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蒼空猫さんのレビュー一覧

投稿者:蒼空猫

63 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本しろねこしろちゃん

2010/04/02 00:20

くろくなりたいの・・・

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

MAYAMAXXさんは絵画、絵本、商品デザイン、テレビ出演など、ジャンルを超えた多彩な活躍しているアーティストです。
そのダイナミックでありながら、おおきく包みこんでくれるような画にココロにじんわり届く文がとても魅力的なのです。

まっくろのお母さん猫から産まれた四匹の子猫。
三匹のお兄さん猫たちはみんな黒いのに、一匹だけ白い毛のしろちゃんは 自分だけ白いのが納得できなくて、どろんこになったり 炭に体をこすりつけたり それはそれは一生懸命「黒く」しようとするのです。
けれど、おかあさんはそんなしろちゃんをすぐに舐めて綺麗にしてしまうのです。
それは「あなたはあなたでいいのよ。そのままでいいのよ。」と、おかあさんからのメッセージでしょう。

自分だけが「違う」という不安、淋しさ・・・
「同じ」でありたいという願い・・・
程度はあれど、そのような想いを抱えることがあるものです。
ある日、おとうさんが帰ってくることをしらされた しろちゃんは自分が白いのが恥ずかしくて 家を抜け出します。
その途中で出会ったのは 大きい 大きい まっしろな猫だったのです。それは しろちゃんが初めて出会った自分以外の「白」
その白い猫は実は・・・

最後の絵は大喜びのしろちゃんの笑顔。

親と似るって ちょっと恥ずかしくて、ちょっと嬉しい。
ちょっと困ることもある。
でも、本当はしろちゃんの色もしろちゃんだけの色。
じぶんだけのいろ。
おにいさんたちの黒だってきっとみんな同じ黒じゃないはず
じぶんのいろにはちゃんと意味があるのです。
しろちゃんはこれから、自分が白くあることに自信をもっていきるでしょう。

小さな子どもが「同じ」であったり「違う」ことに疑問を持ち出したとき、本書を読んであげるといいかもしれませんね。


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紙の本うんこ!

2010/06/22 23:15

ふんふんふ~ん♪

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

こどもって、特に小さな男のこは「うんこ」や「おなら」など下品な言葉が大好きである。
この本はずばり うんこが主人公であり、目も口もなんと手足まである。
そのうえ、うんこにまつわるダジャレ絵本とくれば子供が興味を示すのももっとも・・・密かに大人気の一冊らしい。
我が家の息子も発見するなりおねだり攻撃・・ようやく手にして読んでは「ふんふんふ~ん♪」と鼻歌を歌っている(笑)

作者のサトシンさんは三児のパパであり、こどものツボを見事にゲットしているとしか言いようがない。
CD絵本や、おてて絵本、みんなの歌でも活躍されている。

わんこからひねり出されたうんこは いろんな動物に臭いをかがれては、鼻の穴広げ涙流され「くっさーい!!」と逃げられる。
そして「くっそ-!」とくやしがる。
ぶっ・・吹いた。
息子はゲラゲラ大喜び。

うんこらっしょっと、鼻歌を歌いながら仲間を探す旅に出たうんこは、お百姓さんにくどかれ畑の肥やしになることに。
最後の土にまじったうんこはとても晴れ晴れとした顔でまた鼻歌を歌うのである。

いまのこどもの感覚的にいうならお百姓さんはよくピンとこないかもしれないし、畑も周りにあることがないかもしれない。
でも、たしかに肥やしはいい肥料であり 野菜たちはこうしてつくられてきたこと。
本来 大地の食料の恵みを得て、人間やいくつもの動物の体内を廻り、また土へかえるものなのである。
うんこをするということは共存し生きている 証でもあるのではないか。

たかがうんこ。されどうんこ。

大人でもついわらってしまう、読み聞かせが盛り上がる本である。




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紙の本ふうせんねこ

2010/03/17 00:34

ぷううううううううううううううう

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

小さい子をお持ちの方で知らない人はいないでしょう。
せなけいこさんは 日本を代表とする絵本作家であり、現在も多くの本が書店に並んでいます。
せなさんの画の特徴はなんといっても ちぎりえ風の画。
ねこさんが 怒って だんだん赤くぷーっと膨れる様子から、雲の透き通る感じまでよくあらわされていますよね。

さて、おねこさんが膨れる理由は、三歳頃の子どもによくありそうなことばかり・・・
片づけが嫌だったり、ごはんよりお菓子が食べたいと駄々こねたり・・・
あんまり 膨れて風船みたいになったねこさんは、どこかへぷーっと飛んでいってしまいます。

あらあらあら・・

ぷーぷー膨らむおねこさんを、ぽんぽんリズムよく読んでいけます。読み聞かせのさいには顔も膨らませていくとおもしろいです。きゃっきゃっはじめは笑ってましたが 身に覚えがある息子は、ラストに衝撃をうけた顔を!
しばらくは「ぷーっと飛んでくよ!」のおどし文句がつかえるかも。

なんとも短い話ながら こどもをひき付けるテクニックはさすがです。ふうせんねこが、どこへいってどうなったのかも気になりますね。



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紙の本うんこ

2010/04/06 23:46

元気なう-んこ!!

