金之助さんのレビュー一覧
投稿者:金之助
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紙の本わが子に伝える「絶対語感」 頭の良い子に育てる日本語の話し方
2004/08/29 17:36
正しい文法を忘れないでね、という本です
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
育児中は、自分のことばや動作を振り返る必要がある、と、改めて考えました。
言葉を話し始めた2〜3歳くらいの子供が、お母さんの口調にそっくりなことが少なくありません。
子供は親の全てを見ていますから、取り繕って無理に美しい日本語を話そうとしても、そのことばを自分のものにできていなければ、「絶対語感」としてわが子に伝えることは難しいのではないでしょうか。
ですから、巻末に、「絶対語感」に役立つ基本語の表が掲載されてはいますが、それを覚えて使うことが有効だとはとても思えません。
けれども、この本を読んで、自分も、「やっぱり」や「なんか」など、同じことばを意味もなく口ぐせのように入れてしまっていることに気づき、恥ずかしく思い、そんな癖は直したいと思いました。
また、文法の誤りを嘆く内容が多く、新たに知ったこともあります。
本来、「とても」ということばが、「この料理はとても食べられたものではない」のように否定のことばで結ばれるものだったとは、恥ずかしながら知りませんでした。
ことばは多数決原理によって動くもので、大半の人が十年も使っていれば、どんなに誤りだといわれたことばでも、公認されて、慣用になってしまうものなんだそうです。
それなら、近頃気になる「全然大丈夫」「全然キレイ」なんていう表現も、やがて慣用になってしまうのでしょうか。
あなたも「すごいキレイ」と言っていませんか?
余談ですが、著者によると、「情報量を少々増やすために斜め読みしているような読書は、データを集めるという以外には、ほとんど意味がない」のだそうです。ちょっとひねくれて考えると、それなら、この本を読むことも、ほとんど意味がないのか?などと考えてしまいました。
紙の本世界の中心で、愛をさけぶ
2004/09/10 09:47
売れてしまったがために…
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こんなに売れてしまわなければ、どこかの書店の片隅でひっそりと買い手を待ち続ける、つつましい純愛小説であったでしょうに。批判の目にさらされることもなかったであろうと思うと、ご愁傷様です、と言ってあげたくもなります。
私も、こんなに評判にならなければ、手に取ることはなかったでしょう。
表紙の写真、帯の宣伝文句、内容とはかけ離れたタイトルによる戦略、そして出版担当者の努力が実を結んだという点で、本の売れ方としては実に興味深い商品ではありますね。「売れたから、売れた」本ですね。
けれども内容は…改めて言うまでもありませんが、登場人物のせりふの陳腐さには赤面してしまうほど。
でも、あまりそんなことばかり言うと、「感動した」とおっしゃる方々を不愉快にしてもいけませんので、これ以上は言及しません。
案外、アキ亡き後のおじいちゃんの言葉に含蓄があり、面白く読みました。「最初から気にも留めていない人がいなくなっても、なんとも思わないから、それは人がいなくなることのうちに入らない。」「死んだ人にたいして、悪い感情を抱くことができない。だから人の死は、人生の肥やしになることができるんじゃないだろうか」
しかし、男性が残されると、実に哀れなものですよねぇ。
紙の本結婚してくれない彼の理由
2004/09/10 10:04
結婚したいですか?
