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旅歌さんのレビュー一覧

投稿者:旅歌

86 件中 31 件~ 45 件を表示
猫の息子 眠り猫 2

猫の息子 眠り猫 2

2001/06/16 09:48

「そこに在る」者とそうでない者の決定的隔たり

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 長編第二作目の『眠り猫』の続編にあたる。前作とは時間的な隔たりはほとんど無いようだ。この作品ではタイトルの通り、猫の息子タケにスポットが当てられている。萬月さんお得意の成長物語か、と思ったらそうじゃなかった。要素としては多少含まれるが、主たるテーマはやっぱり「愛」だ。愛といってもそんじょそこらの愛とはわけが違う。擬似兄弟愛、擬似家族愛、オカマの切ない愛、終生のライバルへの愛、およそ一筋縄ではいかない愛ばかりなのだ。どいつもこいつも不器用で自尊心のかたまりだから、感情をストレートに表現できない。歪にひしゃげているのだ。

 本作は正直言ってストーリーらしいストーリーもないし、探偵小説マニアをうならせるほどの事件も起きない。帯の惹句には「花村萬月の会心探偵小説」なんて書いてあるが、間違っても探偵小説なんかじゃない。惹句に騙されて買われた方は気の毒としか言いようがないのだが、間違い無く良質なハードボイルドには仕上がっているはず。

 萬月さんはカリスマ性を帯びた人物を好む傾向があるが、本作では眠り猫対鷲尾、猫の息子対鷲尾の秘書の富士丸を対比してみるとおもしろい。『ぢん・ぢん・ぢん』の時田さん流にいえば、「在る」者と「在ろう」として「在る」者になれなかった者との決定的な差、とでも言おうか。だが、後者にも殉教者がいる。このあたりが萬月さんの優しさなのかもしれない。

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永遠の島

永遠の島

2001/06/16 09:45

概念としての「神」を模索?

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 萬月作品どれかの解説で読んだのだが、巷では評判がよろしくないらしい。確かに、暴力もセックスもたいして描かれていないし、強烈な個性的登場人物の血を吐くような痛みもない。これだけを読めば花村萬月という史上稀な作家の影も形も見えないのは事実かもしれない。萬月さんにはこんな作品を書いて欲しくない、という気持ちもわかる。

 でも、この作品は現在の萬月さんを知る上で絶対見逃せない作品だと思うのだ。作家本来の仕事は作品の中で新しい倫理を確立すること、とおっしゃる萬月さんは『ぢん・ぢん・ぢん』で既存の倫理をぶっこわした。でも、それは単なる前哨戦であり、本来の作業は芥川賞受賞作『ゲルマニウムの夜』から始まっている倫理の確立なのだと思う。
 『ゲルマニウムの夜』の感想でも書いたが、萬月さんの登場人物にはカリスマ性を帯びた人がかなりの確率で登場する。それらの人々は大なり小なり「絶対者」であり、周囲には殉教者が集っていた。が、いかに強烈なカリスマといえども所詮は人間なのだ。そのあたりに萬月さんはジレンマを感じていたのではないか? そこでひとつの概念として本作の「シマ」を登場させたのではないか。。言ってみればこれは実験作なのだ…。しかも「シマ」は子供で、成長している。不可解な現象の舞台となる大和堆は子供である「シマ」のおもちゃ…。これは神に翻弄される人間そのものじゃないか。おぼろげながらだが、萬月さんの神に対する感覚が見え隠れするような気がした。

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イグナシオ

イグナシオ

2001/06/16 09:42

『ゲルマニウムの夜』の原型?

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 芥川賞受賞作『ゲルマニウムの夜』は、悪く言えばこの作品の焼き直し、という感想を聞いたことがある。この作品を先に読めば、そんな感想もありそうだ。主人公イグナシオの修道院での生活がほとんど『ゲルマニウムの夜』とそっくりなのだ。萬月さんの体験が元になっているからこれは仕方ない。そんな邪推より、ここに来てなぜ萬月さんが、イグナシオを発展させたような格好で『ゲルマニウムの夜』を書こうと考えたのか、これの方が大事な気がしている。

 と言って、『ゲルマニウムの夜』の主人公朧が、この物語の主人公イグナシオが元になっているかというとそうとも言い切れないと思う。朧は萬月さん描くカリスマ性を帯びた人物の集約として描かれているのであって、単純にイグナシオを発展させただけではない。近いといえば、近いのだけれど。

