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  3. A-1さんのレビュー一覧

A-1さんのレビュー一覧

投稿者:A-1

104 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

紙の本謎解きはディナーのあとで 1

2010/12/06 15:13

帯と表紙は秀逸

29人中、20人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」
確かにこの帯に書かれたコピーはそそられた。
表紙も素晴らしい。
ネットの評判も上々。
では買ってみようか。

運の尽きでした…

まず、文章が拙すぎて私の琴線に逆なでに触れまくり、何度投げだそうと思ったことか(++)
すみません美麗な文章を私に下さい…
国内の小説の文章の詩情のなさにはもう…
っていうか、すみません「私の好みじゃなかった」ということですが、
推理の内容も全くばかばかしく、半分も読めませんでした。

最近狭量でいけません。
中学生くらいまでなら読めたと思うんですが…。
とりあえず、「是非読みたかった」という友人に差し上げました。

その友人からの感想が納得が行ったら、評価させていただきたいと存じます。

執事はまあまあ良かったと思う…
でもお嬢様と御曹司の描写とかがもうだめ…(TっT)

絶賛している方々には本当にあいすみません。(><)

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紙の本

紙の本愛と哀しみのエスパーマン

2006/02/12 11:22

かわいいお話?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

初回シリーズの少年期から青年期へのハードボイルドさのある作品と次回シリーズの少女期のシリアスな悲しみの感じさせる作品を経て、現行(?)シリーズの少しへたれたシリアスコメディファンタジーの・・・更にへたれきった感じがする今回のだめだめSF・・・
なんだかいちばん私の苦手な展開がどうにもだめでした・・・
主体性の無い人畜無害(?)な主人公が失恋により超能力を得るが、それはそのパワーはマイナスである時にだけ発揮され・・・
つまり、よくあるヒーローものの「怒り」や「義憤」やそんな突き上げるパワーではなく、どこまでもダウナー時にだけ・・・
つまり・・・本当に必要な時に役に立たない・・・
SF作品の着想としてはブラックテイストもあって面白いと思うし、実験的な感じがしたのですが、もう少しそのどうしようもない場面を選べばもっと面白いものになっていたと思うのに、作品自体もどうしようもない感じで、雪達磨式に面白く無かったんですが、どうしたらいいですか?(←誰に問いかけてるのやら・・・)
お話の展開をするのが上手い作者さんなだけに、こんな設定でもそれなりに実験として楽しくどんどん書けてしまうのでしょうけれど、
もっと読者を・・・今まで着いたファンを楽しませてくれるようなものを書いてもらうことは出来ないものかと、今回は少なからず残念でした・・・
今後、どのように作品作りをされていくのか、見守っていく気持ちはあるものの、このままでは惰性で名前買いしていくだけのような悲しい感じです・・・。
前々から感じてはいるのですが、私のように、ずっとエンターテイメント作品を楽しみにしている大人向きの発表のワクが、海外並みには国内には無いのも悲しいというか・・・(T_T)
とりあえず、個人的にはもっと大人も楽しめるSF(ファンタジー等含)を書いていって欲しいというのが、一ファンとしての希望であります。

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紙の本

流石の手塚治虫

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

リバイバル刊行は時々見かけましたが、この趣はまたマニアックな感じですね。w
前編掲載当時のカラー復刻版とのこと。
私はアニメで見た世代なのですが、昔懐かしく古本で少し読んだことがあり、現代でも大人でも十分楽しめる内容でしたので、ちょっと見てみたい気がします。

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紙の本

絵本で読みたい童話

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

イタリア児童文学が熱いらしいと、読んでみたのですが…これは綺麗な挿し絵のある絵本でじっくり読みたい感じでした。

ブッツァーティの厳選したイタリア童話(伝え語り?)というものでしたが、個人的には過去に知っているおとぎ話のソースの脚色が加わったものしか知ることは出来ませんでした。

でも、「カナリア王子」の魔法にかけられた王子の描写もその他のエピソードも確かに面白い。
さらっと読むのではなく、ドキドキしながら読みたい感じなので、少し物足りなかったのは大人が読んじゃったからでしょう…(涙)

端々まで寛容な優しさのある児童書や童話は日本の再編されたものにしかないものかと思っていたのですが、よく考えると少々残酷なエピソードもありながら、毒の無い描き方と結末の端々には、イタリアの風土というのはだからおおらかなのだろうか?とも思えます。
(それとも、「再話」の時点で伝え語りによくある残酷さが無くなっているのかも?)

