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MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店書店員レビュー一覧

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店書店員レビューを96件掲載しています。120件目をご紹介します。

検索結果 96 件中 1 件~ 20 件を表示

書店員:「MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店」のレビュー

ジュンク堂書店
MARUZEN&ジュンク堂書店|梅田店

祖父江慎+コズフィッシュ SINCE 1990 祖父江 慎 (著)

祖父江慎+コズフィッシュ SINCE 1990

10年待った

10年前からずっと予告されていたもののいっこうに発売される気配がなく、もうすっかり諦めていた作品集がようやく発売されました。
祖父江慎の装丁には、実物を手に取っただけではわからない、さまざまな仕掛けがあります。
見るからに変な本や、逆にあまり目立たずひっそりと存在している本など、いろいろありますが、本書でそれらに隠された謎を解説されてみると、いずれの本にも実に驚くべき凝り性ぶりが発揮されていることがわかります。
電子書籍では味わえない、物体としての本だからこそ成し得る作品。
祖父江慎が装丁した本は、内容を読むだけでなく、自宅の本棚に並べ、日々背表紙を眺めながら、その成長を楽しむものなのです。
我々書店員にとって救世主のように思えます。

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店店員

書店員:「MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店」のレビュー

ジュンク堂書店
MARUZEN&ジュンク堂書店|梅田店

エンタ・ムービー本当に面白い怪奇&ミステリー 1945→2015 戦後70年の怪奇&ミステリー映画を徹底検証! 桂 千穂 (著)

エンタ・ムービー本当に面白い怪奇&ミステリー 1945→2015 戦後70年の怪奇&ミステリー映画を徹底検証!

聞いたことない映画がたくさん

表紙に「誰も知らないミステリーまで」とありますが、本当に聞いたことない映画ばかり並んでいます。
新東宝の『刺青殺人事件』(神津恭介は出てこないけど、「完全映画化」とのこと)とか、昭和22年に大映でフィルポッツ『闇からの声』を映画化していたりとか(ただしクレジットには表記がないらしい)。
自分ではミステリ映画には詳しいつもりでいましたが、本書を読んで、全くそんなことはなかったと思い知らされました。

脚本家の桂千穂と掛札昌裕とで分担して紹介文を書いています。「今でも覚えているのは……」とか「満員の映画館で見た記憶がある」とか、そんな書き方が目立ちますが、いまやフィルムすら失われた映画について、実際に映画館で見た、というコメントはそれだけで資料的価値があると認めてもよいかと思います。
もちろん、今でも見られる映画もたくさん紹介されていますので(ただし邦画限定です)、古いミステリ映画を漁りたいという方にはなによりのガイドになると思います。

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店店員

書店員:「MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店」のレビュー

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真田太平記 改版 第12巻 雲の峰 (新潮文庫)池波 正太郎 (著)

真田太平記 改版 第12巻 雲の峰(新潮文庫)

最終巻

小学生の頃にNHKでドラマを見てから、いつかは原作を読もうと思い続けて30年。「真田丸」の予習を兼ねて、ようやく読みました。
上田攻め、関ヶ原、大阪の陣と、何度もクライマックスがあって飽きずに読めましたが、実は驚いたのは最終巻。
前巻で大阪の陣も終わり、静かな幕引きにあるかと思いきや、この大長編に仕掛けられていた伏線がどんどん回収され、ページを捲る手が止まりません。結果的に、最も速いスピードで読み終えることができた巻でした。
長い小説ですが、最後まで読んだご褒美がありました。

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店店員

書店員:「MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店」のレビュー

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東映スピード・アクション浪漫アルバム 杉作 J太郎 (編著)

東映スピード・アクション浪漫アルバム

東映ファン

「新幹線大爆破」!
「暴走パニック大激突」!
「狂った野獣」!
「宇宙からのメッセージ」!
って、本書がメインで取り上げている映画を並べてみると、やっぱり「宇宙からのメッセージ」だけジャンルが違いすぎるんじゃないかと思う。
でもまあ、宇宙暴走族が出てくるからいいか。ジャンルが違うと言っても、おそらくファンはがっちりと共通しているだろうし、現にぼくもDVDは全て揃えている。

