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菖蒲さんのレビュー一覧

投稿者:菖蒲

21 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本中原の虹 第2巻

2006/11/04 16:19

龍の逝く日

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

蒼穹の昴を読んだ方々は、この作品に触れると懐かしむに違いない。
私は震える前に涙が出てきた。
また、彼らに会えた。
中原の虹第2巻
本来ならば、第1巻から感想を寄せるべきなのだが、
現時点での最新刊を読んだからにはタイトル通り、話の進展に
驚き、そして第1巻の感想どころではなかった。
「龍の逝く日」
第4章のタイトルをそのまま引用する形となった。
内容を暴露しようと思えば、この場を借りてできる。
しかし、それは敢えてしないでおこう。
なぜなら、この作品を読んでほしいからだ。
激動の時代。清王朝の幕を引く者達、また新しい時代の幕を開けるものたち。彼らが入り乱れて、ひとつの時代は終わっていく。
正直、この時代のことは苦手だ。
激動の近代ほど歴史を勉強した中で、わかりにくいものはなかった。
交差する思惑や突発性の高いテロ。
しかし、この作品に触れることで、全てはつながっているのではないかという感が拭えない。いや、つながっているのだ。
全てを知るには全体を見下ろすことが大切である。
しかし、下から世界を見上げることも忘れてはいけない。
その両極の視点で描かれる本作に出会って、私の世界観はまた変わってしまった。

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ゆっくり答えを出したい

17人中、16人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この作品を読んだ時、とっさに思い出したのは同作者の「蛍火の社」だった。この作品とどこか似ている。
夏目友人帳。
それは、妖怪の名前が記された主人公の祖母の形見である。
彼女は、数多くの妖怪の名を友人帳に記すことで妖怪たちを従えていた。
その孫である夏目は、妖怪が見えるという祖母譲りの力ゆえに友人帳に記された、あるいはニャンコ先生のように名を記されていない妖怪たちに狙われるはめになってしまう。
ニャンコ先生と約束を交わし、夏目は妖怪たちに名を返すことを決める。
忘れられることを恐れた妖怪。
最後の信仰者と共に消えることを望んだ妖怪。
そして、どうしても「あの人」に会いたかった妖怪。
みんなみんな、願いという名の原動力と共に夏目を訪れるのだ。
彼女の作品を読んで、いつも思う。
一生懸命の意味って何だろう。
自分の願いを叶えることって何だろう。
その答えを探すべく、彼女の次回作にも期待している。

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紙の本天使のナイフ

2005/08/10 21:54

少年法について考える

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今年の江戸川乱歩賞受賞作品である。
内容は、少年法を軸に展開されていく。
妻を少年によって殺害された主人公は、法律によって守られている加害者の少年達に対して酷い憎しみを抱く。
被害者に対しては何のサポートもない日本社会に対しての苛立ち、そして自身が再び事件へと巻き込まれていく。
物語の構成としては、悪くない。
しかし、本人の考えが示される場面など所々に見られる作品の粗が少々残念である。
物語の展開も、少し作者のご都合主義であることも残念な点の一つである。
しかし、社会に対しての問題定義のリアルさには目を見張った。
改正前の少年法に対しての問題点である。
少年の可塑性。
このことに大きく疑問を抱く作者の思いが強く示されている。
次回作が楽しみである。

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紙の本炎の月 2

2004/07/22 18:55

机上の空論

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

今年も、もうすぐ9.11がやってくる。

あの日を境に、世界は一気に急流の中に身を任せたかのように思える。
それは、テロによって引き起こされた。
アフガン・イラクを中心に、多くの人命が失われていったことを我々は、考えなければならない。

この作品は、長く続くジェニーシリーズの中でも一段と現実に訴えるものがある。中でも、究極の世界平和が机上の空論とされていることが、今もっとも注目すべき点である。世界の恒久平和とは一体何だろうか。

ここで、フューチャーが考えていることは現実の中でも最も実現することが難しいことである。究極の世界平和を考えるにあたって、先進国の思惑を無視でない今、それは無理なのである。

力を持つものは、いつか自分の力を過信するときが来る。いつも謙虚な気持ちを持とうとしても、力の前には奴隷に等しいのである。

戦の中で、人が生を見出す時代は終わったと私は考えている。ボタンひとつで勝負のつく争いの中に何を見出す? 机上の空論の追求の前に、我々は一体何をすべきなのか。自問は絶えない。

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紙の本PEACE MAKER鐵 3

2003/12/07 23:36

純粋であるが故の結果

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

いつの世も我々の心を捉えて離さない男たちの物語。

様々な切り口で語られる彼らの姿を、今一時の時間不肖ながら私に語らせていただきたい。
本作品は、前作「PEACE MAKER」の続編として語られる。新撰組副隊長 土方歳三の小姓である市村鉄之助を中心に物語られてゆく。