まだ、ディーノ・ブッツァーティ著作のお話も読んでみたいと思っていますので、そこでは何を読みとることが出来るのか。興味津々です。

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紙の本

紙の本精霊の守り人

2002/12/05 16:40

前半は面白かったが…

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

前半はほんとうにはらはらどきどきで面白かったのですが、後半は息切れしたかのように、魅力激減…
もっとがんばって欲しかったなー。
着想は良いのに惜しい作品だと思う。

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紙の本

色々つっこみどころが…(ーー;)

7人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

そもそも7巻からなんか読むものじゃありません。(そんな奇特な人は私だけでしょうが…(爆))
絵は最高…とは言い過ぎかも知れませんが良いです。
それにしても、デスノートに魅入られる月(ライト)のこの悪魔的なこと…。
一時時代を騒がせた17歳シンドロームにも乗っかって、本当にこんなものが人気で大丈夫なのか?と思わされたものでした。
推理小説を読み親しんでいる、しかもいい大人にとっては(^^;)アラが見えてしょうがない。
いろいろ突っ込みどころも多いけれど、所詮虚構…まあ良しとします。
とりあえず7巻読んで面白かったので、6巻まで購入しましたが、8巻が…( T_T)でしたのでその後を読み進んでいませんが、その後も面白かったと聞いたのでそのうちまた読んでみようとは思っています。

でも、そう思えたのもスピンオフのLの映画があったからかな…。
今年、この映画が無ければもうどうでも良かったのですが…それはもう87%くらいの確率で…。(w)
今は92%のくらい意気込みで追いかけ予定です。

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紙の本

紙の本美女と竹林

2008/10/10 18:18

虚々実々虚実…

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

はじめは軽快に竹林へと向かい、親友と共に竹林を堪能するための第一歩(というか、整備…伐採?)でなんだか壁を感じながらも楽しげにはじまったかに見えたエッセイみたいなものが、楽しかったのですが…

中盤、ありがちなホラーな落ちのある虚実を、編集者に本当らしく語る著者に若干の違和感も感じつつ…
小説家ってこんな人ばかりなのか…まあいいや…とか思いつつ…。

後半に進むに連れだんだんと虚実が確実に嘘になっていく人間のもの悲しさというか、自然に対しての人の矮小さというか…

てゆーか、ぶっちゃけこのヘタレがっ!!
と、いう感想でした…。

とりあえす、気が付いた敗因。(ネタばれ(?)注意)

1.所詮、人の竹林だった。
  (所詮、自分のものではないので、自分が挫折した段階で、新しい戦力を設けようとか、相談しようとか、金にものをいわせて…というステージを選べない。)

2.所詮、妄想ばかりが過ぎた。
  (竹林とユートピアを夢想するものの、所詮借り物でしかなく(かぐや姫とか)、オリジナリティも見せないまま、ひなびた良い感じの庵にて更に竹林と親しむなど現実的な夢もなく。)

3.所詮、片手間だった。
  (もともとは、脱稿間近の作品の逃避のための妄想から始まったといっていい。脱稿したり、本になったり、受賞したりで時間も無かった)

4.所詮、非力すぎた。
  (鋸にものをいわせるにも限界がある…てゆーか、隣の竹林で作業している人があるなら教えを請えよ…。それも、妄想か?(この若者らしい引っ込み思案さに隠れ、竹林の存在さえ疑える(え)))

結論。竹林も美女も大人らしいエッセイの体裁も今は手の届かない幻だったってことでいいですか?

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紙の本

紙の本Xの悲劇 新版

2002/12/26 16:16

似非マニアとしてこれだけは…

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

買い手の混乱を避けるためにとの配慮でしょうが(?)、既出作品とは手法が全然違うからと、わざわざ「バーナビー・ロス」という名義で出された筈の「Xの悲劇」以下「ドルリー・レーン」シリーズを、「エラリー・クイーン」名義として統合してしまっているのは、更に買い手を混乱をさせていませんかねえ…

わざわざそれをアピールするために、執筆者二人(エラリー・クイーンは共同執筆名)して、討議場を開いてそれぞれ覆面で壇上に登って、お互いをこき下ろしたという逸話まで残っているのに!!(笑)

おしゃべりの質が違う。
エンターテイメントの質が違う。
重厚さが違う。
若さが違う。(笑)…いや、探偵の年齢だけでなく文体的にもにね。
雰囲気がこれだけ違うのに…