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

みやにし たつやさんは、多くの面白い本を出版されていますが、人気のティラノザウルスシリーズを手にする前に買っていたのがこちらの本でした。

いろんな形や大きさのうんこがのっています(笑)

金魚のうんこは細くてながーいゆらゆらうんこ。
からすのうんこはおしっこといっしょ べちゃべちゃうんこ。
やぎさんのうんこはまんまるうんこ。
象さんのうんこはもっこり大きなうんこ!!

うんこは綺麗なモノではございませんが、食べ物や体調をあらわす大事なものであったりします。
そして、小さい子どもは自分のからだからでてくるものに興味を示したり不思議に思うものです。
どうして、食べたものがうんちになるのか。
どうして、いろんなうんちがあるのか。
こどもがわかりやすいイラストに、ゆらゆら ころころ等こどもが好む擬態語を使い 印象に残りやすい文になっています。
体の仕組みを教えるステップのような絵本だと思います。

もちろん最後は元気なうんことはどういうものなのか、の説明もつけくわえたいところです。

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あなたとボクと くらべっこっ☆

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本好きな我が家では イベントの贈り物には必ず絵本を添えてと決めている。
おもちゃは飽きたり激しく壊れることがあっても、絵本は 読んだ記憶が必ず残るし 絵本を通じていろんな世界をしってほしいと思うからである。
そんなわけで本書は二歳の息子の誕生日に探しまくってプレゼントした絵本である。年齢を理解し始めた子にとって、自分の年齢と本の主人公も同じ年齢だというのは ちょっと不思議で嬉しいことらしい。

ストーリーは簡単で、2とかかれた赤い冠を被ったちいさな白い魚が 自分の誕生日にエビやヒトデなんかをパーテイに呼ぶのである。

本書を選んだ決め手は ちょうど二歳頃に興味を示す「比べる」要素が盛り込まれていたからである。
曲がったエビと真っ直ぐなエビ、太ったタコとやせたタコ・・・といった具合である。
赤いウニに紫のタコなど、鮮やかな配色も 黒い海によく映えており、よくよくみると 模様や素材にも違ったこだわりがみえるのがいい。

どんなカタチをしていても 白い魚にはみーんな友達で みーんなに来てもらいたい。
二歳のこどもにとっても 大好きなひとたちとみんなで祝う誕生日は特別な日だ。

二歳のお子さんをお持ちの方には 是非、くらべっこしながら楽しく読み聞かせしてほしいと思う。

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紙の本ゆきがふるよ ねこがいるよ

2010/02/14 23:36

きっと いるよ。きっと あえるよ。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

真ん丸い黄色い目をしたクロネコの、雪の夜。

クロネコは、みんなが寝てしまった雪の夜でも、さむくて動けなくなったり、滑ったり、ケンカしたり・・・雪の夜を満喫しているようだ。なんだか日常的にありそうな様子が描かれている。

終わりに「よ」がつく文章もリズミカルで心地よく、なんだか楽しい気にもさせる。猫が鳴くところで「な」を猫の口にしてみたり、滑っているところで文章を斜めにしたりと文章とイラストが一体感があるのも見所ではないだろうか。

ある日の息が白くなるような寒い冬の日のよる。こどもが「ねこさんみたいだねえ」と笑う。
ああ、クロネコの怪獣のまねかと気づく。二人で「がおー」といって思わず笑い、なんだかほっこりとした気分になる。
クロネコもこんな気持ちだったのだろうか。
 
「静」のなかの「動」はちょっぴりセンチで、どこか秘密めいていて楽しい。

そんな夜にクロネコが主人公なのは なんだかぴったりな気がした。



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紙の本やきもちやきのねこ

2010/03/29 00:10

ねこがねこであるために。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

俣野温子さんは猫の雑貨や本を数多く手がけています。
本書の主人公ももちろん 猫。
それも 目や鼻やひげや・・・とにかく自分のすべてがきらいな猫なのです。
だから、ごちそうやベッド 素敵な家をもっているねずみや人間・・・自分のもっていない まわりの全てに対してやきもちをやいたのです。

