アセローラさんのレビュー一覧
投稿者:アセローラ
紙の本アムリタ 下
2002/07/16 21:01
心にしみる
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朔美も弟も不思議な力を持っていて、とまどいながらもいろいろな人たちと出会い、日々を生きていく。理屈とかではなく、人間の持っているパワーとか雰囲気、その人を包んでいるものとかが本当にあるんだと思う。それを、詩的で優しい空気感を保ちながら書いていて、心地よい気持ちにさせてくれます。
紙の本優しくって少しばか
2002/06/25 18:27
男も女も
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原田氏のエッセイしか読んだことのない人には、少しびっくりするというか、意外に感じるかもしれません。私もそうだったので。
この本には、女の怖さや不気味さが描かれていておもしろかったです。「雑司ヶ谷へ」は女が中絶をする話なのですが、男側の気持ちも、女側の気持ちもわかるし、どうしようもない現実というのが強く伝わる話です。小説の書き方が、技術的でもあり感覚的でもある、何度も読みたくなるなと感じます。
紙の本堕落論 改版
2002/06/25 18:18
安吾の孤独
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坂口安吾は一流のエッセイストだといわれていることは、この本を読めば納得です。
「青春論」で書かれている、宮本武蔵の話、「恋愛論」「教祖の文学」など、おもしろくて目からうろこ的な感覚を味わいました。
安吾自身の孤独や、人間の救いのなさなど。
人間は変わらないから、安吾のエッセイに古さを感じないのだと感じました。
紙の本人生論ノート 改版
2002/06/25 18:10
時間とともに
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死、幸福、孤独、希望などについて23題が納められているこの本は、難しいと感じました。初めて読んだときは、三木清という人が言いたかったことの半分も理解できていないような気がしました。時がたって、また読み返すと以前より何か吸収できている実感がありました。私にとっては、自分がどれだけ成長できているのかを量るひとつの目安になっている本です。
紙の本コサキンことわざ辞典モレッ TBSラジオ「水曜UP’SコサキンDEワァオ!」 小堺一機 関根勤
2002/06/25 05:33
ムッくん&ラビー
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ムッくんこと小堺一機とラビーこと関根勤。この2人のおバカな写真や、意味の無いキャッチフレーズやらで満載の本です。はっきり言って、リスナーじゃないと<?>の世界だと思います。
でも、こんなに意味の無いおバカなおもしろ本にはそうそう出会えないでしょう。人前では読めませんよー、可笑しすぎて!
紙の本男どき女どき
2002/07/28 02:06
向田さんの遺作
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結婚して5年。子供ができないことを悩む妻。自分に原因があるのか、それとも夫なのか。病院に行きたいのだがなぜか夫は拒み続ける・・・。そんなある日、妻は過去に夫が女性を妊娠させていたことを知り、ある行動に出る。向田さんの遺作「嘘つき卵」は、何か微妙な感情や気持ちが伝わってくる作品でした。向田さんはやはり短編の名手だなと感じます。文章に無駄がないというか・・・。人間心理を実にうまく書き上げる希少な作家だと今でも思います。
紙の本大地の子 4
2002/07/16 20:50
運命
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人間は残酷だということを痛切に感じました。戦争を起こすのも人間。それによって変わってしまうのも人間。この物語を運命という言葉で表していいのかどうかわかりません。
一心の、逆境にあっても強く決してあきらめることなく生きていく姿には感銘を受けます。この本を読むことでただの読書体験以上のものが得られると思います。
紙の本塩狩峠 改版
2002/07/28 01:21
犠牲
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私は無宗教なのですが、この小説を読んで深い人間愛というものに触れたような気がしています。私に、人のために命を捨てることができるかと言われたら、多分できないだろうと思うのです。信仰が人をそうさせるのか・・・。もしそうなのだとしたら人間というものに今さらながら驚きます。私にとってこの本は、人間というものを広い意味で問い直させてくれるものになりました。
2002/07/28 01:15
映画とはひと味ちがう
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本好きの女の子、月島雫には気になる男の子がいます。その男の子と出会って、恋をして、そして自分の将来のことも考え出すようになるのです。
映画とはところどころ違って、雫の好きな男の子天沢くんのお兄さんと、雫のお姉さんの恋も描かれています。淡い恋と、自分の道を探す姿がとてもよく描かれています。読むたびに懐かしい気持ちになって、心に残る作品です。
紙の本新編宮沢賢治詩集
2002/07/25 00:48
青空
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この詩集に「眼にて云ふ」という詩があります。賢治が命の危険にあるときに書いた詩です。人から見れば賢治の姿は痛々しくて眼もあてられないほどだろうけど、賢治の目にはきれいな青空が映っている…。この詩は、坂口安吾も好きだといっています。賢治の詩といえば「雨ニモマケズ」が有名ですが、「眼にて云ふ」はもちろん、他の詩にも賢治の思いと命が吹き込まれています。
紙の本幻の光
2002/07/25 00:34
精
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人を生の側につなぎとめているものとは何なのだろう。この小説の中で、主人公ゆみ子の祖母・前夫が突然プツリと切れた糸のように死の側へ行ってしまう。愛する人を突然亡くしたゆみ子の喪失感が、今暮らしている奥能登の海を背景に痛いほど伝わってくる。生と死は対になっているものではなく、同じ線上にあるのだと思います。生へつなぎとめるものも、死へと向かわせるものも、これといった理由があるわけでもないのかもしれない…。「精」というものが人間には大きく渦巻いているような気がしました。
紙の本鉄道員
2002/07/21 22:03
涙…。
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表題の「鉄道員」が有名ですが、他の作品も感動的なものばかりです。いくつかは映像化もされていますが、特に「うらぼんえ」が泣けてしょうがなかったです。おじいちゃんが出てくるところに胸も目頭も熱くなってしまいました。
設定としては不思議な話が多いのですが、そのことも忘れてしまうくらい物語の中に引き込まれてしまいました。浅田さんの、人を惹きつけることのできる文章は素晴らしいです。
2002/06/25 17:55
ことば
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「二十億光年の孤独」をはじめとする代表的な詩を集めた本。
谷川氏の詩の世界は孤独だ。でも、単なる孤独ではなくて何か熟知しているというか…。
時に厳しく、時に悲しく、時に優しい谷川氏のことば。短い詩の中から浮かび上がってくる、言葉の奥にある谷川氏の思いを感じました。
紙の本未来いそっぷ 改版
2002/06/25 17:50
ありふれた世界からの脱出
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SFを好きになったきっかけが星新一氏だという人は結構いるのではないかと思います。私もその中の一人です。初めて読んだのは小学生のとき。わかりやすくて短い文、意外な結末…と、児童書には無い面白さに夢中になりました。
あれから数年、やはり今読んでも面白さは色褪せません。以前よりも星氏の伝えたかったことがわかるようになり、改めて、わかりやすく書く事の難しさを知り、星氏だからこそ書ける世界を楽しませてもらいました。