 イグナシオは混血児として描かれている。萬月さんの登場人物たちの系譜から言えば、拠り所のないアイデンティティを持たない人物として捕らえた方が的確だと思う。いわゆる境界上に立つ人物。たとえば、『セラフィムの夜』の山本のような。直接的にはイグナシオのカリスマ性は描かれてはいない。もちろん、出会う女たちを片っ端からってのは近いものがあるかもしれない。ただし、これは萬月さんのサービスのなせるわざだ。

 イグナシオの殺人が「聖」なのかどうかは、論理に飛躍があり過ぎて萬月さんを愛する読者以外は承服しかねるだろう。だが、悩める姿は十分に伝わると思う。萬月さんのあとがきを読めばなお鮮明になる。加えて、昭和40年代後半という時代設定からも、より私小説的な匂いがただよってくるのだ。『ゲルマニウムの夜』を読んで萬月さんの作品に興味を持った方には、この小説を一読してみることをお奨めする。果たして、どのような感想をお持ちになるだろうか。

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渋谷ルシファー

渋谷ルシファー

2001/06/16 09:40

花村萬月初期の傑作

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 好き嫌いだけで言ったら『ブルース』に次ぐ位置につけると思う。今まで何故読まなかったか、と自分の不明を恥じる気持ちよりも、こんな作品を今読むことができて心底嬉しい、という気持ちの方が先に立ってしまう。ともかく、ぼくはこの作品が好きだ。登場人物全てがいとおしい。

 物語は『ゴッド・ブレイス物語』の続編、あるいは姉妹編といえるだろう。ただし、処女作の登場人物でこの物語に大きく影響するのは朝子と健のみ。特に健がガキのくせにいい味を出している。主人公は引退した天才ジャズギタリストで、今は渋谷で「ルシファー」というバーを経営している桜町と桜町が愛した美人ジャズ歌手の忘れ形見の映子。このふたりを中心に連作短編の形で4篇がひとつの物語を形成している。ヒロイン映子の人間的な成長とブルース歌手としての成長が主に描かれるのだが、巻末の池上冬樹さんじゃないけど、、なんて切ない。はらわたに染み入るような切ない物語だ。全ての登場人物がいとおしい。。ヤクザの代貸、その子分、桜町の先輩、映子、桜町、そして朝子と健。それぞれの心情が痛いほど伝わってくるのだ。

 これは萬月の出版された5番目の作品にあたる。読めばすぐわかるのだが、萬月作品のキーワードである「羞恥心」が非常にストレートに表現されている。あたりまえといえばあたりまえで、読み方によっては非常にクサイのだがそれでも萬月が書くと泣かせる。決して小手先のワザではないからだと思う。少なくともぼくは泣けたし、そう思っている。

 それにしても初期の萬月がロバート・ジョンソン注ぐ愛情は尋常ではないな。『ブルース』では「Love In Vain」をフィーチャーし、この作品では「Me And Devil Blues」だ。ロバート・ジョンソンというよりもブルース全体かな。ロバート・ジョンソンは生涯に41テイクしか残していない。興味を持たれた方は、CBS SONYから全テイク収録の2枚組のCDが発売されているから聞いてみるのも一興かも。最近では(と言っても古いけど)エリック・クラプトンが「アンプラグド」で「Malted Milk」を演奏している。聞き比べれば分かることだが、ギターのほとんどのパートはロバート・ジョンソンのコピーと言ってもいいくらい。重要なアイディアは全て原曲のままなんだからホントにすごいんだ。。

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重金属青年団

重金属青年団

2001/06/16 09:38

萬月初期のロードノヴェル

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 花村萬月長編第3作目。前から知ってはいたが、はっきり言って悪趣味なタイトルのせいで敬遠気味だった。読み終えると、なるほど、重金属青年団だなぁ、、と。重金属の重く硬質な響きと、青年団の古風で垢抜けない響きが妙にマッチして納得させられてしまうのだ。

 主人公はヤク中の作家のブンガクさんと、浅草の芸者置屋の娘タカミ。タカミの一人称で物語は語られる。タカミにはSUZUKIの単車カタナを乗りまわす仲間がいる。ある日ブンガクさんは誘われるままの社会からはみ出した若者たちと旅にでる。目的地は北海道。萬月さんお得意のロード・ノヴェル。その途中で特異な登場人物たちのドラマがさりげなく語られる。このあたりはものすごくうまいののだ。
 
 だが、本当に驚くのはこの登場人物たちの人物造型だろう。登場人物誰ひとりを取っても一癖も二癖もありそうなヤツばかり。孤独と痛みを抱えているヤツばかりなのだ。この連中を見事に描き分ける萬月の筆のさえは目を見張るものがある。だが、ただひとり気になる登場人物がいる。この物語で一番成長するタカミともう一人の人物。これがどうも作者自身の投影のような気がしてならない。ずっとそんな強迫観念に捕らわれている。

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カムナビ 上

カムナビ 上

2001/05/18 09:28

これが梅原サイファイなら?