ある日、であったおばさんに「なんてかわいいの!!!」と言われ、ごちそうもふかふかのベッドも手にいれます。
荒んでいたきついねこの瞳が、にんまり。
それでも「どうしてもいかなくちゃならない・・・」とおばさんのうちを出るのです。

なんにももってなかった。
と冒頭につぶやくねこですが、
ねこには誇り高き愛すべき 猫自身があったのです。

おばさんに大事にされて ねこは初めて気づいたのでしょう。
自分が本当に求めていたのは ごちそうやベッドではないこと。
自分も 大事にされる値のあること。
誰かに愛された記憶がなければ、誰もが自分に自信をもったり、自分を好きになれないのではないのでしょうか。

きっと、ねこがやきもちをやいたのは不安で寂しいからでしょう。
なにもない、とおもう自分が。
自分が嫌いなとき、世界は攻撃的で 楽しいことなどなにもないように感じることがあるものです。
でも もうだいじょうぶ。
ねこは「ねこ」であることを選んだのですからね。

ねこの人生に幸あれ!!

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紙の本ママのたからもの

2010/03/21 22:20

全部あわせて なあに??

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

主婦の友 初めてブックシリーズで、18ヶ月頃から三歳まで楽しめる絵本となっています。

本書は息子がハイハイを覚え、我が家の大量の本を片っ端からひっぱりだしてきた頃、読み聞かせに購入したものです。
あかちゃんのワイルドな扱いにも耐えられるような厚地で、角も丸く安全性にも配慮されています。

笑顔がひとつ 
おめめがふたつ
バナナがみっつ
おむつがよっつ
おもちゃがいつつ・・・

というように、朝おきて外に散歩に出かける過程のなかで あかちゃんの身の回りにあるものが 1から10の数であらわされます。

ここのつのイチゴを食べて べたべたになった とおの指
その指をふくママに「ぜんぶ あわせて なあに?」とたずねます。
ママのこたえはもちろん・・・・!

終始やさしい眼差しをこどもに向けているママ
あかちゃんの すべてをいつくしむように 少しもこぼれないように一瞬のキラキラをすくいあげるかのような微笑み
こどもが最後に問うた問いは、親と子の間で何度でも何年でも繰り返したい 愛しい問いなのです。



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紙の本ごろんごろん

2010/03/02 23:33

でんぐりがえし できるかな?

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書の作者は世界各地での取材にもとづく、多くの科学絵本を発表している。
また 本書を含めた「はじめてのぼうけん」シリーズは言葉と動作の単純な繰り返しと、愛嬌の感じるイラストで小さな子でもわかりやすい 楽しい絵本である。

かえるや犬や だんごむし・・・いろんな動物たちがごろんごろんする。その繰り返しながら実は 転がり方はちょびっとずつ違うのである。
わにのでんぐり返しはみたことないし 多分しないのだろうけども、そんなの 子どもにとってはどうでもいいのである。
わにが転がって目をまわしてるのを見れば ただ面白いのである。

ごろんと一回転を綺麗にするのは案外難しい。ちょっぴり勇気も必要だ。初めてのでんぐり返しはドキドキである。
しかし ひとたび行えば ごろんごろんの魅力にとりつかれた様に何度もこの本のように転がる・・・。
二歳の時にでんぐり返しを覚えた息子も大好きで、何度も転がりはうひゃうひゃ喜ぶ。そんな頃に買った一冊だった。

「転がる」ただこれだけの行為がおもしろいのは その瞬間 同じであって同じでない 違う世界を体感できるからであろう。
自分がひっくり返ったのではなく、まわりがそっくりそのままひっくり返ったかの錯覚のように。
ただごろんごろんと転がるだけで、目に入るものが全く違うのである。
まさに体こそ 一番の身近な遊び道具であり、いろんなことを学ばさせてくれるのだと気づくのである。

それは大人にとっては当たり前でも、子どもにとっては大きな意味をもつのではなかろうか。
最後に本書で転がるのは あかちゃんである。
ほんとうのはじめてのごろん それは初めての寝返りから始まる。あかちゃんが 自分がいるところを感じる 大きな 大きな一歩である。

この本を読んで ごろんごろんと子どもの世界に還ってみれば、きっと 違う景色が視えるのではと思う。

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紙の本もち・ぽち

2010/02/15 00:36

ふたりのおかしな生活?

