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りんさんのレビュー一覧

投稿者:りん

33 件中 1 件~ 15 件を表示

なんとか早めの完結を希望。

4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

あくまで個人的な感想ですが、この作品、長引かせたら厳しい気がしてきた。
地の文の読みにくさは少しだけ修正されていますが、やっぱり読者は傍観者にしかなれない。とくにヒロインの心情に共感できないのはイタイ。

ヒーローの俺様度も変な方向に暴走していて、あれじゃあ、セクハラを通り越して、DVだよ(泣)
ファンタジーとはいえ、きちんと国設定があって、王族、貴族が存在しているんだから、基本的なルールは守られてしかるべき。普通、正式に婚約していない王族男女が二人っきりにされたりしないでしょう。(いくら看病のためとはいえ・・・)

それに、国同士の合意で王女を連れ出しているロシュア(恋敵)も、勝手に婚約話を白紙にもどして、王女を側付の従者と2人だけでジェラールのところへ行かせるのはあまりにも無責任。そういう細かいところに違和感を持つのも、入り込めない要因かも。

「ツァーリアの巫女」話とか、ヒロインの持っている力の説明とか、国の成り立ち話はかなりきっちり考えられているのに、肝心のストーリーが設定を生かしきれてなくて、もったいなさ過ぎる。

ここまで読んだから、次も買うと思いますが、最後でラスボス登場っぽくなってたので、何とか早めに完結を!

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あっけない結末で、モッタイナイ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この作家さんの「諏訪に落ちる夕陽」という作品の印象が強くて、買っていたシリーズですが、最後の最後で尻切れトンボが否めない・・・。
これって、プロット段階からこうなっていたんでしょうか?
あとがきを読む限りでは、お話を書き始めた段階ではラストのカップリングは決まってなかったようですが。個人的には時間切れ?もしくは無理やり終わらせたのかな?という印象がぬぐえません。

主人公(アルナイーズ姫)があれほどこだわっていた「導きの銀の杖」になれたのか?いまだ試用中の身なのか?
それすらも分からない上に、ここにいたるまで、主人公に熱烈求婚していた王太子が、今回初出のキャラに(政治的な意味があるとはいえ)あっさりと乗り換えたのも違和感があります。
ついでに、いままでほとんど偽装婚約者だった将軍を好きになったのはいいけれど、そこからの展開が速すぎて一気に婚礼をあげちゃいましたね(笑)

せめて今回初出の王太子のお妃になった姫君を含めて、次巻でいろんな設定をクリアにしてから完結して欲しかった・・・。

せっかく奥行きのある世界観があるのに、この結末は本当にもったいない。

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久々に大人買いしました

8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

以前から書評その他を見て気になっていたシリーズですが、最初の一冊で気に入って、久しぶりにこの「朱にまじわれば紅」まで6冊一気に購入しました。
ライトノベルは設定や世界観がそれなりにありながらも、重過ぎない(ライトなんだから当たり前か?)のが魅力ですが、その中でも割と軽めなストーリー展開で、参考にされていると思われる時代にはありえないセリフまわしが笑いを誘います。
特にこの巻は、単独でも読めるちょっとした小話の体裁をとっていますが、本編を読んでいない方には微妙に意味不明。
閑話休題の一冊ですので、ここから読むのはやめたほうがいいかもしれません。
ちなみに、十二国記のようなかなり独創的でしっかりした世界観を希望される方には合わないと思われます。
あくまで、それなりの世界観、それなりのキャラクターで軽く恋愛色が混じっているといった話をご希望の方向けです。
私など、これって設定変えれば現代の高校・もしくは大学が舞台でもいいんじゃないかと思ったくらいですから(汗)
作者様のあとがきによれば、最初の一冊を書いた時点で続く予定が無かったとのこと。2冊目、3冊目には多少苦労のあとが見られるものの、4・5冊目に入ったあたりからかなり本格的にシリーズを意識したストーリー展開となっているようです。
まだ既刊すべてを読んでいないので、期待をこめて近々読破したいと思っています。