ぼくは杉作さんの文章を読むのは大好きだが、特に東映について語っているものが一番好きだ。本書はそれを心ゆくまで堪能できる。
「狂った野獣」のロケ地を発見し、走り回るさまは、読んでいる方まで興奮してしまう。
『仁義なき戦い浪漫アルバム』とまとめて、京都観光のお供にもおすすめしたい。

本書を読んでいて、月刊誌「シナリオ」の今年2月号に「新幹線大爆破」のシナリオが採録されていたと知って、慌ててバックナンバーを買ってきた。表紙での扱いが小さかったので、全く見落としていた。
読んでみると、確かにシナリオを読むだけでもすばらしい作品だ。完成した映画とはちょこちょこ違う部分があるが、杉作さんが大好きだという柔道部員はシナリオ通りだった。

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店店員

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京都ぎらい (朝日新書)井上 章一 (著)

京都ぎらい(朝日新書)

著者の精神史

井上章一の本は、どれを読んでも「いけず」だと思う。
顕著なのは、東大について。京大出身の井上章一は、ことあるごとに東大で発展した学問に異議を唱え、徹底的な再検証を行う。すると、それまで定説だったものが、みるみるうちに「学内の師弟関係」などで説明されてしまうことになる。
このパターンが痛快で、ぼくは井上章一の本を読み続けているのだが、今回の『京都ぎらい』を読んで、このような姿勢が実は「京都」に対するルサンチマンによって育てられたものだとわかった。
洛外の「嵯峨」で育った著者は、しばしば洛中の人から田舎者と侮蔑され、憎しみを募らせる。しかし、他の地方の人からは室町も西陣も嵯峨も、宇治でさえもぜんぶ同じ「京都」ということにされてしまうので、悩みを理解してもらえない。
京都への怨念が自身の精神形成にどのような影響を与えてきたかが延々綴られており、これまでの著作での意地の悪い書きぶりを「なるほど」と頷きながら振り返ることが出来る。
しかし、名古屋人のぼくから見れば、結局のところ井上章一は立派に京都人である。本書を読むと、京都人が「いけず」と言われるのは、みんな大なり小なり、同じような経験をしているからではなかろうか、という気がする。京都人のいけずと、井上章一のいけずな著作は、イコールのように見える。
というわけで、この本は井上ファンにとっては必読だが、著者の本を読んだことがない人には、真っ黒な怨念に満ちた謎のエッセイと映るだろう。

あとがきはかなり笑える。著者にはやはり、いけずな視線で東京VS関西の本をもっと書いてほしいと思う。

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店店員

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本で床は抜けるのか 西牟田 靖 (著)

本で床は抜けるのか

恐怖

実家の母から「読み終わったから」ともらいました。
一読、これは怖い本です。ホラーと言っても過言ではありません。
蔵書の敵は「保管場所と家族」というのはよく言われています。
本書はタイトル通り、保管場所問題がテーマです。賃貸アパートの床を抜いてしまったために多額の賠償をする羽目になった話など、全く笑えません。
それだけでも充分怖いのですが、最終章で急に家族の話になります。
これが強烈。
うっかり妻にこの本を読ませてしまったら「ほんまやで、ほんまやで」とずっとうなずき続けたあげく、最後には真剣に色々なことを考え始めることでしょう。
危険図書として目に触れない場所に置いておくことにしたいと思います。
あるいは、母がこの本をくれたのは、警告のためなのか?
そんなことを考えました。

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店店員

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赦す人 団鬼六伝 (新潮文庫)大崎 善生 (著)

赦す人 団鬼六伝(新潮文庫)

怪物VS怪物

団鬼六といえば、言わずと知れたSM小説の巨匠だが、ぼくたちの世代には『真剣師小池重明』の著者として認識されている。
書店店頭で派手に展開された幻冬舎文庫創刊ラインナップの中から何気なく本書を手に取り、天才棋士のとても実話とは信じられない破滅的な生き方にノックアウトされた人は、周りにたくさんいた。
「こんなとんでもない面白本を掘り出してくる幻冬舎アウトロー文庫は、片端から全部読まねば!」などという衝動に駆られたものだ。(もちろん実行していませんが)
『真剣師小池重明』を読むと、怪物のような主人公の行動ももちろん魅力だが、その怪物の全てを大きく包んでしまう著者・団鬼六の存在にも興味を抱かざるを得ない。
小池に何度も裏切られ、そのたびに腹の底からの怒りを覚えても、結局は赦してしまう。「器が大きい」という言葉では全く説明できない。団鬼六もまた怪物なのか? そんな感想を持った。