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 梅原克文が満を持して放つ問題作。
 う〜ん、、そんなに肩肘張る必要なかったのに……。なんだか作者に同情してしまう部分もあるのだが…。作品の出来は決して良くない。エンターテイメント小説を誤解しているような気もする。SFだろうが、サイファイだろうがおもしろければ良いのだ。そんなことに拘ることこそ、読者不在。でも、事情も察せられるので……

 梅原さんの考え方も少しは理解しているつもりだが、この小説でそれを具現したのなら首を傾げざるを得ない。これでは、某出版社が出している超訳本と大差ないじゃないの。一般大衆読者をおちょくってるとしか思えない……。手取り足取り感情を説明するために、繰り返し用いられる、オーバーでチープな単語の羅列。極端にデフォルメし過ぎてしまい、全く凄みの無い、すぐに口を滑らすおっちょこちょいで腰の据わらない登場人物たち。特に主人公の葦原志津夫。チープ過ぎるぞ…

 古代史からひも解き、宇宙にまで飛躍するストーリィはさすがと思わせる。でも、ディテールがなってないのだ。キレが全く感じられない展開は、ご都合主義のオンパレード。細部をみればきりがないんだけど、冒頭の茨城はなんだったの? 何故、あの人は、あんな所で、あんなことをしていたの? ノートパソコンは、普通フタを閉じればレジューム状態になるのよ。だから、スクリーンセイバーは起動しないのだ……。こんな小さな綻びのひとつひとつが、大きな嘘で上手に騙されることを拒ませてしまうのだ。ついでに言えばラストも。なんで、どうして、終息したのさ…?

 やっぱり、エンターテメント小説を誤解している。ジェットコースター的なストーリィ展開のおもしろさは、小説の楽しみのひとつに過ぎないのだ。行間から立ち上る芳香の酔いしれるようなおもしろさもある。いろんな要素がバランスよく配置されてこそ、第一級のエンターテイメント足りうるのである。『二重螺旋の悪魔』で見せつけたような冴えは全くない。目に付くのは、大衆(梅原さんの言う)に迎合するような執筆姿勢ばかりだ。

 売れる小説とおもしろい小説と書きたい小説。作家の苦悩と宿命が、読む者に痛みを感じさせてしまう作品になってしまった。過渡期であることを願う。更に願うなら、『二重螺旋の悪魔』『ソリトンの悪魔』の梅原さんに帰ることを……。

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天切り松闇がたり 第2巻 残俠

天切り松闇がたり 第2巻 残俠

2001/05/18 09:26

寸止め作家の真骨頂

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 物語を紡ぐ職人、浅田次郎の真骨頂。不思議なリズムを持った小気味良いべらんめぇ口調が、脳内に残響を残しつつ幾度となくリフレインする。これは現代の講談だ。ご幼少のみぎりに公園で飴玉につられて見た紙芝居だ。現代の作家で、この手の人情話を書かせたら浅田次郎の右に出る者はいない、と断言してしまおう。一時、泣かせのテクニックが安直に陥ってしまい、作為的で嫌味すら感じたこともあったのだが、この作品群では見事に復活を果たしている。実に華麗な寸止めぶりである。空手十段の達人が放った寸止めがごとき荒業。顔に身体に鋭い風圧を感じさせながらも、まぎれもない寸止めなのである。寸止め作家の面目躍如だ…(^^;;)。

 ご存知無い方のために説明するが、「天切り」とは天井を切って侵入する泥棒手法のこと。実際に瓦などをはがし、鋸、ノミ他の七つ道具を手に天井を切って侵入するのである。泥棒手法の中でも、最高に華麗な荒業なのだ。その天切りの使い手だった松蔵。人呼んで「天切り松」。ちゃちな犯罪者が横行する現代に蘇った旧弊の大泥棒が、警視総監から大臣にまで請われて、犯罪防止と称し、泥棒話法の「闇がたり」を駆使して語る往時の大浪漫なのだ。

 前作(「天切り松 闇がたり」徳間書店刊〜集英社版では第一巻)のメンバーが顔を揃える。振袖おこんは相変わらず良いなぁ。前作の山県有朋から盗んだ金時計の話も良かったけど、こちらも勝るとも劣らない(花と錨)。他にも目細の安吉、黄不動の栄治、などなどオールスターキャスト。