個人的にはこのシリーズはあまり好みじゃなかったのですよ。
エラリー・クイーン著作としては、一番の代表作シリーズとしてあげられているものですけどね…

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紙の本

確率と統計と人間観察…

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

正直者の神崎直が、ある日受け取ったのは、謎のゲームへの招待状と謎の小包…の中には…。
ルールは勝者には一億円が賞金として与えられるが、不戦敗者と敗者へは一億円の借金が背負わされるというもの。
つまり、いきなり有無も言わせず一億円の借金を背負わされる!!
なんとか免れようと相談を持ちかけるが相手にされず、決定打の無いままゲームの幕が開く。
対戦は1対1。相手は昔の知り合いで、何事も無く終わるように思われたのだったのだが…実は…。
結局、手も足も出なくなった彼女に、詐欺には詐欺師が適任ではないかというアドバイスが囁かれる。
言われるままに、かつてマルチに詐欺を仕掛けて捕まり、出所したばかりの秋山深一に相談を持ちかけることになるのだが…。

ゲームに勝つには、確率の計算能力と人間観察と心理の把握、そして自分の欲と過信におぼれないこと…
わかっちゃいても、いや、その程度はわかるからこそ、素質が無いので私はギャンブルはやらない。リスキーなものは特に…(^^;)

ゲームに参加した人間の動向を読み、必勝法を論破する理論を簡単そうに秋山が述べる。
即座に理解を示す登場人物はかなり計算能力と現状把握能力が高い。
私には、その理論を理解をしていくのが精一杯で、つっこみどころの話ではなかったり…。
それにしても、なりゆきの緊張感にひさびさに漫画で手に汗握ってしまいました。
絵は個人的に好みじゃないのだけど、読んでくるとだんだん填ってきます。

最近、テレビドラマ化もされていたのですが、その時には見逃したので、またそのうちに見てみようかなと思わされました。

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紙の本

紙の本カナスピカ

2007/08/31 15:28

ある日突然空から何か(球体)が…

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ある日少女の目の前に現れた不思議な生き物?彼の名前はカナスピカ…生き物じゃなくって地球を観測するための衛星なんだって!!

彼?の望みは元の場所へ帰ること…そのためには彼の知るポイントに行かなくっちゃ行けないんだけど…それって…そんな昔の情報でどうしろっていうのよ?!

地球外生命体といえば謎の政府組織…というお約束もちゃんと(?)あるのですが、どこか地に足が着いた展開で、この作家さんらしい現実を暗喩する感じが面白かったです。

勝手に恋をしてしまう少女の切ない感じのお話…
というには、一応元女の子としては女の子が偽物チックでいまいちワキワキしましたが、子供だけじゃない大人の現実の世界も入り交じったお話の展開には、やっぱり上手いなあ…と思わされました。
友達とのエピソードや、お母さんとの会話もなかなか現実味があって、どろくさく無い感じが好きだなあ…。
でもなんで「女の子」?「男の子」じゃ照れくさいのかな?

著者さんのコメントがBK1コメントに掲載されていましたが、このままのお話の方が読みたかったなあ…でもそれじゃあショートショートにしかならないかな…?

帯の「思わず良い人に…」というコメントも頷かされるのですが、もうちょっとはじけてくれても良かったような気がした初夏でした。(もう初秋ですけど…)

次回作も待っています☆

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紙の本

紙の本警察庁から来た男

2009/04/23 18:18

結局、「警官の血」から填ってどんどん読んじゃいました

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

すみません…「笑う警官」をまだ読んでいません。「うたう警官」もこれを読んだ後から読みました。
と、思っていたら題名が違うだけで同じ作品ですか?(この作品のあとがきを見て知りました。)
でも、題名は「うたう警官」の方が良かったような…?まあいいんですけど、2009年映画化のお話もあるそうですが。角川春樹事務所で、企画段階から映像化を視野に入れている様子が見られるあたり、相変わらずブレがない出版社ですね。
「警官の血」のドラマも面白かったので、映画も楽しみにしちゃいます。

佐伯と津久井の過去(おとり捜査で死線をくぐり抜けた話)は「うたう警官」にも繰り返し思い起こされているエピソードでありますが、今回もその二人と前作品に出て来た新居も出てきます。
が、これはサイドの流れで「警察庁から来た男」つまり査察官のキャリア官僚が主線のようです。