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良くも悪くも、続きが読みたい・・・。

7人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

全体的に、好き嫌いがはっきり分かれそうな文章だと思います。
世界観も設定も悪くない。ジェラールやレウリアなどのキャラクターは、むしろライトノベル読者の嗜好にあった物語のはずなのに、どうにもしっくり来ない。

読みながら、傍観者にしかなれない自分に不思議な感覚を覚えました。いつもなら、キャラクターの視点で読んでいくことが多いのになあ。
…と思っていたら、気づきました。(これは全く個人的な見解ですが)

主人公二人を含めたキャラクターのほとんどが、自分の気持ちを全部ペラペラしゃべってる。もしくは説明されちゃってる。
読者が想像する行間というか、間合いが少ないんです。
ちょっとした仕草で、行動で、もしくは過去のエピソードの回想を挟むことで、キャラクターの気持ちを想像させられる余地があまりにも少なかったのが、たぶん原因なんじゃないかと。
例えて言うなら、自分が初めて見ている映画を、すでに見終わった人が横で説明してくれちゃっている感じ。

それと、台詞なのかモノローグなのか、わかりにくい所がたびたびあります。編集の方がこれを見落としているのか、わかっていて容認しているのかわかりませんが、これは読みにくい。

さんざん勝手なことを言って、いまさらとは思いますが…物語自体は悪くないし、これから山場に向かっているだろう展開に期待もしています。
特に、登場する国々の気候風土、国同士の力関係や駆け引きはかなり具体的に練られていて現実味があり、面白いと思います。

良くも悪くも、ここから頑張ってもらいたいシリーズです。

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このシリーズまとめて読むと面白いかも

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ストレートな表現のこのタイトルだけで、たぶんハッピーエンドだろうと思えるこのシリーズ。
ブラーナ帝国という架空の帝国を舞台にしたこの作品は、
前二作がページ数の割には一定の歴史観を持たせたストーリー展開で、結構面白かったので、三作目も購入しました。
時代は前二作と比べるとずいぶんと遡ります。

主人公二人が砂漠を旅するシーンがありますが、結構リアルな表現で過酷な砂漠の雰囲気が味わえました。

ただ、わき腹でずっと見捨てられていた父親(皇弟)からある日突然呼び出され、娘(皇女)として認められた上で、政略結婚の駒にされた・・という設定のわりに、ヒロインが環境適応能力高いですね。帰りたいと言いつつ、覚悟を決めちゃってる感も(笑)

反対にヒーローはかなりお悩み状態でした。
作者様いわく、「要領の悪い優等生」なんだそうです。
正統な世継ぎの王子で、責任感も能力もある。侵略したブラーナ帝国の手駒として敵国の進んだ教育を受け、その合理性や優位性を認識しながらも、殺された父王の記憶があるから素直に受けいれるのが難しい。

そんな二人だから、そうそう甘い雰囲気にもならず・・・というか、いつ恋に落ちたんだ?みたいな感じでしたが、最後、二人がかわす言葉がすべてでしたね。良い夫婦になりそうです。

このシリーズこれからも続くのか、ここで終わるのか微妙なところですが、個人的にはもうちょっと続けて欲しい気がします。
これから読むなら、シリーズ3冊まとめて読むのがお勧めです。

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悲劇のような、そうでないような

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

コバルト文庫の新人作家さんデビュー作です。
オフィシャルウェブサイトで試し読みをして、興味が湧いたので、買ってみました。

新人作家さんの本を買うのは久しぶり。
お話し全体がよく練り上げられていて、読み応えがありました。
結末から言えば、ヒーローとヒロインは死に別れているので悲劇・悲恋のくくりになると思いますが、ある考察が加わっていることで、読後感はわりと良かったです。
この系統の話が苦手な私にしては珍しいかも。

後代の人が歴史をひもとくような形で構成されているので、わりと早い段階で結末の予測はつきますが、文献やら、手紙やらのくだりを入れすぎかなとも思います。
肝心の二人の描写が少なくて、冷酷で「氷雪王」とあだ名されるヒーローの「氷」が解けてゆく過程がわかりにくかったです。
ヒロインの型破りな行動にあきれていたと思ったら、なんだかいつのまにか仲良くなっていたような・・・。