 小政の登場する「残侠」「切れ緒の草鞋」(前後編)、目細の親分が登場する「目細の安吉」、百面相の書生常の「百面相の恋」、待ってました振袖おこんの「花と錨」、黄不動の栄治の「黄不動見参」、そして松蔵自身の「星の契り」「春のかたみに」の全8話が収録されている。どれもこれも粋でいなせな奴らが活き活きと描かれている。もうため息が出るほどだ。珠玉という言葉は、この作品集にこそふさわしい。
 
 この「天切り松」のシリーズは、まだまだ先が長そうだ。浅田さんの代表シリーズになるんだろうな。でも、後生だから質は落とさないで。ずっと寸止めでいてね>浅田さん。

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シェエラザード 上

シェエラザード 上

2001/05/18 09:24

泣かせの浅田次郎、ちょっとやりすぎ?

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 自分では勝手に華麗なる寸止め作家と呼んでいる、敬愛する浅田次郎さんが1999年末に上梓した長編である。
 浅田さんといえば、ユーモア・ピカレスクから人情物、歴史ドラマに至るまでの広範な作風で知られる。この作品は、『日輪の遺産』から『蒼穹の昴』『珍妃の井戸』と続き、今後の浅田さんのメインになると思われる歴史から題材を取った物語だ。

 太平洋航路に就航するはずだった豪華客船「弥勒丸」撃沈の謎。国際法で安全を保証されていたはずの弥勒丸は、民間人2000人を乗せてなぜ沈没させらればならなかったのか。海の男の心情を愛情豊かに謳いあげ、現在・過去と巧みに構成し物語を織り上げる。全編に溢れる悔恨と愛。感動作ではあるだろう。
 だが、はっきりいって謳いあげ過ぎ。作者が物語に酔いしれている。これはダメだと思う。残念ながら寸止め作家の美点は喪われている。これはもう寸止めどころか、読む者に美談を強引に押し付け、それ泣けやれ泣けの連続だ。読み終えたぼくは、全身が不快な痣だらけ。全編に溢れる善人の山。各ページから立ち上る強引なヒューマニズム。辟易した。
 妙にセンチメンタルな老人たち。み〜んな素直なおしゃべりばっかし。軽部と元恋人の大仰で反吐の出そうな恋愛劇。伝わらない。人生肯定は悪いことじゃないけど、浅田さんこれはやり過ぎですよ。全体的に力無い描写…。

 登場人物の年齢についての言及が何度も出てくるが、最後まで違和感につきまとわれた。冒頭いきなり軽部が1954年生まれで、日比野が1956年生まれと宋英明の言葉で明らかになる。ところが、下巻前半の日比野の台詞「東京オリンピックの年だった。俺は小学校の五年生で…」昭和39年−11歳=昭和28年=1953年だよね。ま、こんなのは、単純な校正のミスだろうけど、他にも微妙なズレが感じられて年代がうまく把握できない。そんな波紋が広がって全体が朧になる。構成の妙があざとく感じられる。偶然は神の技ではなく、物語上のご都合主義としか捉えられなくなる。

 そんなこんなで、敬愛する浅田次郎さんの作品では、よろしくない部類と断定してしまいましょう。繰り返しになるが、浅田さんの美点はギリギリの寸止めにあるのだ。あまりあからさまで強引な泣かせは慎まねば。……でも……、正直言いますと、三ヶ所で涙がでかかりました。ここまで貶したぼくでも。いやはや浅田さんて人はすごいのだ。よ〜そろォ〜。

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オルファクトグラム

オルファクトグラム

2001/05/18 06:09

驚異の臭覚小説

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 SFっぽい雰囲気を漂わせながらも、SFとは言い切れないような…。では、ミステリかといえば、もちろんミステリなのだが、異色さが際立っていて他の追随を許さない。こんなボーダーレス、クロスオーバーな作風が井上さんの特色なのですね。『ダレカガナカニイル…』もそうだったな。岡嶋二人のころの作品はそれほど読んでないが、紛れも無く中心はこのお方だったのですねぇ。

 この物語の何が異色といえば、発想なのだ。臭覚、なのである。更に凄いのは、匂いを臭覚として感知して鼻の知覚のみで終わらせない。おかしな書き方だが、なんとこの主人公は匂いを目で見てしまうのだ。豊かな逆転の発想。更に更にワンアイディアで終わらない。この匂いを視覚で検知する感覚の周辺、つまりそれによって起きうるあらゆる事態を想定して、細かくディテールを積み上げてリアリティを演出する。主人公は、普通の人間の数百万倍から数億倍の臭覚を持つ男、ミノルだ。ミノルが視覚的に臭覚を検知する術を会得してから、世界が全てミステリになる。世界はなんとミステリに満ち溢れていることか。