ぱらっと読んだときはちょっと癖のある査察管が大活躍?みたいなイメージでしたが違いました。
(ぱらっと読むとそんなんばっかですね…まあちゃんと楽しめて良いんですけど(^^;))
指示の不履行がカフェラテに及ぶことにさえ神経質な生真面目な若手キャリアと、ノンキャリのやはり生真面目な老獪そうな部下がやってきて、かき回していくのは前回作品から読むと頼もしい感じです。

一番はじめに思ったのは、名前のセンスが良い♪
名前の付け方については、普遍性を目標にしているのでしょうが日本作品には常々萎える感じしか持てないことが多いので、格好のいい名前が沢山出てきて、なんだかそれだけでイケメンを沢山目にした感じでした。(笑)

女性については、「警官の血」でも「うたう警官」でもそうなのですが、アダっぽい感じは欠片も出てきません。
悪女は、例えが古いですがお宮めいたところがあるのが共通な感じで、特にキャラ立ちもしていない感じがします。
捜査の途中、ちゃらけてケーバン交換などしたとたんに…というのがあるくらい?
よくあるハードボイルド系の作品の趣向では、まー男の人は楽しいかも知れませんが的なお姉さんが出てくるのですが、そんな欠片もなく、ずいずいと捜査が進んでいくのみです。

そして、やはり人の死についての扱いの描き方が、どうにも軽いのも気になりました…。悪趣味に走るのもどうかとも思うのですが、そんな経験がないのか、はたまたあるからこそ扱いたくないのか、ここでは描くつもりもないのかよくわかりませんが、なんだか最近話題のこういった作品の傾向なのかとも…?
たまたま読んだものが並んだのかもしれませんが…。
(「インディゴの夜」や、数ヶ月前に友人に貸してもらった「心霊探偵 八雲」…死が「そんな事あった」というフラグ的でしかないようなのに比べれば、だいぶんマシとは言えるけれど…)

これまで読んだ三作品のなかでは、やはり一番筆はこびやプロットがノってきた作品であるように思えます。面白かったです。

まだこのシリーズ続巻もあるのかしらん?

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紙の本

紙の本ディスカスの飼い方

2009/03/02 14:21

草食系男子のロマン?

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

題名は、個人的には全く興味を引かれない熱帯魚がらみ。

個人的に、概ね魚というものには、ビジュアル的にも食材的にも好きだけれど、魚(に限らず生き物全般)を飼うということは、繊細で手間が掛かる「生活」だと思っている。
特に、熱帯魚のあの薬品というか鼻を突く独特の匂いと、つぎ込む金額を考えると飼うことにはどうしても腰が引けてしまう。
(填っているらしい人は、周りに何人か居るのですが…)
しかし、やはり表紙の魚の美しさになんとなく手に取ってみた。

主人公はディスカスに填ってしまったせいか、四年目という倦怠期に相まったせいか、つきあっている彼女との恋愛に割く時間がおぼつかなくなっていく自分にとまどいを感じながら、流れに身を任せて行く…というお話。
(またざっくりな要約ですが…(^^;)

内容はオーソドックスな形態の小説のようにも見えるが、主人公がディスカスに思い入れ、匂いと水の透明度を見るだけでPHを言い当てるまでに極めているオタクぶりには、何故か幻想的な雰囲気を盛り上げて面白かったです。

主人公の熱帯魚への入れ込みようについては、昔パソコンのあれこれに手探りで填ったことを思い出して共感出来なくもなかったし…。

しかし、だいたいにおいて、生き物の飼育には明確なノウハウが無いことが多いように思う。
むしろ、(生き物なだけに)数箇条では済まないルールや方法が調べれば調べるほど多岐にあり、完璧にあろうとするほど片手間では済まない感じがある。
メールやブログを放置するように、ペットを放置することは即死にさえ繋がる。
最低限のルール成すために、自分の生活を変えなければならなくなる。

それは「好きである」=「愛情」ということで補填出来ないことには、やっていられるものではない。

それは、「恋愛」も似ているとも思う…。

ディスカスの寿命は5年くらいだという。
つまり、ディスカス云々ではなく、そこに彼の恋愛周期というものを重ね合わせているのか?とも読める。

慎重に、魚が快適なように、病気にならないように、死なないように調整し、愛で、そこに少なくない資金を投じる…。
(これも、「魚」を「恋人」に置き換えても意味は合う内容だ…)