何度も読み返したい・・という気分には正直ならないのですが、架空の国設定の割には、選帝侯時代のドイツ皇帝のような史実っぽい描き方で、歴史をふくめて奥ゆきのある話を書こうとしている人なんじゃないかなという印象を持ちました。

次回作も、気になる設定だったら読んでみたいと思います。

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ストーリーは決して悪くないのに、どうしても主人公カップルになじめない・・

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

たぶん、ターゲット年齢層には違和感のないキャラクターなのだろうと思いつつ、やっぱり馴染めない・・・。

コバルト本誌に掲載されていた短編じたいが、もともと長編だったものを短編に仕立て直した・・・と、
あとがきで拝見した記憶がありますが、本当に現在のシリーズを元にして、あの短編を書いたのだとすると驚きです。

一人称の回想として語られる短編と、現在進行形の三人称で紡がれる物語が同じ印象になるのは
確かにありえないかもしれませんが、それでもここまで違うのって、正直どうなんだろう。
短編を読んだ印象で文庫を買ってみた私には、かなりがっかり感がありました。

とはいえ、シリーズとして出されているこちらも、ストーリー自体はコメディ要素大とはいえ、
脇役を含めた展開は読んでいて楽しいと思います。

かるく、時間つぶしとして読むには調度いい感じでしょうか。

できれば、もう少しだけヒーローのヒロインへの溺愛ぶりを奇行(としか思えない行動)以外で表現してもらえると楽しめるかな。

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紙の本夏嵐 緋の夢が呼ぶもの

2003/07/26 00:22

大海人皇子好きの方はぜひ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「あかねさす…」「紫のにほえる妹を…」という相聞歌で知られる額田王と大海人皇子(後の天武天皇)の出会い編というべき内容の小説です。大海人皇子と兄の葛城皇子(後の天智天皇)の年齢逆転説をベースにして、額田王を主人公に大海人皇子とのラブストーリーが展開されていきます。
個人的には、葛城よりも大海人が好きだった私にとって、華やかな兄に負けない存在感を見せる大海人皇子がとてもツボな小説でした(小説の中では、理由あってヘマなふりをしてますが(汗))。大海人皇子が好きだという方はぜひ読んでみて下さい。著者朝香祥さんはこの前段階の話として大海人皇子が主人公の「明日香幻想」シリーズも出されています。そちらも併せておすすめです。

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紙の本雄飛の花嫁 涙珠流転

2004/11/12 00:50

政略結婚も洋の東西でストーリーが変わる

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

気づいたら年の差カップルが主人公の小説を続けて読んでた自分に気づいた。
別に他意はなかったけれど、たまたまそれが西欧を舞台にしたファンタジーと
東洋を舞台(設定はたぶん中国とモンゴルの中間あたり)にした本作、
「雄飛の花嫁」でした。

どっちもいわゆる王族の政略結婚と言われる種類の結婚で始まる。
年の差ありで男性のほうが年上。(本作は12歳違い)

もちろん主人公の性格設定には違いがあるし、一概には言えないけれど、
中世の西洋をベースにすると、歴史的にもどうしたってキリスト教の影響が
色濃くでてくるためか、まず結婚の事実が優先される。
(特に王族なんかは結婚自体が宗教儀式の一環なんじゃないかと思うような
描写もあるし。)
お互いの気持ちはその後動いていくようなストーリーが多いような…。

でも、この「雄飛の花嫁」は東洋ベース。
お互いの気持ち一つ(今回の場合はだんな様のほうが一方的に大人だったけど)
で結婚の事実があろうがなかろうが夫婦として寄り添える。
周りにしても必要以上に干渉しない。
騎馬民族のおおらかさか?とも思ったけど、やはりこれって西洋と東洋の文化の違いなんじゃないかと思い至りながら楽しく読了しました。

政略結婚から始まる恋物語。
年上のかっこいいだんな様に大切にされる幼妻をちょっとだけうらやましく感じるのは私だけじゃないはず。
興味のある方はぜひ手にとってみてください。