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長年付き合っているのになかなかプロポーズをしない男性についての本かと思いましたが、どちらかというと、「モテる女性になるには」「彼ができるにはどうすればよいか」というものです。
内容は、男性が見たら「俺らはそんなに単純じゃない」と怒る人もいるのでは?と思うようなものもあります。
「ジーパンではなくスカート、スニーカーではなくハイヒールを」
「かわいい友だちと出かけてはいけない。あなたより魅力が劣る女の子と行動しましょう。」
「飽きさせない工夫として髪型のバリエーションを増やす」
などなど、むしろ「プッ」と吹いてしまいそうなアドバイスのオンパレードで、ある意味において、かなり楽しめました。
他にも「冷たくしたり、やさしくしたり」「わざと嫉妬を煽る」などの心理テクも色々載っています。現実に、そのテにひっかかる男性も多いのかもしれませんね。
馬鹿馬鹿しい内容ばかりというわけでもありませんで、「結婚に対して、大きな期待を持たなければ幸せになれる」や、「結婚しなくても不幸ではない」「プレッシャーを感じてする結婚ほどつまらないものはない」などは、大きくうなずきながら読みました。
紙の本天才と、キンピラゴボウの作り方 子どもを自然に天才にする法則
2004/08/04 13:03
子供は天才でなくってもかまわない
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画期的な子育てをされたようで、マクロビアンの中にはこういう人もいるんだ、というよい参考にはなります。
ただ、受け取る人によっては、その頑なさゆえに、「だからマクロビ、マクロビって…」と反感をかいかねないとも感じました。
強い信念も大切ですが、親の価値観を押し付けすぎるのはどうかと思うし、成長過程にある子供の欲望をあまり縛りすぎると、人格形成のうえで歪みが出るようにも思います。
育児に関しては、自分の経験だけで全てを判断してしまいがちなのが危険である、と、改めて気付きます。
また、配偶者不在で子供に全てを注ぐ、というのも、一歩間違えばあまり好ましくない結果も招きそうです。しかも著者のお子さんは全員男の子なので、「彼らの奥さんになる人はたいへんね」、などとヤボですが、思ってしまいました。
著者の小倉さんは、玄米菜食を実行させたくて給食を拒否してお弁当を持参させ続け、子供たちはそのことで中傷もされたようですが、そうせざるを得ないほど、現在の給食には疑問を持つ点が多いとは思います。そのためには、「自分の子にはお弁当を持たせる」ではなく、学校給食のあり方に、保護者たちがもっと声をあげていかなければいけない、と、少し脱線するようですが、そんなことも感じました。
また、ゲームに興じる子供たちにイライラしてゲーム機を叩き壊してしまったエピソードから、ややヒステリックでエキセントリックな人を想像してしまいました…
紙の本マクロビオティック和のレシピ からだとこころの自然をとりもどす
2004/08/04 12:25
ベジタリアンもそうでない人も
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著者の西野さんのお人柄が表れているのでしょうか、すっきりとした一冊。西野さんのライフスタイルも垣間見れます。読んだだけでも身体がきれいになっていくような気がする一冊(実際にはなりません)。料理はどれも手軽にパパッと作れそうなものが多く、働く方でもお仕事から帰ってきて作れそうなものばかりです。そして、西野さん宅では夜は麺類と決まっているとか。そのため、麺類のレシピが充実しています。いくつか作りましたが、お砂糖を使わなくてもコクがあっておいしかったです。
2004/08/27 16:36
ド・カンタンマクロビオティック
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マクロビオティックって聞いたことがあるけど…玄米は身体に良さそうだけど…と思っているような方にはぴったりのマクロビオティック入門書。陰陽の理論についてもさらっと触れています。大きくて、お料理・調味料の写真がたっぷりです。
マクロビは、なんといっても調味料が違うことが特徴的だと思います。
この本では、基本の調味料をはじめ、マクロビオティック食材のことがよくわかります。
ただ、「おうちゃくダイエット」の本だと思うと、「こんなに食材揃えられないよ〜」と壁にぶつかってしまうかもしれませんね。でも、できる範囲で参考にしてやってみるのもいいのではないでしょうか。本の中では週末マクロビなんてのも提案されています。
お料理レシピはどれも「ド・カンタン」です。
高野豆腐のピーナッツ揚げ・切干大根ドリア・玄米みそパンケーキなど、マクロビに縁のなかった人にとってはびっくりするようなメニューも!