 こんなミノルが、姉を殺したシリアル・キラーを追う。緻密な構成で、かなり読ませる。ミステリ的な楽しみが随所に散りばめられていて、犯人の境遇などが明かされてからは一気読みだ。意外なところから、意外につながる点と線のおもしろさ。臭覚を画期的に扱ったおもしろさはもちろん、その能力が生むサスペンスも詳細に描かれ、まさに異色のミステリ小説に仕上がったと思う。

 へんに頭でっかちにならないところが、さすがに手練のエンターテイメント作家なのだ。このテーマを捏ね繰り回せば、人間の知覚の危うさ、世界の危うさ、とかね。意識しなくても文学的、あるいは哲学的で頭でっかちな物語に陥りやすいと思うのだ。それの方が簡単だしね。そういう作品の方が出来が良いように思われがちのような…。逆もまたで、犬並みの臭覚を持ったハンターに終始してしまえば、陳腐な三文小説になったことでしょう。

 そんな題材をバランスよく、良質なエンターテイメントに消化したところに、この作家の良さというか個性があると思うし、作品的成功があるのだと思う。作者が具体的に道を指し示さなくても、読者によっては言外の意図を読み取るもの。傑作だ。

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血の流れるままに

血の流れるままに

2001/05/18 06:00

ハードボイルド警察小説を英国風にアレンジしたシリーズ

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 『黒と青』で、しきりにリーバス警部が「飛ばされた」というような話が出ていたが、この物語で描かれているのが、その飛ばされる原因となった事件だ。『黒と青』を読んだのが、つい最近だったから読む順を間違えちゃったなぁ。この物語を読んだ後だったら、少しは印象が変わったかもしれない。しかし、ひどいよ>早川書房。いきなりシリーズの8作目が翻訳されて、本邦2作目にあたる本作が7作目。巻末の訳者あとがきによれば、この次刊行されるのはたぶん9作目(^^ゞ。いったいぜんたいどういうことでぃ!! 考えらんない。

 これを読む限り、リーバス警部シリーズは立派なハードボイルドと言えそうだ。孤軍奮闘する一匹狼ぶりは『黒と青』よりも鮮明で、リーバスの持つ人生観、倫理観、アウトローぶり、捜査方法、ついでに上げるならリーバスの軽口など、どれを取ってもハードボイルドとしての要素を備えている。悩める姿はネオ・ハードボイルドのヒーローたちとも共通しているし。そして、そこに加えられる英国ミステリのテイストが、複雑を極める本格物っぽいプロットである。『黒と青』でも驚いたんだけど、なんとまあ複雑なプロットを作る作家だろう。一時も気を抜けない。しかも、登場人物がえらく多い…(^^ゞ。難物でありました。

 全体的な印象は、『黒と青』よりもいいみたい。季節感たっぷりのスコットランドの雰囲気も、慣れたせいかこちらの方が良いような気がするし、リーバス警部らしさに関してもこちらの方が上のような気がしている。アウトローぶり、一匹狼ぶりが際立っているのだ。ただし、同じ警察小説のハードボイルドと比べると、ちょっと弱いかな。比べたのは、マイクル・コナリーのハリー・ボッシュ物と、ジェイムズ・エルロイのロイド・ホプキンズ物。彼らに比べれば、リーバスはまだまだ甘いな(^^ゞ。上司の横槍、捜査妨害、その辺に甘さが感じられてしまうのだ。リーバスの性格を分かっているくせに休暇なんか与えちゃうしね。リーバスの崩れ方も甘い。その辺が英国ミステリたる所以でありましょう。乱暴者のアメリカ人と比べたらかわいそうか。

 シリーズ物のおもしろさは、主人公を取り巻く状況の変化や、主人公自身の変化にあるのだ。繰り返して言うが、そういう楽しみを奪われるのは腹立たしい。こういう刊行の仕方は許されないぞ。ボブ・リー・スワガーのシリーズよりはマシかもしれないけどね…(^^;;;)。

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黒と青

黒と青

2001/05/18 05:58

リーバス警部、本邦初登場作はサイコ・スリラーの新機軸?

