まさしくこの本は成功したから書けた本ではないかと思う。
衣食足りて礼節を知るとは言うが、成功するまでがどうであったかは、なかなか人は語ろうとしない。成功をおさめ、頂点に立ったからこそ「あれが有ったから成功をした」と言い得るのだ。
その点、さすがに、世界の頂点に立つGAFAのさらにトップに立つ人がどうかとなると、一般人には直に知る機会は無いから教えを乞うなどまず無いだろう。だとしたら、こういった本は一端を知る機会にはなるかも知れない。
電子書籍【期間限定 無料お試し版】花咲ける青少年 特別編(1)
2019/12/07 20:25
相変わらず作画が美しい
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かなり前に読んだ記憶が……。
たぶん今回のストーリーは読んではいない。けれども、なんだか懐かしくて一気に読んで思った。相変わらず、少年を描かせたら美しいし、背景の絵が細かい。建築物の絵がいいなと思ってあとがきを読んだら、過去の洋書を利用されたとのこと、すごい。資料として持っていらっしゃったとは敬服いたします。何分、洋書だの、資料用の建築物の本だのは重いし、嵩張るし、値が張るし。だからといって、図書館からでは思うに任せない。それに、今では電子書籍が多くなっている。やはり、資料としての文献は紙の方が分かり易いと思うことが多いので、樹さんのように資料を大切にされる作家さんの作品を見ると嬉しくなります。
2022/06/19 01:56
ある意味、ハッピーエンドなのか?
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知らなければ悪人、知ればいい夫。
不器用か器用かは、知性の問題ではなく、どちらかと言えば個性なのだと思うし――。
そこのところを見るだけの余裕の無い母親が、自立しようとして出来るとすれば、この家族は案外柔軟なのだろう。
現実の頑固な親は、なかなか子供の意見に耳を貸さないからなぁ。
ここに登場する母親は意外と物分かりのいい人だったってことかも――。
2022/05/02 14:03
「う~ん」としか言いようがない。
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これは支配階級か、支配される側かの違いではなかろうか?
日本語も立場や関係性で敬語の使い方に程度の差が有って、なかなかどうしてやっかいだが、イギリス英語も相当に厄介だなあと思う。
ただ、言葉の選び方をみて、「ああ、そうなのか」と何となく納得できる所も有る。
生活習慣が、そのまま言葉に反映されているのでないかと思う箇所が有るからだ。
だとしても、階級に根付いた言葉がそれこそ「お育ち」を測る指針になるとは、少し怖くもある。
電子書籍【3冊 合本版】日本俗信辞典
2022/02/17 11:42
何故?……答えの無い辞典
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辞典という物は、何らかの答えか、さもなければ根拠が得られるものと思い込んでいた。というか、それが無ければ辞典ではないようにさえ考えていた――らしい。
何故なら、この俗信辞典を読み始めてじきに、困惑を覚えたからだ。
答えどころか、出典らしきものも見当たらないのだ。「こういう風に、この地方では言われている」とはあるが、それだけなのだ。
今のところ「何故そうなのか?」という疑問に対する答えらしきものに、行き当たってはいない。
おそらく、それぞれの俗信が世に流れ始めた時には、意味を持っていたのではないかと思うが――。
以前読んだ作庭の本には、庭に植えてはいけない樹木や根拠が書かれていたのだ。現代では根拠が無いとされる禁忌も、それが世に出た頃には、何がしかの意味を持っていたということだろう。
だが、この本には、今のところ理由の記述が見当たらない・
それどころか、「そんな言い伝えが有ったのだ」と、初めて知るような自身の出身地の話も有った。
ただ、現代人には意味がよく分からない様々な俗信の陰に、昔の人達の畏れや、思いを感じた。
紙の本
紙の本黒牢城 Arioka Citadel case
2022/02/13 12:11
荒木村重は翻弄される
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「荒木村重」と聞いて、主人公に為り得る人物かというと、個人としての印象は、これまでのところ「ならないだろうな」だった。大河ドラマなどのイメージが強いせいだろうか、あまり名将という言葉には当てはまらないように思ってきたのだ。
この本の中でも、人物として官兵衛の方が才気に勝るようだ。
それに――、度重なる味方の寝返りで孤立して行く村重も、強引が際立つ織田信長も、孤独だったんじゃないかなぁ。
才覚に、不足しているのに目を背けている村重も、溢れて周りに無理強いする信長も……。
何故かそんなことに想いを馳せながら読んだ。
紙の本
紙の本「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。
2021/09/29 13:59
参考にする本を探すための「参考書」
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文章をどう書くかは、何を書くかでお手本は変わる。
そこまでは分かっていても、さあ、何を参考にすればいいだろうとなって、探して回るのは結構時間がいる。
そんな時に、こういった本は都合が良いと思う。
上手い文章などというのは、書けと言われて書けるものではなし、例文を見てそうなのかと書けるのは器用な人だろう。だとしたら、行き成り名文が書けるのは天才に違いない。
如何せん、凡人にできる芸当ではないので、こういった本は大変ありがたい存在だろう。
紙の本
紙の本良家の子育て
2021/06/18 13:19
案外当たり前なこと
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読んで一番に感じたこと。
案外当たり前なことではないかということ。
スーパーの店内を走り回る子供、通路に群れる家族や、連れだったグループ。街中で歩きながら食べて、ごみを置き去りにする人達。
こんなにこの国の人ってマナーが悪かったっけ?と最近思う。「日本はどこへ行ってもゴミが無くてきれい」って言われていなかったっけ?
歩きタバコが条例で規制がかかったけれども、歩きながら食べるのも止めてはどうかなと思うのは、すれ違った人の服を汚さないため。
多分、自分が誰かの食べ物で汚されたら悲しくなると思うのではないだろうか?とか、他人が自分の家の前にごみを置いて行ったら憤懣は覚えないだろうかとか考えたら、散らかすのとか、歩きながら食べるの、遠慮するかな?
そんな想像力を喚起する本だと思います。
案外、子供の頃に親から注意を受けたことがほとんどで、子供のお受験の為にわざとすることではないな、といった内容で、子育て世代の方にも、これから社会に出て行く人達にも、孫のいる世代の方達にも読んで頂いてお役に立つと思います。
ただ一つ気になったのは、様々な物に、丁寧語としてか、美化語としてか「お」が付いていること。自分の子供やペットに食べ物を「上げる」と言うのと似た、やり過ぎ感を覚えた。
電子書籍理想のオトコ(1)
2021/04/19 17:31
理想=本音じゃない
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酒の上での間違いが本気になるって、まぁ有るにはあるが……。
記憶無くすほど飲んじゃって、翌朝愕然とするのは、話としては有りがちだけど、話の上だけの方が良いって思う話かもww。
不器用な男に落ちて、何で優しくて良く出来た男がモテない?なんて思うのは、恋愛が熱病みたいなものだから、ってしか言えないけれど、一途に走れない三十路の塔子さんの状態は、案外かわいいかも――。
不器用な男と、決断がつかない女と、すれ違い夫婦プラス、オーディエンス。
傍で見ている分は結構コメディーだなぁ。