これを読んでおられる方々は、果たして新撰組をどう捉えられているだろうか。
都を守る狼か。それとも旧体制にすがりつく亡霊の亡骸か。

ここで、ある程度脚色されてはいるが、私としては今を大切に生きる男たちの姿が印象的である。
また、どんな因縁であれ長州藩志士であった吉田の亡骸と意思を受け継ぐ鈴という少年が抱く鉄之助自身に対する憎しみから目が離せない。

まず、ここでは新撰組の内紛、山南自害が描かれる。
心を鬼にして戦うことが招くすれ違い。
それを利用しようと暗幕する鈴の憎しみ。

まだベールに隠されたままの様々な思いがワルツのように踊りだすのは何時だろうかと身震いする。一見して、リズムの良い話に隠された多くの伏線。

前作からも感じているが、こんなにも純粋な男たちが目の当たりにする激動の時代を美しく優雅に描き出している本作に今後も期待したい。

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紙の本蛍火の杜へ

2003/10/20 00:00

その手に触れたなら

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本自体は春夏秋冬になぞらえて、4作品で構成されている。
ここでは、あえて夏の物語であり、タイトルにもなっている「蛍火の社」について述べていきたい。

主人公である蛍は幼いころに山神の森で迷ってしまう。
その時に蛍を助けてくれたのは、ギンという少年だった。
少年は、人間でもなく妖怪でもなかった。
しかし、ギンには触れることができなかった。彼もまた、蛍には触れなかった。触れれば、たちまちにギンは消えてしまうのだ。
それでも、蛍は彼に惹かれ、彼も蛍に惹かれていく。

そうして、年に一回の逢瀬を何度数えたことだろう。

幼かった蛍は中学生、そして高校生になっていた。
二人で出かけた祭りで、その時を迎えた。
ふとした瞬間に、彼は人間に触れてしまう。

彼は、消えてなくなった。しかし、最後に蛍とギンは何とも言えぬ嬉しさで
抱き合った。温かい、そして初めての抱擁。

そのあと、蛍に訪れる何ともいえない切なさには胸が打たれるものがあった。
これが最初で最後の触れ合いだった。

切ない恋が似合う夏。終われば一歩大人になった自分がいる気がする。

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神の一手を求める者たち

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

長い連載が終わり、遂に完結した。
最終巻を読み切ったときの感覚が蘇る。

長かった。しかし、短かった。

これほど囲碁を子供たちの間に知らしめた作品は本作が最初である。
それほどまでに、この作品の印象は強く、また感動は果てしない。

神の一手と呼ばれる、最善の一手を求める人々の物語である。
これほどまでに素直に、また純粋に囲碁の世界に浸れたのは幸福の極みであろう。碁の神であった(と思われる)佐為から始まり、また佐為への主人公の思いで終幕を迎えた本作について、多くを語る必要はないかと思われる。

思いは思いを生み、また思いへと繋がってゆく。
それが多くの者たちと共有できるということは、大変幸せなことである。
それだけで、この作品の評は十分であると思われる。

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紙の本図南の翼

2003/06/10 22:49

大切なこと

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

幼い少女が、自ら王となるために険しい道のりを行く物語である。

本書を読んで、考えさせられたことが2つある。
一つは今の状況をより良い状態にするためには、まず自らを動かさねばならないこと。
これは大人たちが自分たちを守ることしか考えず、結局は悪循環を招いてしまうということである。
何かをしようとする時、まずそれを自分の力量と天秤にかけて測る。その場合、命を懸けねばならないことからは、すぐに手を引いてしまうということが子供からみると何とも歯がゆいことであるように見えるのである。つまり、誰かにどうにかして欲しい。でも自分では、危険だから動きたくない。それで、事態の安定にただ乗りしようとする。
これは現代にも十分に当てはまることであり、我々が深く考えねばならないことの一つである。

もうひとつは、子供は大人以上に物事が見えているということである。
何事につけても、子供の意見を無視するべきでない。それは、深刻な事態に対する小さな警告であるかもしれないし、大人が見落としがちな重大な欠点の一つである。

このように、全ての物事は大人の目の高さで見るものではない。人間社会で言うと子供の目の高さで物事を見ることも時には大切なことなのである。
そして、物事を変化させようとしたら、それは自分が動くときなのである。