また、一人分だけでもちゃちゃっと作れそうな、どんぶりものや混ぜご飯、おじやのレシピもたっぷり。
車麩ど〜ん丼・甘辛玉ねぎ丼なんか、すぐにでも作って食べたくなりました。
食物の陰陽表・マクロビ食材取扱店リストも掲載されていて参考になります。
紙の本運のつき
2004/08/20 18:16
う〜ん、養老先生、やっぱり難しいです
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お話しているような口調で書いてくださっています。
興味深いお話ばかりでしたが、私、よくわかりませんでした。
でも、養老先生のおっしゃる通り、「養老孟司の話は難しくてわかりにくいものだ」と「丸めちゃダメ」なんでしょうね。
「日本人は生きていない」んですって。ここには私のバカの壁があるようです。わかりにくいです。
思想や心理は個人の物、という考えは西欧の十九世紀の産物で、じつは個人の思想と社会の思想は、はっきり区別できない…んだそうです。私は以前、お寺のお坊さんに対して、朝から晩まで読経マシーン、テープでもいいじゃないか、生産性がない、などと思ってしまったことがありました。「純粋行為」が「わからなくなった」現代人なんですね。
「考えている私」は諸行無常で、「自分の思いだけは、自分で動かせるはずですから」ね。「養老孟司以後」の私の考えも変わっていくことでしょう。「バカの壁」以後の世間の思想も変わるのかしら…?
紙の本蹴りたい背中
2004/10/09 11:39
淡々としていますが、楽しめました
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冒頭に描かれる、高校に入学後一ヵ月のクラス内の模様を読んで、「まいったな」と思って、読み進めることになりました。
グループで群れて無理に人に合わせることもできないくせに、一人では過ごせないで手持ち無沙汰になってしまう主人公。クラスを冷ややかに見ているけれど、憎めないヤツでした。
作者の、人間を見る目の鋭さを強く感じました。
物事を何かにたとえて表現しているところがたくさんありますが、緻密すぎるとでもいいましょうか、その精緻さが鼻につきそうになったりもしましたが、やはり、綿谷氏の才女ぶりには脱帽せざるをえません。
今後、世界を広げて、どんな作品が出てくるのか楽しみです。
ちなみに、関西弁で書かれてはいませんでした〜。
2004/08/02 10:59
アーネストは私のパパ友
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現在、愛しい我が子を慈しんで育てている自分と、図々しくもダブらせてしまいました。同じように些細なことがらを育児日記に残してみたり、周りの人からそっとしておいて欲しいような、でも、みんなにお披露目したいような気持ちや…
読後は、我が子を思いっきり抱きしめたくなります。
ただ一つだけ…私はネズミが嫌いなんだけど…セレスティーヌはクマの赤ちゃんじゃないの? ネズミなの?
紙の本マクロビオティックはじめてレシピ かんたん、おいしい! 毎日食べたい!
2004/08/04 11:07
私はおかずで悩まない
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私のようなマクロビオティック初心者にうってつけの一冊。大根・にんじん・かぼちゃ・ごぼうなど身近な材料を使ったものばかりなので、毎日のおかず作りにとっても重宝します。サラダのドレッシングや和え衣もおいしい。作り方も簡単。たくさん作りました。家族にも好評でした。堅苦しいイメージがあったマクロビですが、あれはダメ、これはダメ、といった決まりごとや、陰陽についての理論などには触れず、どなたにも馴染みやすい内容になっています。写真もきれい。
紙の本ニート フリーターでもなく失業者でもなく Not in education,employment,or training
2004/09/08 12:52
なぜ日本は若者をこれだけ犠牲にするのか?