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書はイラストレーター小林裕美子さんのホームページから人気になり単行本化された、楽天家の猫のもちと几帳面な犬のぽちが生活する様子を描いたほのぼので少しビターな三コマ漫画である。

真逆な2人の生活をぬきだすとこんな感じである。

《車》ぽちにとって車は ロマンであり ファッションあり   
   友である。
   もちにとって車は移動手段であり 持てば手のかかるもの
   であり 機械である。
《徒歩○分》駅から徒歩十分のところは ぽちにとって走って 
      五分になり もちにとっは 迷って 20分になる
《本》本を買って共感したところに線を引いてみた
   2人の線の箇所は全く違っているけれど
   2人にとっては大切な本だ  

もちの部分もぽちの部分も、まわりを見渡すとありえそうなひとがいる。私はもちだったがあなたはどちら派だろうか?帯に簡単なもちぽちチエック表があったので載せてみる。

Q1…買い物をする時は迷わない方だ。
Q2…マトリョーショカは、当然広げて飾る。
Q3…梅雨は意外と好き。
Q4…モノをなくした時は、まず人を疑う。
Q5…食事中にだまっていられない。
Q6…電車は混んでる急行より、座れる鈍行を選ぶ。
Q7…どちらかというと便秘気味。
Q8…人生は長いと思う。

さて、結果は・・・ご自身でよんでご確認いただきたいと思う。
巻末に もちぽちハンバーグの作り方ものっており、三コマ漫画ながら 反省しかり自分を振り返ることもできた本書であった。

性格も好きなものも行動もまったく違う2人なのに、だからこそ
「ふたり」でいないとものたりなくて、相手を知りたくて「違う」からこそ相手の存在が大きくて、「ふたりでいること」が楽しいのではないだろうか。

お互いの違う部分を認めあい、言い合いしながらもありのままを受け入れることができる2人は、いい関係だなあと羨ましい。

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紙の本がちゃがちゃどんどん

2010/02/02 23:45

イメージ遊びをしてみよう

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

「がちゃがちゃどん」と聞いてあなたが思い浮かべるイメージはどんなものだろうか?私達は常に「音」にかこまれている。けれど、音を言葉としてイメージとしてすぐに現すことはたやすいことではない。
 この絵本はそんな身近にある音と、そのイメージを見事に表現されている絵本である。初版は1990年四月、そして2009年八月まで実に第40刷も発行されて長く子ども達から愛されている絵本である。

はっきりとした配色に、余計なものがない線や絵。そして、わかりやすいオノマトペ(擬態語)
「がちゃん」「ぽーん」「とぽん」・・・子ども達にとってはリズム遊びのように口ずさみ、指でまねをする。
子どもといろんな音やイメージを探すのはワクワクする遊びのひとつであるが、三歳の息子のこの絵本イメージは「ぱちん」が黄色いぞうさん、「ぷすん」が怒ったおとうさんだとわかり思わず笑った。

音は同じであっても子ども達の感じる世界はページを開くたびにかわる。好きな言葉もこどもによってちがうだろう。感じ方を左右されない自由な本書は、子どもならず、おとなもカチカチの頭を少しぐにゃぐにゃにしてみることが出来たなら、きっと充分に楽しい絵本となるだろう。




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紙の本ちいさなたからもの

2010/01/25 18:37

ありがとう。がいっぱい。

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は人気絵本作家アンドレ・ダーハンと直木賞作家の角田光代の絵本である。
私にとっては、今は亡き、大好きだったおかあさんが贈ってくれたなかの大切な一冊である。

太陽のおとうさんと、月のおかあさん、その光り輝くあかちゃん達。そして、ちきゅうにすむ友達のトムとの物語。
本書の絵はとても繊細な印象をあたえる。鉛筆で描かれたような細い輪郭にパステルで描かれたようなふわりとした色あい。けれど、どのシーンの絵も光で満ちている。

親にとって、あかちゃんが「ちいさな宝物」であることは言うまでもないが、私がひかれた一文は夜空を散歩にでかけた二人の会話である。
「おとうさん、いつもありがとう。あなたといっしょにいられてほんとうにうれしいわ。」「ぼくだって、きみとあかちゃんたちといっしょで、まいにちがほんとうにたのしいよ。」
ああ、こんな会話が日常でされることがあるだろうか?
想ってはいても、ことばにはなかなか伝えられない。ふたりの時間をとったり、パートナーに感謝を伝えること。
親がこどもに充分な偏りない愛を与えるには、パートナーの優しさも不可欠である。
そして、友達のトムとの会話も素敵だ。
「ぼくんちがこんなにあったかくてまぶしいくらいあかるかったことは いままでなかったよ」「またきてね いつでもきてね」


この本には、いろんなだいすきとありがとうが満ちている。
子どもに対して、親に対して、パートナーに対して、友達に対して…。すべての関係が「たからもの」なのである。

この本を読んだら、もっと相手にだいすきとありがとうを伝えられるかもしれない。





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紙の本ママ、どこにいるの?