本書『赦す人』はタイトルだけで「小池重明との関係が語られているはず」と、ピンと来る。しかし、実はそれだけではない。団鬼六は生涯にわたって、凡人にはとてもまねのできない豪快さで、自分の周り全てのものを赦し続けていたのだ。
それにしても、団鬼六はやはり怪物だった。波瀾万丈の一生をなぞるだけで、小池重明にじゅうぶん匹敵する面白さ。巻を措く能わずとはこのこと。
父母を語るのっけから、国木田独歩や直木三十五が登場。その生涯は、メジャーからアングラまで錚々たる人々に彩られている。
本人はといえば、女遊びと投資と借金と夜逃げをひたすら繰り返す日々。つかの間の安息が訪れても、すぐさま自分でひっくり返してしまう。これも死ぬまで続く展開だった。

本書はほぼ全てが団鬼六本人からの聞き書きであり、事実の裏が取れていないエピソードも多いと、作中で著者は告白している。
それが、結果的に団鬼六自身が望んだ伝記=作家的想像力で装飾した物語となり、『真剣師小池重明』に匹敵するノンストップ読み物に仕上がっている。
とはいえ、著者の手腕も鮮やかで、例えば私小説と思われた晩年の短編がほぼ創作であったことを取材から見抜き、そこから団鬼六の愛憎、それをまた赦してしまう懐の深さへと話を展開していく。

ここはやはり一世を風靡したというSM小説にも手をのばすべきか?
いや、でもどうしてもその手の小説は読む気になれない。
……というような方にも普通におすすめできる一冊です。

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店店員

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新・平家物語 13 (新潮文庫)吉川 英治 (著)

新・平家物語 13(新潮文庫)

須磨区民必読

関西勤務になり、神戸の須磨区で生活を始めてから、源平合戦については一通り知っておかねば、と思っていました。
そんなところ『新・平家物語』が新潮文庫から毎月一冊のペースで出始めたので、読んでいます。
本巻は待ってました、いよいよ一ノ谷の合戦です。
「白川の谷へ下り、妙法寺を馳け、多井畑より鉄拐ケ峰をこえ、敵の一ノ谷を真下にのぞく所へ出でよ。そして、そこの絶壁より平家の真っただ中へと馳け下ろせ。」
というのが、逆落としを命じる義経のセリフですが、おお、地元の地名がずらりと並んでいるではありませんか。
と言っても、本当に源平合戦のころからの地名なのかどうかよく知りませんが、少なくとも吉川英治がこの物語を書いたのはニュータウン開発前なので、地形が激変しているはずのこの界隈も、案外むかしの面影が残っているものです。

MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店店員

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都筑道夫ドラマ・ランド 完全版 上 映画篇 都筑 道夫 (著)

都筑道夫ドラマ・ランド 完全版 上 映画篇

衝撃

学生の頃、東京へ旅行ついでに中野の古本屋へ立ち寄った。
何を探すというわけでもなく棚を眺めていると、日活映画「俺にさわると危ないぜ」の台本が目に入った。
これは都筑道夫の「三重露出」を映画化したもので、たまたま直前に京都テレビで雨傘番組として放映されていたものを録画して見ていたのだが、原作を読んでいる・いないに関わらず、頭を抱えてしまうようなできばえで、ビデオは一度だけ見て消去してしまった。
当然「おやっ」と思って手には取ったが、3000円という値付けを見て「まあ、つまらない映画だったし」と、そのまま棚へ戻した。
ところが!
帰宅後に調べてみると、実は脚本に都筑道夫本人もクレジットされているではないか。それなら買っておけばよかった。都筑道夫作品のコンプリートを目指しているわけではないので、別に持っていなくても差し支えないのだが、こんな珍品に本人の筆が入っているとなれば、やはりコレクションしておきたいではないか。

その後、古本屋に映画台本のコーナーがあるとずっと「俺にさわると危ないぜ」を探し続けたが、見つかることはなかった。DVDが発売されたときも買ってきて、改めて「わけのわかんない映画だなあ」と思いつつ、あのときに台本を買わなかった悔しさを思い出していた。