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「責めるべきは個人ではなく社会もしくは経済のシステムそのもの」「若者の多くにとって働くチャンスはもうフリーターしかない。この社会の現実にこそ目を向けるべきだ」と玄田氏は言う。
玄田氏の、経済学者として、データに基づいて冷静に状況を見る目は厳しく、そして、ニートやフリーター、過酷な労働状況で働く若者全てに対する視線は実に優しい。
「夢を実現する人は、ごく一握りの人間で、自分のやりたいことなんて、本当は誰にもわからない。大人は、やりたいことをみつけなさい、自己実現をめざして頑張りなさいと、言いすぎだ。やりたいことがあるのは、幸せなことかもしれないけれど、やりたいことがないからといって、それはけっして不幸なことではないのだ。」
と言う点において、「13歳のハローワーク」の著者、村上龍氏とは少し意見が違うようです。(村上氏も、「やりたいことがあったほうが有利だよ。ないとダメなわけではないよ」と言われていますが)
「13歳のハローワーク」を苦々しい気持ちで読んだ人には響いてくる内容です。
ニートは「働く意欲のない」若者ではなく、「働くことに希望のもてない」若者のことだということがよくわかりました。
ニートになるかならないかは紙一重だということも。
けれども、一人ひとり状況は違うので、わかったような気になって分類したり決め付けたりはできないところに、ニート問題の難しさもあると思います。原因も、個人個人の生育環境や家族関係にまで根を張っている場合もあるようです。
問題が複雑であるがゆえに、解決策が何かなんてわかりません。
けれども、14歳での就業体験がもたらすことは、そこでやりたい仕事をみつけたりするというような単純なことではなく、自分の持っていた希望や夢がいかに表面的な印象や理解であったかを知ることのほうが、ずっと意味があり、こんな自分でも、とにかく挨拶をしていれば社会に受け入れられるんだという実感を根付かせることができるかもしれないという点において非常に有効なんだということを感じました。
ニートのかたも、働いているかたも、第6章だけでも読んでみてください!
玄田氏の熱いメッセージが凝縮されています。
2004/08/09 11:00
フリーターもパラサイトシングルも中高年が若者から仕事を奪っている結果
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
超氷河期と言われた時代に就職活動をして、希望とは違う会社にようやく採用されたものの、その後、転職もフリーターもニートも経験した自分にとっては、「あなたが悪いわけではないんですよ」と言ってくれたようで、とても気が楽になりました。
「ずっと頑張っているのにどうして自分はこうダメ人間なんだ」と自信をなくしているので、私のような者には「頑張るな」というメッセージは、その意味がよく届いてきました。
ただ、「社会のシステムが悪い」と言っていても幸せにはなれない、ということにもしっかり目を向けさせられます。
著者が言うように「頑張る」と言ったり考えたりすることをやめてみようとすると途端に難しくなります。「〜をする」「〜をしよう」と具体的なことを考えなくてはいけなくなるので。
働くことについてのぼんやりとした不安感を、安易に「頑張る」という言葉を使って隠そうとしていた自分に気付きました。
現在の厳しい若年者の雇用状況や労働環境をなんとか打開させようという、著者の熱い気持ちもよく伝わる好著だと思います。
紙の本てのひらに毛がはえるとき
2004/08/27 12:30
ウィットに富んでいる!
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児童文学のようですが、成人が読んでもかなり楽しめました。
学校が舞台になった短い作品が2作集録されています。
特に2作目の方は、イギリスの中学でしょうか? 学校の雰囲気や様子を知らないので、貧しい想像力で読み進めるしかないのが悲しかったですが、それでも最後は「はっはっは」と笑っちゃいました。
表現がとてもキツくて、でもそれが面白くて。
今の日本の教育現場でそれを言ったら問題でしょう、というくらいの言葉が先生の口からどんどん出てきます。
「きみのように鈍いからさ」
汚い字を見て「ひょっとして、足で書いたとか?」
それくらいならまだましで、
「腕をひっこぬいて、血のしたたるつけ根の方でぶんなぐるからな」
なんてことを生徒に言っちゃったりするんです。
もちろん生徒たちも負けてはいませんが、それでも、クラスメイトのやった悪事が先生にバレたとしても、きっと誰も犯人をバラすことはしないだろう、という仲間意識に、爽やかなものを感じました。
さあ、主人公が「腹に一発くらって氷水にしずめられ、かるくゆでられたうえに乾燥機でグルグルまわされたような気分」になるのはどんな時だったでしょうか…?
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