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紙の本たとえ許されない恋だとしても

2011/11/10 00:54

デビュー作から1年。なんとなく気になる作家さんです

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

デビュー作「氷雪王の求婚」が悲恋ながらも後味が悪くない作品で気に入っていたので、それとなくチェックしていた湊ようこさんの2作目。
今度こそハッピーエンドが来るかなと期待しつつ待っていたのに、
タイトルにはまたもや悲恋のにおい?
・・・ということで、ちょっとがっかりしながら読み始めましたが、文章は読みやすいし、
架空の国設定のなかにも、歴史への既視感があるあたりは、歴史物小説好きの私には
デビュー作と同等以上の良い印象です。

今回のヒロイン、レイアは、女副将軍という立場と腕前にも係わらず、王女という育ちの良さのせいか、素直でかわいらしく、女性としての自分に多少コンプレックスを抱きながらも前向きなところがいいなーと思います。

ヒーローのリギュロンも敵国の武官という設定ですが、彼はどちらかと言うと武人としての能力に似合わない、天然さがツボでした。
女性を褒めるのに、馬やら鶏やらに例えるなんて初めての感覚で、彼の親友のように、思わず突っ込んでみたくなります。

戦の始まる前のたった1日を一緒に過ごした二人が、お互いの本当の素性を知らずに恋に落ち、戦の終わるころに再会を約束するあたりは、悲恋要素十分でしたが、読了するころには、そこそこ納得できるあたりに落ち着いたので、ほっと一息。

惜しむらくは、後半がちょっと急ぎすぎかな。
もう少しページ数を割いて、2年の間、離ればなれになった上に「許されない恋」だと思いながらも相手を想ってしまう二人の葛藤がもう少し短いエピソードで入っていたら、お話し自体がもっと重厚な印象になったかもしれません。
私はそのほうが好みですが、ライトノベルという枠の中ではそこまでは求められていないのかも・・・。

それでも、個人的に気になる作家さんの一人になりそうです。
次回作への期待も込めて★4つで。

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女性であり、妻であり、母であり、なにより大英帝国の君主であるということ

5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「ヴィクトリア女王―世紀の愛―」という映画をレンタルDVDで視聴したついでに、勢いで買ってしまった本ですが、思いがけなく「目からうろこ」の一冊になりました。

もともと、ヴィクトリア朝を舞台にした物語が好きで、風俗や衣装、建築関係には前から興味があり、いろいろ本も読んだことがありますが、女王その人については一般的な知識しか無かった私にとって、「君臨すれども統治せず」のお手本といわれた女王はアルバート公との幸せな結婚生活とヨーロッパ各地に嫁いだ子供や孫たちによって「ヨーロッパの祖母」となった“女性であり、妻であり、母”のイメージしかありませんでした。

加えて、戦後生まれの日本人である私にとって、立憲君主と聞くと、政治に基本的に関与しない天皇陛下のような感覚が強かったので、ヴィクトリア女王が、国の政策や方針に対して、首相と意見を戦わせ、ヨーロッパの情勢や戦争に対して敏感に反応し、インド皇帝という称号に執着を見せるなど、君主としても大きな存在であったという事実は強烈な印象を残しました。
その意味でも、本書がとくに「君主」としての女王を描くに当たって、“戦う女王”という表現を使ったのは、とても興味深く的確な表現だったと思います。
また、構成がほぼ時系列で時の政権と女王との関係を追っているので、ところどころで小説とは違う読みにくさはあるものの、女王の治世の概要をたどるには調度良いボリュームの本だと思いました。

ジョージ三世の四男ケント公爵のひとり娘として生まれ、女性として、妻として、母として、そしてなにより64年という長い治世の間、大英帝国の君主として生きるために、想像を超えたエネルギーを保ち続けた偉大な女王は、20世紀の幕開けとなった1901年に81歳でその生涯をワイト島にあるオズボーン・ハウスで閉じることになります。
戦い続けた女王は、愛する夫との思い出が残る場所で、何を思って人生の幕を閉じたのか・・。

女王が亡くなる前に発した明確な最期の言葉は、「私はまだ死にたくない、まだまだ差配しなければならないことが数多く残されている。」だったそうです。
大英帝国の“君主”であり続けた女王らしいと感じるのは、私だけでしょうか。

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紙の本恋のドレスと約束の手紙

2008/09/05 01:01

ヴィクトリア朝時代の英国という設定には魔力でもあるんだろうか?

