ぱせりんさんのレビュー一覧
投稿者:ぱせりん
アンの愛情
2009/02/18 09:18
グッジョブな邦題
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
原題は「Anne of the Island~島のアン」ですが、邦題は「アンの愛情」です。
島で生活をするアンというだけではなく、アンやその周辺をめぐるさまざまな愛情について書かれていますので、邦題グッジョブ!です。
気のあう仲間たちとのステキな家での共同生活。
勉強をしたりケーキを作ったりステキなドレスに刺繍をしたり、昔あこがれた学生生活がここにあります。
そして、すっかり大人になっていろんな人たちに愛情を捧げられる存在になったアンのロマンス。ひどく現実的だったり滑稽だったりしますが、ラストはきちんとロマンチックに締めくくりますのでご安心を。
大人になっていくということは、別れを経験していくということでもあると思うのですが、アンにもさまざまな別れがあります。
ダイアナとの娘時代の別れ、ルビーとの永遠の別れ。
時は過ぎ行くという誰にとっても平等な真理がきちんと描かれています。
ですが、実はこの巻の裏の主役はフィリパです。
美人でお金持ちで頭が良くて崇拝者をたくさんもっているフィリパが真実の愛に出会うかわいらしさをご堪能ください。
今でいうところのツンデレ風味なのが新しいです。
アンの青春
2009/02/06 11:30
ロマンスとリアルの融合
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ちょっぴり大人になったアン。
アボンリーの学校の教師として高い理想に向かってがんばります。
新しい隣人のハリソンさんが良い味を出しています。
女性の視点だけだとどうしても甘くなってしまうのですが、現実的で辛口のハリソンさんがピリッと引き締めてくれます。
改善協会での働きなど、自分の会社での動きと重なってやる気が出てきました。
だれだって居心地の良い社会の住人になりたいと思いますが、そのための努力は誰かを待つのではなく自分が率先してやらないといけないのだと思います。
スイッチポンで火がつき蛇口をひねればお湯が出て、保存するものも地下室に行くことになく冷蔵庫に入れれば良い現代の自分からすると驚くほど「生活」に手間がかかるアンの世界ですが、楽しそうに手を尽くすアンを見ると私ももうちょっと手を掛けねばと思います。
とりあえず、漬物を漬けてみました。(笑)
こだま荘のミス・ラベンダーの恋物語は大人になって読んでもやっぱりすこぶるロマンチックでしたよ。
球場ラヴァーズ 4
2012/02/07 17:47
私を野球につれてって
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
言わずと知れた、「野球」を応援する漫画です。
カープ愛にあふれてはおりますが、野球すべてを愛する人たちに向けたものですね。
この巻では、東日本大震災が起きました。
もう起きる前には戻れない。
あるがままでちっぽけな私たちは何ができるのか。
そして野球は?
答えは、別に特別なことは何もない。
ただ、ご飯をしっかり食べて、大声をあげて、ジタバタ足掻きながらも、やみくもに頑張りたくなります。
私は基町姐さんの日常が好きです。
冷却ジェルシートを貼って、頭痛薬を飲みながら、仕事を頑張って、ヘトヘトで、でも応援席に行ったら応援する!
まるで条件反射のごとく、元気になってしまう。
選手を応援して、自分も元気をチャージする。
誰かを応援すると、自分が元気になってしまう。
そんな健全さを思い出させてくれます。
登場人物のひたむきさに泣ける。
野球は素晴らしい。
そして人は素晴らしいと思う。
青春しょんぼりクラブ 2
2012/01/24 09:36
絵も話もかわいい!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
好きになった人がことごとく自分の目の前で彼女を作ってしまうという超あて馬体質のにまちゃん。
そんな彼女がひょんなことから、不思議な部活に巻き込まれ・・・といったお話。
これが。
かわいいんですよ。
いちいち。
しょんぼりだけど、かわいい。
それはみんな一生懸命でけなげだから。
お話の中では「しょんぼりクラブ」という名称は出てきません。
読んでる人が、ああしょんぼりな活動だなあ、としみじみ思う仕掛け。
でも大人になって振り返るに、青春て意外としょんぼりなものだったのかも。
2巻はアニメ成分がやや多め。
でも、とてもさわやかにそれでいて深く扱っているので、嫌な感じはありません。
わかってらっしゃる、という感じ。
この感覚、意外と難しいので作者はなかなかのバランス感覚の持ち主です。
個人的に簸川くんの「アニメは卒業とかそういうものではない」云々のセリフがとても腑に落ちました。
そうだよね、「卒業」ってなによ。
本当に好きなものは、そういうものじゃないよね。
(とても気にいったセリフなので、あえてここでは書きません)
神のみぞ知るセカイ 3 (少年サンデーコミックス)
2009/02/06 08:44
ルールがわかり始めた神のセカイ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
3巻は今まで一番面白かったです。
どうして面白くなったと思ったのか、考えてみました。
桂馬のキャラクターがちょっと立ってきたから。
それと、地獄とか悪魔の背景が見えてきたから。
やっぱりルールのわからない世界では読む側も遊べませんからねえ。
PFPの設定やらバグゲームに対する桂馬のこだわりっぷりやらで、桂馬の神度がよくわかったというか。
桂馬が成績が良くて頭がいいというのは、まあちょこちょこ出てきていましたが、やっぱり落し神としての桂馬のスペック・・・単純にすごさ、がわかると読むほうも楽しいです。
娯楽として。
あと、きちんとしていたらかわいらしい顔をしているという設定も今回追加されましたね。
これでさらに、桂馬があの莫大なゲーム代をどこから捻出しているのか出てくればいいのですが。
エルシィの同僚も出てきて悪魔の世界も広がってきたし、今後が楽しみです。
現役ケアマネが教える最新介護保険利用のしかた
2009/06/04 08:59
どこまでもわかりにくい制度
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
現役社労士として、法律書を引くことももちろんありますが、この手の一般の方向けの実用書もよく参考にさせていただきます。
この本に関しては、仕事としてというよりは身内が介護保険の必要を感じたので読んでみたのですが、わかりにくい!