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 う〜ん、ちょっとばかり期待が大き過ぎたようだ。
 スタイルはモジュラー型の警察小説といえる。主人公は一匹狼のジョン・リーバス警部。で、舞台はスコットランドのエジンバラ。エジンバラといえば、クィンティン・ジャーディンの描く、エジンバラの鬼平ことスキナー署長補佐のいる街だ。スキナーのエジンバラとはちょっと印象が違いますね。警察署内の雰囲気といい、登場する刑事たちといい、アメリカみたいな拳銃バンバンじゃないけど、スキナーのエジンバラよりはアメリカっぽい感じがした。訳者のあとがきによれば、作者ご本人もそのようにおっしゃっておられるようですが。

 ジョン・リーバス警部シリーズ8作目にあたる。前半から中盤にかけては、シリーズ前7作の影がちらついて、しかも視点が縦横に飛ぶのでなかなか集中できない。ここで語られる人間関係は、前7作の資産が無くとも読ませるには違いないが、相棒となるジャック・モートン警部や恋人とされるジル・テンプラー主任警部など(まだ他にも多々あるが)、これらはシリーズ作品を順番に読んでいたらもっと楽しめたのに、と思うと残念でならない。ミステリ愛好者には手ひどい仕打ちと言わざるを得ないのである。

 さて、冗長とまで言われる本作。たぶん、話が大き過ぎて整理がつかないまま前半から中盤にかけて美味しそうな謎をばら撒かれた上に、更にその謎解きも小出しにしてくれず、謎を解いても直線的で興味を惹くように描写されていない。そんなこんなで散漫な印象を強くしてしまったせいでありましょう。全部集めて強引に大きな波を創り出さないのはかえってポイントが高いかな、と思ったんだけどやっぱり食い足りない気がしてしまう。残すところわずかとなって一気呵成に解決に向かうわけだが、ここまで読まなきゃ溜まりに溜まったフラストレーションを吐き出せないなんて、ねぇ、この長さで。押したり引いたりね…して欲しかったのだ。この生真面目さが英国ミステリでありますが。

 この構成で狙い通りの獲物を得ようとするならば、サイコキラー=バイブル・ジョンの描写量が少な過ぎたと思う。“成り上がり”ジョニー・バイブルを追い詰めるシーンその他をもっと挿入しても良かった。章のバランスもいまいち。後半になってバイブル・ジョンが消えてしまい、忘れたころに突然現れるのは狙い過ぎ。サスペンス度が低くなってしまったのだ。

 唯一最大の収穫は、ジョン・リーバス警部に出会えたことだと言える。一匹狼なのに部下思いで優しい。非常に魅力を感じた。一匹狼のリーバス警部なのに、モートン警部と相棒を組んでから魅力がグンと増すなんて皮肉といえば皮肉。これもシリーズ順なら別の印象を残すんでしょう。ハヤカワも罪作りなことするもんです。

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首吊りの庭

首吊りの庭

2001/05/18 05:55

娘よ!!

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 評判の良かった『黒と青』や『血の流れるままに』よりも出来は良いように思う。これはリーバスに慣れたせい? モジュラー型をランキン風にアレンジしたかのようなストーリィ展開は相変わらず複雑怪奇。だが、前2作よりも整理されていてより分かりやすいと思えるのも気のせい? これも慣れたせい?(^^;;;。細かい説明を一切省いた作者の語り口が、今回は小気味良く感じられたくらいだった。リーバスというベトベト内省的でウェットなキャラを、硬質なカラッと乾いた語り口で描く。楽しめた。もうちょっと浪花節があった方がぼくの好みには違い無いんだけど。

 謎のばら撒き方とその結末の配置も好み。ストーリィの流れに沿って一点に収斂する謎と、偶発がほろ苦さを誘う謎の絶妙のバランス。熟練ですねぇ、ランキン。大上段に振り被ったナチの戦争犯罪を、サイコ風に置き換えてしまったのは焦点をぼかしたようで少々不満が残るけど、これとても積もり積もった罪の成したる業と、更に過去・現在・未来のリーバスの姿とを重ね合わせれば納得できてしまうのである。

 一番気を引いたのが、何回か差し込まれる娘サミーの誕生・成長にまつわるエピソードだ。リーバス夫婦の歴史が娘の誕生と共に語られる。絶望しているリーバスの現状と、希望に溢れていた当時の対比、希望としての娘の存在。仕事に逃げるしかなかったリーバスの苦悩は更に更に深くなる。音楽への逃避も散文詩的になって今にもブチ切れそうだ。この辺りが自分の共感を呼んだとは思いたくないけど、世のお父さんたちの苦悩を代弁しているのは紛れもない事実でありましょう。