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

私はどうもヴィクトリア朝時代の英国が舞台になった漫画や小説に惹かれるらしい・・ドレスも建築様式も、生活様式も産業も実に興味深い時代です。

本作のタイトルにある「恋のドレス」という言葉には微妙に抵抗感があったものの、「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」というシリーズ名に惹かれてはじめて購入したのが、シリーズ7作目「恋のドレスと運命の輪」でした。本作はそのシリーズ最新刊です。

主人公の営む仕立て屋「薔薇色(ローズカラーズ)」に偶然妹のドレスを頼みにやってきた青年貴族と主人公が、いろんな事件を通して交流してゆくうちに恋に落ちるという設定は、ありがちといえばありがちな身分違いの恋ですが、この時代、労働者階級のミス・クリスティン(クリス)と名門貴族のシャーロックでは正式に結婚する可能性は限りなくゼロ。
それでも、二人はシリーズを重ねるごとにお互いを想う気持ちを育ててゆき、最新刊では恋人という関係になった二人の交流が描かれています。

恋人とは言っても、公にできる恋でもなく、二人がかわす恋文がお互いの性格を反映していて、思わず微笑みたくなります。

クリス自身の過去が十数冊のシリーズの中でほとんど明かされていなかったことを考えると、これからひと波乱あるんじゃないかと、期待させてくれる展開でした。

最後はハッピーエンドになって欲しいけど、どうなんだろう
恋のために王位を捨てたウィンザー公・エドワード8世はヴィクトリア女王のひ孫(たぶん)だったけど、シャーロックはクリスのために公爵家を捨て・・られないだろーなー。というかそういうタイプじゃない気がする。

周りの個性的なキャラも魅力的で、個人的には医者のイアン先生の「のほほん」とした雰囲気がお気に入りです。

そういえば新しくできたディズニーランドホテルもヴィクトリア朝様式とか。泊まりたいけど高い・・・

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完結直前の平安ロマンティック・ミステリー

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

あと一冊で完結予定の物語ですが、気になりつつも、今まで手を出していなかったのは
ひとえに氷室先生の「なんて素敵にジャパネスク」や「ざ・ちぇんじ」と比べてしまいそうな自分がいたから。
・・・なのに、読み始めたら、そんなことはどこかに忘れて楽しめました。
ミステリー部分もちゃんと描かれていて、なによりキャラクターがそれぞれ魅力的。
とくに、ヒロインの宮子と馨子は性格がはっきりと違っているからこそ、お互いに相手の長所を生かし、欠点を補いあっていろいろな事件や恋愛に絡んでいくのが、上手いなあ。
二人が立場を取り替えた理由も、馨子の九条家そのものの逞しい性格のなせる業だし。

宮子をめぐる恋愛面もまた、東宮である次郎君と、筒井筒の仲である無位無官の真幸
という恋敵ふたりの立場と性格の対照が上手く設定されていて、面白かったです。

「初恋と挽歌」では、東宮のそばにいることを選んだ宮子が、表向き異母姉にあたる藤壺の中宮との別れを経験することになりますが、そこにはすでに身代わりとしての形式だけでなく、心から中宮の死を悲しみ、その後に起こるであろう九条家内部の争いに心を痛める宮子がいました。
それゆえに、東宮である次郎君のお妃として遇されることにこだわろうとしない宮子に対して、
あくまで彼女への愛情から正式の妃にしようとする東宮と、宮子個人の幸せと将来を考えて、彼女を妃にして欲しいと望む真幸。
宮子と二人の男性の考え方の違いがまた面白いなと思いました。
すでに宮子は「九条の姫」としてすべき選択を、受け入れてしまっているわけですね。

