某亜さんのレビュー一覧
投稿者：某亜
2002/06/01 08:21
良書
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「標準問題精講」シリーズは難しすぎて一般の受験生には勧められないことが多いのだが、本書は別である。文字通り「標準」問題を集めており、国立クラスを目指す人なら必須のレベルを網羅してある。入試に出やすい日本語文型をタイプ別に分類してあって取り組みやすい。文法の復習にも役に立つ。
ただ、京大受験生は本書だけでは足りないので、そこのところは気にとめておく必要はある。
紙の本ベネッセ全訳古語辞典
2002/06/01 08:15
高校生に対応
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二色刷、かつ印刷もきれいでとても見やすい辞書です。基本語については二段組みにしてチャート形式で意味の分かれ方を示しており、視覚的に理解を助けてくれます。
類語比較も本書を読んでいて楽しいところで、たとえば「さえ」「だに」「すら」の語義の違いを、歴史的変遷をたどりながら説明しています。現代語にすると訳が同じになってしまう語は何かと混乱しやすいのですが、本書が解決してくれます。コラムも充実。23000語収録。
2002/06/01 08:07
定番の辞書
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「国語辞典」ときたら、新明解か本書を思い浮かべる人が多いでしょう。定番の辞書の一つです。語義の説明はまずその語の基本的な意味を明示してあります。語義が多数あるものは現在最も頻繁に使われる意味から示してあります。「あなた」の説明の項に「現在では、若年層において敬称の意味は薄れている」と、元来の意味の変化を明示してあるのも本書の特徴です。ただの愚痴とも取れますが。語数63000。
紙の本フォトサイエンス化学図録
2002/05/29 19:37
実験室が家に来る！
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オビには「実験室が家に来る！」とありますが、まさにその通りです。高校の化学分野に関して、様々な化学物質の写真や化学反応の経過・実験写真・グラフィックなどが満載してあります。教科書に載っている反応のほぼ全てが写真で載っていて、視覚的に覚えることができます。非常に綺麗な写真で、見ているだけでも飽きません。それでいて値段は790円と極めて安く抑えてあります。一人に一冊持っていたい本です。
2002/05/23 18:26
数学に「美」を求める人へ
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数学は美しくあるべきだ、そんなプライドを持っている人にぴったりの問題集です。腕ずくの計算に任せるのではなく、頭を使っていかに「エレガントに」解くかに重点を置いています。悩んだ末に解答を見て、目が覚めるような気分になることもあるでしょう。「チャート式」などのオーソドックスな解法に飽きてきて、かつ時間がある人に勧められます。入試問題にこれらの解法が使えるかどうかという観点からはさほど薦めません。
2002/05/22 21:01
現代を読み解く糸口がつかめる
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小論文用に作られてはいますが、小論文に限らずぜひ読んで欲しい本です。「日本文化は生き残れるか」「西洋と日本の芸術・自然観」「言葉の限界と怖さ」など、現代を読み解く上で不可欠なキーワードを詳説しています。
鋭い視点と分かりやすい例えを使って説明されていて、読む者を感動させます。私たちはどのような文化の中に生きていて、そして日本人とは何かということを考える上での土台を形成してくれます。
少しでも「自分を知りたい」「日本を知りたい」と思っている人は必ず読んでみるといい一冊です。
2002/05/22 18:43
基礎から発展まで
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駿台にしてはめずらしく、初心者・中級者を意識して作られた参考書です。定量的に物理現象を見る方法を身につけるための入門書といえます。
題名には“基礎から”とありますが、基礎だけに終わらず難関大にでも対応できる範囲をカバーしています。初心者であっても定量的な説明が欲しい人は本書を見てみるといいでしょう。
2002/05/19 19:19
入試化学を網羅している
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本書をマスターしていれば入試問題の８割は必ず解けます。
あとの１割は解けなくてもまったく問題ありません。
本書を繰り返し演習し、ほとんど反射的に解法やパターンが浮かぶようにしましょう。
同じ著者の類書で「化学標準問題精講」がありますが、こちらは少々小さくて見にくいので、レイアウトの面で本書を薦めます。
紙の本フェルマーの最終定理 ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで
2002/05/16 18:01
日本人が活躍する数学のドラマ
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「日本を代表する科学者は？」と訊かれれば、かなりの人が何人かの名前を挙げられるはずです。
しかし「日本を代表する数学者は？」と訊かれて答えられる人はほとんどいないのではないでしょうか。
実際、日本の数学は世界から見ればさほど冴えないのですが、このフェルマーの最終定理という数学史上最大の難問には多くの日本人が貢献していて驚かされます。
本書は定理の説明ではなく、この難問が解明されるまでの壮大なドラマを描いた本です。その中には、その日本人数学者達の悲劇も含まれています。