 そして、それらに被さる兵役時代から引き摺り続けるリーバスの苦悩。集団ヒステリーとも言える戦時中の悪行に背を向けられなかったリーバスは、現在の社会全体を集団ヒステリーと捉えて、忌まわしい過去を懺悔告解するかのように微妙にアウトローであり続けようとする。背を向ける姿は痛いほどだ。ぼくが前2作よりも上と思う理由はまさにここにある。ボッシュやホプキンズのようなトラウマも感じられず、ただただ駄々をこねるようなリーバスだったが、ここに来てやっとアウトローたる所以がはっきり見えたような気がするからある。

 アウトローであることに理由はいらないかもしれない。でも、なんらかの背景があった方が説得力はあるし、読者の心の奥に入り込み易いのも事実だ。その辺をランキンが心得違いをしているとも思えない。『血の流れるままに』以前のシリーズ作品群で、たぶん言及されているのでしょう。そう思うとやっぱりこの翻訳順は腹立たしい。

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ハートブレイカー

ハートブレイカー

2001/05/18 05:52

チャンドラーを継承する、絶品のハードボイルド

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 凛とした透明感と、ハードボイルドでは珍しいくらい清潔感の漂う作品だ。血生臭いシーンも多々あれど、ロスアンジェルスの気候風土と相まって不思議なくらい清潔で乾いた印象を残す。バル・デュランとカイル・アボットが初対面で恋に落ちてしまうシーンなんて、清冽でハートにビンビンきちゃうのだ。筆がたつってこういうこと言うんでしょうね。

 90年代最後を飾る、『さらば愛しき女よ』であるな。ある意味古典的な仕掛けなんだけど、ほろ苦い読後感がたまらなく胸を締め付ける。う〜ん、ハードボイルドだなぁ…、たまんないよ。んでも、このエピローグはお約束かな。だから別に驚きはないんだけど、それでもこんな読後感を残すんだなぁ…。ああ、久しぶりにグッと来るハードボイルドを読ませてもらいました。

 しかし、よくもまあ、これだけぶっ飛びの人物を作り上げられるもんだ。メインの連中以上に脇役に印象深い奴らが多いのが特徴かも。大鹿マロイを彷彿とさせるダリル・デッカー、マイアミの大物麻薬ディーラーのジュニア、その手下のアルマンド、刑事フィルとイネス、グレース婆さん…。主役クラスも含めてその人物たちが、ライト感覚でスウィングするすばらしい文章に乗っかって派手に騙しあう、追いかけあう。転がるようなストーリィがスウィング感を煽る。そこはかとない寂寥感に包まれた極上のハードボイルドなのである。これでプロットにもうちょっと力を入れてくれたら言うことなしなんだけどな。

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渇いた夜 上

渇いた夜 上

2001/05/18 05:50

シリーズ第二作は、あざとく冗長な駄作

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 ロレイン・ペイジを主人公としたシリーズの第二作である。誰が何と言おうと、マット・スカダーを意識しているのは間違いない。ところが、おいしい設定だけ真似ていて魂が伴わないから、ネットリ系の色気ばかりを強調した、思いっきり俗っぽい作品に仕上がってしまった。第1作『凍てついた夜』には、もしかしたらハードボイルドかな、と思わせる何かを感じたが、この二作目にはハードボイルドの欠片もない。

 だいたい長すぎる。2/3程度にまとめられるでしょう。特に、ロスアンゼルスの場面をクドクドと引っ張り過ぎたために、ダラダラ締りのない作品になってしまったのだ。眼目はニューオーリンズに舞台を移してからなのだから、前半のロスの部分は思い切ってカットして後半に力を注ぐべきだったのだ。『凍てついた夜』で見せたスピーディな展開が嘘のようだ。ひとりひとりの行動を追っかける構成にも飽き飽きした。

 ロレインに目新しさがない分、もっと工夫をしなければならなかったはずだ。『凍てついた夜』でも書いたと思うが、ロレインのアル中はマットのそれとは雲泥の差がある。アル中描写もアル中心理も。マットの苦しみを思えば、ロレインの苦悩なんか反吐が出る。仕事も家庭も破壊して、苦しみ抜いているのもわかるんだけど、ひとつのファッションのようにみえてしまうのだ。ハードボイルドはこうあるべき、と作者が考えたファッションのように。ハードボイルドとは精神の産物なのだ。カッコつけて上辺だけ真似るとこうなるという悪いお手本だ。おいしいところだけ真似て、精神がついてないからこんな甘っちょろいアル中になる。一作目でも近い感情を持ったが、2作目にして決定的になった。ロレイン・ペイジはいらない。