オタク趣味に共通したベクトルではあるが、プラモデルやゲームやアニメキャラクターとは違い、生き物を相手にする趣味には、資金以上に、前者以上に神経や思考をも投じる、ある種究極の身の投じ方だと思う。

どちらにせよ、のめり込めばのめり込むほどに世間と隔絶し、厭世に成らざるを得ないと言う意味では、出家も同じことかも?と、
色は絶っても、あるベクトルの欲はむしろ肥大化して居るから「出家」とは絶対的に違うが、精神世界に入っていくような感じや、そういう極みを目指しているような感じが似ているように思うことがある。

また、趣味に没頭していく主人公の逃避とも取れる態度に、ふと、趣味でなくとも仕事に没頭すればこんな感じだよね…とも感じたり。

幻想小説的な雰囲気がある、ある意味SFにも読める、色々と深読みが楽しいお話でした。

昭和の古い小説でも、平和に慣れ、仕事に疲れた淀んだ日常の主人公の似たものを読んだような感触があるような気がしましたが、ただ、こちらのほうが更に生活感に疲れを感じず、むしろ透明度があって、より身近に感じられて(オタクぶりにw)、恋愛より趣味の世界に身を寄せる主人公が今風だなあという感じはしました。

最後まで自制が効いていて、美しいロマンス小説かな?とも思いましたが、結局は草食系男子の恋愛?
それはそれで、今風な題材ですね。

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紙の本

中性ということ

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

中性(インターセックス)と聞くと、ファンタジーやSFの世界のことのようでしたが、最近そういった作品(「Is」等)やお話を多く聞く機会があるつけ、やはり本当にそんな状態があるのですね…と認識だけはしていますが…、実際にお会いしたことはありません。

目に見える身体的特徴で最近まで(今も?)赤ちゃんや思春期に手術を受けざるを得なかったり、しなくてもいい医療を受け、体や心のバランスも壊されてしまうこともあったと最近知るにおよび本当に気の毒に思えたものですが、

この作者の方は家族の理解があったようで、(萩尾モトの「11人居る!」の世界だわ♪と言ってしまうおばあちゃまとか)明るく今から昔までの自分の環境を取り巻くものを見つめたものを主なネタとした漫画を書かれています。

作中にも書かれていましたが、中性の方が声をあげないのは、「普通」の認識の偏見と研究者からのがれる煩わしさもあるのだろうとのこと。
そういうこともあろうかと思います。
だって、本当に狭い世間の私ですが、知らない人は本当に知らないし、あり得ないことだと思っていますから。

作者さんには、多分こういった作品で、同じ境遇の方のことを、世の中に知って欲しいと思うところもあるのではないかと思っています。
(内容は赤裸々コメディ寄りっぽいですが…)

この作者さんの場合、女性の特徴は煩わしいらしく、今は男性の意識が強いようです。
(そのスパンは長いようです。)
このことと、いわゆる「性同一性障害」との違いは、季節のようにころっと全く意識や作風が変わることらしく。
その時に強い性別で、感じる世界観の違いもあるのだそうです。
曰く、女性には、お花畑。中に差別的扱いやセクハラなど害虫みたいなのが居たりするものの基本優しいかわいらしいものに囲まれた世界。
男性には、砂漠の向こうに小さなオアシスが見えてるな…といったサバイバル世界。
といった景色らしく、男性にはもっと優しくしてあげようと思いました。(ノT)

男性寄り(?)のネタが少々どぎつい感じもありましたが、色々知らない世界で興味深かったです。

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紙の本

紙の本うたう警官

2009/04/22 11:16

清廉な警官が気骨有る捜査をするカタルシス…普通のことなのにね…

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「うたう」が「密告する」の意味だと読んだとき、80年代の中学時代に「ちくる」という言葉が流布したのを思い出した。つまり「告げ口」というか「先生に報せる」ことだ…主に「いじめ」の首謀者が戒めの言葉に使っていたような気がする。
「密告」とは悪いイメージしかないが、組織の膿は正さねば腐っていくのみだ。
改善を望む「報告」さえも「密告」だと言う者は、いったいその腐臭にどこまで耐えられるというのだろう?
しかし、隠蔽によって権威と体面を保ってきた実績がそれを許さなかったという過渡期の時代があったというのは判らなくもないし、これからも多かれ少なかれ隠し事は続くだろう…自浄が出来なくなり、誰かが耐えきれなくなるまで…。

本作品は、個人的には先に読んでしまった「警察庁から来た男」で左遷されていた津久井が、「うたう警官」として渦中の人物となるお話だ。(しかも「書き下ろし」でハード本)