大多数の読者は、数学者の人間くささとその情熱に感銘を覚えることでしょう。
紙の本菅野の日本史Ｂ講義録 大学入試合格ナビ ４ 近代・現代
2002/05/15 18:54
講義型でわかりやすい
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講義型の参考書です。実際に生徒に話すときと同じ口調なので内容が頭に入りやすくなっています。
４冊分で膨大な情報量があるのですが、それでも苦にならずに読めるのは講義型の利点でしょう。
これ以外のことを覚える必要は一切ありません。
ただ、覚えたことと問題が解けることは別なので、問題集は別途用意する必要があります。
何か所かに挿入されている雑談（人生談や人生観）も読んでいて考えさせられるものがあります。
紙の本野生の風
2002/05/13 19:37
壮大な世界で繰り広げられる生々しい恋愛
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複雑な恋愛関係が出てくるわけではない。
数少ない登場人物を壮大な舞台の上で見事に動かしている。
アフリカの描写は、読者に想像力を要求しないほど克明である。この描写だけでも本になりそうなものを、ここでは一つの舞台として使用するほどの贅沢な作品である。
過去に傷を持った主人公が本心を出せずに苦しむ姿も生々しい。
作者の経験と才能が遺憾なく発揮された一冊である。
2002/05/12 18:32
最高水準の参考書
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間違いなく最高レベルの物理参考書である。
この本は、以下の人にしか薦められない。
・物理が好きである
・物理を定量的に扱うことが嫌いではない
・受験外の物理にも時間を割く余裕がある
これらの条件を満たす人には自信を持って薦められる。
「物理とは何か？」という部分もかいま見える本である。
高校物理に飽き足らない諸君はぜひ手に取ってみてほしい。
また一歩、物理の世界が広がることだろう。
2002/05/12 18:27
知りたい英文が見つけやすい
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載せられている例文の質が素晴らしい。
英文を作成する際、自分が言いたい意味を載せた例文が載っていないことはよく経験する。
しかしこの辞典では、探している例文が載っている割合がとても高い。
様々な意味に変化しうる日本語を、別の意味に言い換えて語義を決定してから例文にしてあるので不安も解消される。
付録の語法集も役に立つ。hope は hope you to doが使えたっけ？ という不安を抱かずに済む
（ちなみに上の例は間違いである）。
「英和辞典はジーニアス」が定番になっているが、「和英辞典はセンチュリー」と言っても過言ではないだろう。
紙の本友情 改版
2003/11/05 12:04
現代にも通用する不朽の恋愛小説
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武者小路実篤の最高傑作といっていいだろう。
口調はわずかに古風ではあるが、作品を受け止める上では何の支障もない。
現代とは表現が多少違うものの、想いを寄せる異性に対して胸に浮かぶ言葉、その熱烈さは十分に現代でも通用する。
ある程度年を重ねてしまうと気恥ずかしくて読めなくなってしまうかもしれない。
ぜひ、10代20代の若者に読んでほしい古典である。
紙の本ペラペラになれる３分間英語勉強法 「聞く・話す・読む・書く」力が確実にＵＰ
2002/12/26 13:11
３分の積み重ねがペラペラ脳を作る
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日本人は勉強量の割に英語を喋れない、とよく言われます。それもそのはず、私たちは「勉強」してきたのであって、「練習」はほとんどしていないのです。つまりインプットばかりしてきて、アウトプットに慣れていないのです。このような言語学習形態は世界でもまれです。たいていの場合、インプット量とアウトプット量は同じくらいになります。ラテン系の人たちに至っては、たった40〜50語しか英単語を知らなくても「英語しゃべれる！」と豪語します。その横で、何百(何千)語も英単語を知っていながら何も喋れない日本人がいたら。周りの人は、日本人は数十語の英単語も知らないと思うかもしれません。それだけ日本人は「知っている」レベルと「使える」レベルに差があるのです。
本書は、いかに「知っている」英語力を「実際に使える」ようにするかをわかりやすく解説する本です。題名の“３分”とは、１日３分という意味ではありません（本文にそのような言葉も出てきますが、さすがにそれでは無理です）。そうではなくて、まとまった時間を取ろうとせずに、細切れの時間である３分を利用するだけで英語力は格段に上がる、という意味です。目にした物を何でも英語にしてみる／今日あったことを英語で表現してみる／周りにある数字を英語にしてみる（上級者でも苦手です）などなど、自分が知っている英単語をアウトプットするための練習方法が数多く提案されています。どれもこれも、ちょっとしたスキマ時間にできることで、「さあ、勉強するぞ！」と意気込む必要がありません。
何よりも本書のいいところは、随所にわたって「自分は英語を喋れる」という自信を抱かせてくれることです。英語勉強法の本のほとんどは「あなたは英語ができない。でもこの方法でやれば必ずできるようになる」という口調ですが、この著者は「すでにあなたは喋れる能力を持っている」という確信の下で執筆しているため、読者に強い動機付けをもたらしてくれます。
専門家になるつもりでもない限り、本書だけで十分に英語を喋れるようになります。いったん「意外に私は英語を喋れる」と思い始めれば、あとは自動的に英語力が伸びていきます。強く推薦できる一冊。