人は、こうありたいと努力すれば、意識が変わり、思考が変わり、言動が変わる。
たしかに、嘘つきは姫君のはじまり・・ですね。

個人的にはこのシリーズ最初から読んでいくのが、ベストだと思います。
馨子の女房として、市で糸を値切り倒していた最初の宮子とのあざやかな対比が見事です。
それと、やっぱり東宮の「宮子大好き度」が巻を増すごとに甘くなっていくのが、
見どころのひとつでしょうか。ふたりのいちゃつきシーンは本当に甘いです。
あの時代の女性の結婚年齢はたぶん12歳くらいからだろうから、数えで16歳は
十分結婚適齢期なんだろうけど、それにしても東宮の求愛がなんとも手馴れていて
最初は読んでいるこちらが慣れなかったのに、この辺りまで来ると、次郎君だからなーと割り切れちゃうのが不思議。

史実を元にしているということですが、そこはライトノベルのお約束ということで、
来月発売の完結編で全員がハッピーになってくれるといいなと思います。

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紙の本恋のドレスと聖夜の迷宮

2009/12/19 13:26

物語はラストに向かって加速中・・でも切ないなあ

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

クリスとシャーリーの身分違いの恋の行方は、二人が思っていたよりも
過酷になってきた気がします。

もっとも、乙女思考のシャーロックは、最初から、結婚は無理でも
好きでさえいれば、何とかなるっていう感じでしたが、その甘さを
今回ひしひしと味わっているんじゃないでしょうか?

反対にクリスは最初から結ばれる相手じゃないとわかっていながら、
それでも恋に飛び込んだ。その強さが、多少あだになった気はしますが。

まあ、「恋はするものじゃなくて、落ちるもの。」だそうですので、運命の恋の前には、二人とも抗うことなんてできなかったってことでしょうかね。

そういえば、クリスとシャーリーが、手紙でも、直接でも一回も相手と接触していないのは、今回が初めて・・ですよね?
離れてみて初めてわかる想いが、二人の行動を左右しているのかも知れません。

それと、ここに及んで登場してきた新キャラが、今後の二人にどんな影響をもたらすのか、心配でもあり、楽しみでもあります。

モアティエ公爵家の問題もちょっとだけ進展を見せてますが、やっぱりシャーリーには、ヘンリーのように世間体だけで選んだ妻と不幸な家庭を築いて欲しくないなあ。
時代背景を考えれば、それはまさに正統なやり方ですけどね。
その辺がからんでの、シャーリーパパとの対決も今後の見所ですね。

安易に主人公二人が幸せになれないところが、妙に現実的で、でも切ない。
これで次回春まで待てとは、あんまりですよ。青木先生。

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紙の本銀朱の花 夢の誓い

2006/09/21 00:14

聖痕の乙女番外編?

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

緑の天蓋に守られた森の奥でまじない婆に育てられ、姉弟のように育った男の子と二人きり、異相を隠してひっそりと暮らす乙女は、ある日王国を守る騎士と出会う・・・。
「もうひとつの聖痕の乙女の物語」とでも言えそうな、シリーズの中ではちょっと雰囲気の違うお話でした。
舞台もシルヴィアナ王国ではなく海を隔てた隣国ブノス王国で、国がひっくりかえるような大事はとりあえず起きていない模様。
親もなく、子供のころからあらゆる苦労や差別を経験してきた乙女は、当たり前のように人間不信に陥っています。
現実の世界にも悲しいことに差別は沢山存在しますが、自分の落ち度ではないこと(容姿や生まれた場所、人種など)で人を差別するのが、どれほど相手の心にひどい傷を負わせるのか微妙に考えさせられるヒロインでした。
とはいってもストーリー自体は正統派ラブストーリーなので、安心して読めますし、今回のヒーロー、騎士エルリックは前作のわがまま王太子より格段に紳士で大人です。でもちょっと世間知らずで、その育ちの良さゆえに大変な目にあったりしてますが(笑)
どっちかというと今回はヒーローのほうが癒し系?な感じかな?
シリーズ通して読んでいなくても十分楽しめる一冊だと思います。

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