近年記憶に新しい北海道警察の汚職事件以降、地元作家であるからこそ手をつけ描いてきたといわれる警察小説であるということで、気骨のある内容を期待して読み求めた。

思ったより緩そうな警察組織の描かれ方に、やはりフィクションはフィクションなのか、それとも現実はこんなものか?と思いながら、読んだが、最近読んだ日本の小説に共通して読み手にとってあまり根拠の納得の行かない信頼関係(佐伯と津久井は別として)が強固で、ドラマとしては面白いが少々食い足りない。

ただ、つまりは警察組織としての信頼からということなのか、全くといっては信頼していないらしく、人数が増えるたびにスパイ小説の色合いを増して面白くもあった。

でも、「同僚殺しの容疑。麻薬所持を疑われる。失踪中。」→「射殺命令」というのは、ドラマティックではあるが、ほんとかよ~?と少々白けた感じもあった。

謎解きの途中も、有志の秘密理な捜査の指揮を執る佐伯が、真相がもう目の前にあるのに、指摘されて説かれるまで掴み取らない様子には、「大丈夫か?」と思ってみたりする。自殺を許すのも然り。
…と思うのも、こちらが判ってしまっているから思うことなのか?

「踊る大捜査線」を作ったプロデューサーの弁に「警察は会社組織だ」という言葉があったが、会社組織にも同じような暗黙があり、この小説の骨のあるものが報われるという話には概ね共感も出来、カタルシスもあった。
ただ、女性の描き方が何作か続いて同じような感じで、あとはやはり少々プロットの練りが弱く、色々と透けて見えるのは惜しいと感じられた。

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紙の本

紙の本警官の血 下巻

2009/04/22 10:26

向きといえば前向きな落としどころ…かも?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ハードで上下巻は長い!(手もだるい!w)
寝入り端に読んでいたので三夜くらい読破するのにかかってしまったけれど、まあまあ面白かったです。
それにしても、謎解きに死が絡んでいるので、途中寝覚めが悪いことこの上なしでした。(自業自得ですがw)
描き方で「あいつだよ…」というのは薄々判っているのだけれど、真相は謎のままに、一代目の祖父が謎の死を遂げ、残された長男も同じ警官を目指すが、やっと念願叶う矢先にやはり短命に終わり、そして三代目が…。

この親子孫の三代で、警官=町の駐在さんを目指しているのが好ましいとは言える。

実際に身近に聞く理想に燃える警察関係者には、地元で駐在で居たいという声をよく聞くが、それでは住み難い組織のような雰囲気も時に伝わってくる…。
やはり、組織構造に問題を抱えているのだろうと常々感じていたので、色々そんなことも考えながら読みましたが、所詮フィクションなので考えても謎のままなのですが。w

祖父から続く事件の謎と犯人の追及という重厚な内容を、軽快なテンポで書かれていて読みやすいと言えば読みやすいのですが、少々走りすぎて食い足りない感じもありました。
もう少し綿密に書いてもらえたらもっと楽しめたような気がします。

一代目、警察予備隊の戦後昭和からの導入は、先に同じく戦後昭和が舞台の京極シリーズを読んだ私には「おっv」という感じで入りやすかったし、清二の生真面目さも伝わって戦争も終わって希望のある良い雰囲気でしたが、二代目は安保の時代の混沌とした感じで、民雄は将来を期待されながら公安生活で精神的に…てゆーか、ここが若干唐突なエピソード展開だったような気がしますが、言及が足りないだけで、最たる要因は最後の突入のガスでの昏倒でしょうか?(最近テレビドラマになった作品では役者さんが好演していたのをちらっと見ました。全部見えていないのが口惜しいです。再放映かDVD発売を待とうと思います…)、そして三代目、犯人と対峙するのですが、したのか?っていう感じでなんとなく不完全燃焼。

理由もそれで良かったのか…てゆーか、それだけ…?
まあ、戦後、兵役から帰ってきた人間がまともで帰ってきたということはあまり聞いたことがないし、優秀な人間が駄目な人になって帰ってきたということも、身の回りの親族にも居ますが…。

現代的な解決で、未来に向かって行けばいい。という前向きといえば前向きな落としどころだったような、組織というものと渡り合うには清濁を…ということなのか…。
ちょっぴり釈然としないものの、他の警察シリーズも読んでみよう…とは思えました。

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