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紙の本黄昏の岸暁の天

2003/05/16 19:04

違和感

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

このシリーズは、日本を蓬莱と呼ぶ異世界の話である。
中国的な要素を背景として、12の国をめぐる物語である。

この作品は、その1つである戴の異変に対して、他国が協力し合うと言う、かつてない設定となっている。

数作品、このシリーズを読ませていただいたが、この作品には一貫して複雑な設定がある。一国一王、一麒麟(きりん)として物語は展開している。

話し始めたら長くなるが、いつものように言いたいことだけ言わせてもらうと、
私たちの住む世界とはまったく違う世界観である。
たとえば、他国を侵略していはいけない。
子供は母親の腹から生まれない。
王は、民のために道をはずしてはいけないなど、もし破れば天罰が下るという全くのフィクションである。

特にこの作品の特徴と言うべきものは、やはり異形のものの存在である。
それは妖魔ではなく、麒麟であったり、半人であったり、仙人であったり。
と、普通の人々と一線を画する制度があることだろう。
これが元となって、この作品の味が引き出されていく。
それとともに、この作品の違和感が滲み出しているのである。
違和感と言うと何か、いやな感じがするが、それは間違いである。
この作品の違和感は、先ほども述べた現実との差である。
さらに付け加えると、ここの描かれている人物たちの屈託のなさである。

すさんでいるように見えて、実は思慮深く考えた結果、そうせざるを得ない状況であるものたちの、せめぎあいであると考えられる。

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素直にしてくれる

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

躰道(たいどう)を通じて成長していく少年、少女の物語である。
心の中に日々のいやなことを溜め込む傾向のあった主人公
しかし、ある日躰道に出会ってからは背筋を伸ばして、成長していく様が印象的である。

毎日が、いいことばかりでない。
現代人に求められているのは、その人に合ったストレス解消法である。
この場合、いじめというコンセプトで始まり、その解消法、むしろ対処法として武道を取り上げている。
武道は経験こそなくても、声を出し、体を動かすことで体に溜まっているものを一気に吐き出す作用がある。
もちろん、体を鍛えるという意味も持つが、それ以上に心を鍛えるという意味が強いように思われる。

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愛を知るもの知らぬもの

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

その切ないまでの思いを、自分の中に秘め続ける苦しみがある。
『ぼくの地球を守って』
まだ、主人公であるアリスの覚醒前の話である。
主に、紫苑こと輪の視点を中心に描かれている。

この作品の舞台は地球。転生という形で、地球に降り立った異星人たちの転生後の葛藤を描いている。
一人、9年遅れて輪はその恨みを果たすために、また真の目的を果たすために動き出す。彼の目的は愛しい人の覚醒か、それとも月で遣り残したことの清算か。
ここでは、どうにもならないことだが、紫苑と木蓮の関係はここまで読んだ感じでは一方的なものとは既に思えない。
互いに何かを求め合った結果。あの二人だけのわずかな時間が紫苑にとっては、凄く意味を持つ一瞬だったに違いない。

愛することと愛されることは、少し違う違和感がある。
愛することは相手を信じ、そして相手を思う気持ちで一杯になって初めて、その人からあふれ出た心が愛という形で表現される。
ここで言う愛することとは、木蓮で言えば歌うこと。紫苑で言えば求めて、受け入れられたことである。

反対に愛されることとは、本人が意識している時とそうでない時がある。この時に、愛されることを嫌い拒否することも出来る。
愛することは相手の反応しだいで、自らやめることが出来るが、愛されることは本人の考え方次第で拒否できるのである。

何をいいたいかというと、月での紫苑以外の男性人の木蓮に対する思いは愛されたいと思いである。反対に紫苑は愛したいと思う気持ちでは、ないのだろうか。本書の中では、紫苑は直接「家族のふりをしてくれる人が欲しかった」と言っている。これが、愛したいということである。

普遍的に愛することとは難しいことである。なぜなら、その気持ちが普通すぎて気づかないからだ。与えられたものが多すぎて、何を与えればいいのかわからない。それが、結果だろう。
紫苑のように僅かな愛が自身を救うこと。それが心に癒しをもたらす最高の方法ではないだろうか。

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好きで好きでたまらない。

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

突然ですが、今回は私情を挟みます。
私自身、今、寮生活真っ最中です。
この作品は、寮生活を中心に据えた高校生の物語です。

寮生活とは、何ぞやと思われる方も多いのではないかと思われますが、
まさに自分との戦いであると思われます。
自宅とは、一味も二味も違う環境において主人公含め、それぞれの人たちのストーリーを絡ませて描かれています。