 ストーリィも、その辺のロマンス小説を読んでいるようで、つまらないことこの上ない。ロマンス小説と自ら名乗っている分、そっちの小説のほうがナンボか好感が持てるよ。ロレインは色情狂か、発情期のメス猫か。我慢してる風を装って、読者の関心を呼ぼうとしているだけ始末が悪い知能犯だ。おまけに、ロージーとルーニーまで。ルーニーはもっと渋いお目付け役になるのかと思ったら、ロレイン女王様にかしずく下僕に成り下がってがっかりだ。

 二作目の新鮮さを、ブードゥーに求めたんだろうか? これもうまく伝わらない。唯一おもしろかったのが、酔っ払ったアル中のロレインと薬物依存のエリザベス・ケーリーの対決かな。でもね、酒を飲み始めたアル中はこの程度じゃないはず。だから、ロレインは甘いって言われる。己の弱さをアルコールで埋めるか、薬で埋めるか、はたまた猟色で埋めるか。わからなくも無いが、ロレインの人物作りが下手なために余計な反感を買ってしまうのかも。ケイ・スカーペッタ以上に嫌いなキャラになってしまった…(^^;;;)。

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凍てついた夜

凍てついた夜

2001/05/18 05:47

崩れない、女性版マット・スカダー

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 改めて書く必要もないくらいだが、このヒロイン、ロレイン・ペイジは、ローレンス・ブロック描くところの(元(^^;;;)アル中探偵マット・スカダーと酷似している。中でもアル中に関して言えば、解説で桐野夏生さんがおっしゃるようにシリーズ中盤あたりのマットと酒との戦いは壮絶で、その点から見ればラ・プラントは大甘でこれは出来すぎ…特に後半…。ただし、ロレインだってアル中を完全に克服できた訳じゃないだろう。シリーズ化しているようだから、そのあたりは二作目を読めばより鮮明になるのだと思う。スカダーシリーズには耽溺した方も多いことだろう。ぼくだって同じ。教会に行く習慣も宗教的背景も無いので1/10税を払ったことはないが、コーヒーにウィスキーをたらして、アルコールをカフェインが中和してるから、などと言いながら浴びる程飲んで気取ったこともあった。う〜ん、やっぱりラ・プラントは甘いなあ。

 さて、物語はいきなりロレインが少年を射殺するシーンからはじまる。それも酔っ払って。当然警察は解雇。家庭は崩壊。なんて冷たい亭主だ、なんてわがままな女だ、と憤慨もしたが現実はこんなもんかも。そして、堕ちゆく女性の先にはお定まりのフルコース。さあ、ロレインはどん底からどうやって這い上がって行くか。どうやってアル中を克服するのか。。ここから先のストーリィテリングは絶妙だ。ページを繰る手を止められないだろう。さまざまな事実が、読者の気を惹くようにうまく配置され、飽きさせることなくテンポ良く展開していく。複雑なプロットも危ういところで踏ん張っている。伏線もうまく張られ、場面展開もスムーズで違和感を持たせない。このあたりはさすが。単なる自己再生ドラマに終わることなく、女性同士の友情物語としても骨太でかなり読ませる。ぼくはこれが一番気に入った。

 だが、しかし、後半には不満がある。納得できないことが多いのだ。特に事件の解決に関わることについては容易には看過できない。更に言えば、もっともっと恐怖を煽る演出があったと思うのだが。サイコ・キラーの扱いも中途半端。動機が納得できない。殺害方法が納得できない。サイコパスの内面にもうちょっと寄り道して欲しかった。これってぼくの読解力不足でしょうか? せっかくのプロファイリングの大学教授一家も中途半端な印象。彼の不可解な発言もあったし…。作者はプロファイリングについて否定的なんだろうか? このあたりの疑問は作者の他作品を読めば解決するのでしょうか? 

 「マットと言います。私はアル中です」 名作『八百万の死にざま』をパクったとしか思えないラストも、まずまずのカタルシスがあって清清しいには違いない。これで良いのだと思うが、中盤から後半にかけてのロレインのアル中に関する心理描写が少ないので、今ひとつ盛りあがりにかけるような気もしてしまう。
 最後にもうひとつ。中盤からのロレインとルーニー警部の関係は、コーンウェルのケイとピート・マリーノを思い出して苦笑いしたのである。やり手の美人には、うらぶれたおやぢが似合うのだな(^^;;;)。

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