2011/01/30 02:48

ママをさがして・・・

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2010年の10月に第1刷発行された絵本となります。いけずみさんの作品の代表は「かばのもっこり」シリーズなど、動物のお話が中心です。
今回の絵本では、お昼寝からさめたコグマがママを探しにいくのですが、この絵本が楽しいのはママを探すいばらの道やお花畑が迷路になっているのです!ページ4枚分のワイドな迷路もついています。

迷路が大好きな4才の息子はこれに大喜び!

コグマはママに似たシッポや背中をみつけては、期待して迷路道をたどっていくのですが、みーんな違う動物でママではありません。
そして、日も暮れ疲れてしょんぼりとしたコグマは元の昼寝をしていた木の元にいつのまにか戻ってしまいます。
でもそこで見つけたのは・・・?

大切なもの(ひと)はすぐそばに在る。ということでしょうか。
でも 実は二回目に読むと、最初のページにちゃんとママのヒントがあることに気づきますよ。

この絵本にはいろんな動物やいろんなお店が出てきますので、迷路をコグマと辿りながら、じっくり本を眺めて何をしているのか子どもと話すのも楽しいかもしれません。


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紙の本かわいいてんとうむし

2010/03/18 23:55

天道虫(テントウムシ)=太陽に向かって飛んで行く虫(和名)

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

本書は、表紙から色とりどりの小さな 立体的テントウムシが顔をだしている穴あき仕掛け絵本です。

十匹のテントウムシが、昼寝をしたりびっくりしていると 蝶や青虫、亀なんかがやってきて・・あれれ??
そのたびになぜか一匹ずつテントウムシが消えてしまうのです。
「ええっ?!まさか・・・」
という、ちょっぴり不安な気持ちを抱きつつも読み進めるなか テントウムシはまた一匹・・・また一匹・・・といなくなり、とうとうひとりぼっちに・・・
けれど、最後はみんなにっこりで終わるのです。ほっ。

パステル調でメルヘンちっくなお花や昆虫たちが 春の華やかさを想い出させてくれます。
こどもは「触って」「見て」「聴いて」と三段階で数字を認識することができますので、よりインプットしやすいかと思います。10.9.8.7.6.・・・と大きく数字が書かれているのも 見やすく、この本を開くたび テントウムシを指差し数えてた息子はすぐに 逆からの数え方も理解しました。

小さなこどもにとって「体験」しながら「楽しく」覚えることはかかせませんし、自分が知っている数字や字が出ているだけで嬉しそうにするものです。
数字に興味をもちだした子にお勧めしたいですね。

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紙の本あかちゃんとわたし

2010/02/12 23:54

みんなみんな あかちゃんだった。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

手のひらにのるような ちっちゃな ちっちゃな絵本。
日記のようなつぶやきのような文章。
線だけの簡単なイラストのなかにある豊かな表情。
この本には あかちゃんが生まれたときの最初の純粋な愛や喜びやうれしさが綴られている。

あかちゃんがする小さな仕草ひとつひとつが愛しかったあのころ。小さくて小さくてこわごわ抱いて、くすぐったいような気持ちでおっぱいをあげていたあのころ。泣き止んでくれなくて途方にくれ、ようやく逢えた嬉しさにふいに涙が溢れたあのころ。

あかちゃんが「いる」ことは何よりも強さを与えてくれた。あかちゃんが「いる」輝石(きせき)に感謝した。
あかちゃんと多くの「はじめて」を共有する喜びは大きかった。

あかちゃんはほんの一年で小さな子どもになってしまった。初めてたっちしたときの喜びと、ほんの少しの寂しさはこれからもカタチを変えてであうのだろう。最後のページにこう綴られている。
「気がつくと 
さよなら おっぱい
さよなら おしめ
あかちゃんの匂いが
消えてゆく」

あかちゃんの匂い、あの甘酸っぱいミルクのような優しい匂いがしなくなってしまったのはいつからだろう。
私もあの匂いが大好きだった。もし、匂いを残すことが出来たなら・・・やんちゃになりイタズラをしてイライラしている今の私に嗅がせるのにな、と思う。もしこの本に出会ったならそっと抱っこするように読んでほしい。
きっと 初めて抱いたときの気持ちを思い出すことが出来るだろう。

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