一応社会保険の専門家である私が読んでもわかりにくいのに、これ一般の方が読んでなるほど!とか思えちゃうの?というのがまず第一の感想でした。
だって、普通の人って健康保険も介護保険も同じだとくらいにしか思っていないよ?
しかも、「保険証」といったら他の保険証の存在を考えるまでもなく(介護保険被保険者証、雇用保険被保険者証なんてのもあります)健康保険証だと思ってるくらいだよ?
知識の伝授としては申し分ありません。
介護保険の制度全体を俯瞰して把握したい方にはオススメです。
試験の対策本としても過不足なくまとまっていて良い本だと思います。
ですが、実際に介護保険が必要になって読んでみた人にはたいそうわかりにくいのではないのでしょうか。
というのも、「こういう場合はこうしなさい」ということが書いていないから。
そもそもこの手の本を読む人は具体的に困っていることがあってその解決法を求めているのだから。
こういう制度があります、こういう制度もありますといった羅列よりも、こういう事例にはこの制度を使いましょうといった知識と要求のマッチングこそが必要だろうというのにそういった本はなかなかないのだなあと改めて思いました。
バクマン。 2 (ジャンプ・コミックス)
2009/03/09 09:41
どうしよう、面白くない・・・
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
1巻までは面白かったのです。
でも、2巻は・・・どうしよう、面白くない・・・。
1巻でも散々指摘されていたところですが、主人公二人の恵まれすぎな環境があまりにも現実から乖離しすぎて共感しづらいのです。
成績が下がったといっても、学年1位から3位へのダウンでほとんど変わらない。
志望校を変えることについても教師や親からなんの反発もなし。
編集部もすぐにアポがとれ、冷暖房完備で資料も道具も潤沢にある仕事場もすでに持っている。
二人の行く手にはどこにも障害がありません。
創作に行き詰まり、表現するということに悩むことすらないのです。
マンガといえでもやはり表現手段なのだから、「物語をつむぎたい」「絵を描きたい」「表現したい」という気持ちをもっと前面に出して欲しい。
漫画家になりたい動機が「有名になりたい」「お金持ちになりたい」だけだと寂しすぎるのです。
連載3回分ネーム原稿自発没など、手塚治虫のペン入れ原稿1000ページ没に比べるとぬるすぎる。
いまどき、根性物ははやらないのかもしれませんが、そこはやっぱり努力して、でもダメで挫折しかけてそれでも「やりたい!」という熱意に浮かされのた打ち回り泥臭く活動した末の獲得という過程を見たい。
そういう気持ちは古臭いのでしょうか。
俺様ティーチャー 4 (花とゆめCOMICS)
2009/02/24 14:05
夏男、ふたたび
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
表紙は新キャラ?と思っていたら夏男だったのですね。
真冬の苦心の男装キャラクター夏男。
この巻はほとんど出ずっぱりです。
恋愛モードにも持っていきたいのかもしれませんが、行き当たりばったりなのか、どうしても浮いてしまっています。
では、面白くないのかというと、その場その場のドタバタ物としてはきちっと面白いのです。
ケンカが強いという設定の真冬なのですが、おバカ設定で本能で戦っているっぽかったのに、きちんと相手の能力を分析していたり、受身やいなすことについて早坂君に説明できるあたりが違和感があります。
また真冬のモノローグで展開する場面が多く、作者がおそらく頭が良いのだろうなあと思います。
真冬の子分で自称「舞苑(マゾ)の世界に誘う人」舞苑誘人(まいぞのゆうと)がなかなかのMっぷりで笑えました。
ちょっとした萌えもあります。