人には、それぞれの人生があります。それに伴って、それぞれを取り巻く環境も違います。しかし、一つの目的の元に集まった人々は、その目的に対して自分の人生を譲歩しようとします。
それが、寮生活の根源ではないかと思われます。
自分のためではなく、他人のために人生を動かせる力の創造場所みたいなところなんですよ。
少し、仰々しい言い方かもしれませんが、普通は一日の生活を完全に二つに分けることができます。
学校と、自宅です。
しかし、寮はいうなれば、学校の延長みたいなところですから、友達と一緒に暮らすことになります。つまり、前者と違って一日を二つに分けることができないのです。これは、人によって適応度が違ってきますが、現代生活においては本当にいい薬だと思います。
ここの登場人物たちは、むしろそのことを歓迎しているかのように思います。
なぜなら、他人と暮らすことに抵抗感を感じてないからです。
この感じが、私は好きで好きでたまらないのです。
もちろん、男の子たちも気にはなりますが、それ以上に他人と違和感なしに生活する様の描かれている、この作品が大いに気に入っているのです。

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紙の本百鬼夜行抄 3

2003/02/10 22:37

素朴で、的確な作品

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この世の闇の部分に住む妖怪たちを中心に、主人公である律が
様々なものたちと関わりあっていく物語である。

言わずと知れた、有名作品である。

霊能力に長けた祖父を持ち、自身も少し霊能力を持っている主人公は、
守護妖怪である青嵐や、尾黒と尾白のような鳥の妖怪たちと不思議と少しだけ
関わりながら、生きている。

こんなことを話すのもなんだが、私たち人間が恐らく100年ぐらいまでは
目に見えるもの以外のものたちと深く付き合っていたと思っている。

神社や、寺。今では文化財として残るものが、その中心にいたのはいうまでもない。
しかし、いつごろからか私たちは目に見えるものしか信じなくなった。
これは、悲しいことである。
しかし本書を読んでいると、素朴な優しい気持ちになる。

それは、決して主人公と妖怪たちのやり取りが笑いを誘うというもの意外に、
何か懐かしいものをかんじるからだ。

作者は、妖怪以上に人間関係を本書の中で大事にしている。
それは、妖怪というエッセンスを入れることによって、一段と引き立っているようである。
このことによって、懐かしい私たちの忘れているものが伝わってきているようだ。
ここに登場する妖怪は、なんだか人間臭くて憎めないやつが多い。
そして、人間がなんだか妖怪臭く映っているのも皮肉なことである。

しかしながら、面白い作品であることは間違いない。

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まだまだ面白くなる

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姫君の条件
まだ幼い主人公と、まだ未熟な作者。
この二人が紡ぎだすのは、忘れかけた大切なこと。

作者である朔野安子氏の初のコミックである。
やはり、第一印象は未熟で幼い。
しかし、この作品の中で語られていることは決して幼くない。
様々な精霊と多くの人々が住む場所を隔てずに、共に暮らす日々。
精霊は、守護するものを決めるとその者にだけ姿が見えなくなってしまう。
しかし、一生彼らは、自分が決めた主を守りつづけるのである。
ここで語られているのは、その中でも最強で最高位の者たちの物語。
闇の精霊と姫君の物語である。

ここで、暗黙の了解を得ているのが精霊との共存である。
精霊も、人間も皆互いに共存しているという点で、激しく揺さぶられた。
なぜなら、今の私たちが忘れかけていることだからだ。
この作品が思い出させてくれたと言ってもいい。

さらに世界観の設定も、現実とはかなり異なるが、読んだ後になんとなく自分の環境とを照らし合わせてしまう。
つまり、読ませた後に、読者に考えさせてしまう。
そこが、この作品の素晴らしいところなのである。

この手の作品は、まだまだ少なく、これから期待されている。
中でも、筆頭に挙げられるのが、佐藤秀峰氏のブラックジャックによろしく、である。
しかしながら、この作品も引けを取らない勢いである。
さらに、まだまだ物語は序盤である。
今後の展開に注目したい。

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一つの物語が終わる

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この作品は、いわゆるボーイズラブに属する作品である。
そのことを差し引いて、ここでは評させていただく。
自分自身、免疫のないジャンルに、あえてこの作品を読んだのは偶然である。
しかし全館読み終わって感じたのは、なんともいえない切なさだろう。
主人公は、実際2人いる。
そして、それぞれに恋人が出来て、幸せになるという話である。
最初の方は、ぎこちなく物語が始まる。
しかし作者のもつ伏線の絶妙さと、人が人に惹きつけられていく様子は
他の大作に匹敵するものを感じる。
話の流れもしっかりしていて、自然である。
特に生死に容赦ない内容は、さらに物語を際立たせている。
このように漫画の世界は幅広く、偏見を持って接する場ではない。
あえて付け加えるなら、漫画の世界を自分の生活に投影しないことだ。
反対に、自分の生活に投影することによって売れている作品もあるのは事実である。
しかし夢は夢、現は現。
そうやって考えたら、この手の作品も抵抗なしに接することが出来る。
強要はしない。
ご意見があれば伺いたいです。
ayame0812@infoseek.jp

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