と、20年ほどそんな日々を過ごしていたところ、本書『都筑道夫ドラマランド完全版』が刊行された。
都筑道夫が執筆した伝説的なシナリオが並ぶ中に、当然「俺にさわると危ないぜ」も収録されている。こんな本が出てしまったら、もはや珍品ではないのだが、ほかのシナリオは傑作だらけなのだし、買うしかない。
買って帰る電車の中、解説を読んでいたところこんな一文があった。

「実質的には都筑道夫が執筆していない名義のみのもの」

!!!
なんてこった! どうしてくれる、俺の20年!
と、衝撃を受けつつも、繰り返しますが、ほかのシナリオは傑作だらけなので、買って損はありません。

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〈映画秘宝〉激動の20年史 (洋泉社MOOK)

〈映画秘宝〉激動の20年史(洋泉社MOOK)

巻末リストが……

え、もう20年! と驚きましたが、よくよく考えるとぼくが毎号購入するようになったのは大判になってからなので、まだ20年は経っていませんが、それでももう15年以上になりますか。
この10年、生活は変わっても頭の中は完全に成長が止まったためか、歴代ベストを眺めても、なんだかどれもつい最近の映画のような気がしてしまい、ちっとも懐かしい気分にはなりませんが、20年分コンパクトにまとまっているのは、何かと便利そうです。
一つだけ文句を言いたいのは巻末リスト。
一時期は熱狂的な秘宝読者として、「映画秘宝関連本は全て買う」ということを心に決めていたのですが(結婚してからは妻に苦情を言われてやめています)、今回のリストはかつての自分の購入歴がどれくらい完全だったかを確認する良い機会になるはずでした。
ところが! 「別冊映画秘宝」と謳われて発行されたのに、掲載されていない本がゾロゾロある! 逆に、映画秘宝関連本とは思っていなかったのに、掲載されている本もゾロゾロ!(って言っても、だいたい持ってますが)
というわけで、今後の新しい読者にとっては古本屋巡りの際の重要資料となるべきものが、これでは後世に混乱を巻き起こすことになります。いい加減なリストに振り回されて古本集めに苦労した経験は、本好きなら誰しもあるでしょう。このリストがまさにそれです!
映画秘宝関連本をこれから集めていこうと考えている方は、ご注意ください。

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松本清張映像作品サスペンスと感動の秘密 映画の創り手たちが語る松本清張映画化作品の全て 桂 千穂 (著)

松本清張映像作品サスペンスと感動の秘密 映画の創り手たちが語る松本清張映画化作品の全て

野村芳太郎監督!

「松本清張の登場で乱歩の時代は終わった」、「横溝ブームは社会派ミステリへのアンチテーゼ」、「社会派ミステリーが主流の中でデビューした島田荘司は激しいバッシングを浴びた」というような歴史観を刷り込まれて育ったせいか、ずっと「清張憎し」の感情が強かったのですが、しかし松本清張原作映画だけは違います(ただし、野村芳太郎監督作に限る)。
どれこれも迫真の物語と映像美で、何度見直しても飽きません。野村監督の傑作も清張原作映画に集中しているように思っていて、実は市川崑監督の金田一映画よりも思い入れが強かったりします。
しかし、野村芳太郎についてまとまった本がない! これは本屋勤めの人間としては由々しきことでありました。そんな状況へ登場した本書。編集意図としてはやはり野村芳太郎がメインのようで、200ページ中100ページ以上が野村監督作についてであり、岩下志麻や川又昂へのインタビューなど豪華な内容を堪能できます。
未ソフト化の「迷走地図」以外は、全てDVDを揃えているので、改めて全部見直さなければ、と思いました。

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泡坂妻夫 からくりを愛した男 総特集 (KAWADE夢ムック)河出書房新社編集部 (編)

泡坂妻夫 からくりを愛した男 総特集(KAWADE夢ムック)

俺の中2病

泡坂妻夫を初めて読んだのは中学2年の時。たまたま買ったアンソロジーに短編「紳士の園」が収録されていたのだ。
ユーモアあふれるドタバタした展開をげらげら笑いながら読みすすめ、最後の一文まで来たとき。脳の中で何らかの物質が分泌される「ドバッー」という音が聞こえ、ひっくり返った。そのまま一週間くらい、何も本を読む気になれず、呆然と過ごした。
それまでも横溝正史や島田荘司の小説を読むたびに脳内が快感で満たされるのを感じていたが、ここまで強烈なものは初めてだった。
一週間たったところで、あの「ドバッー」は何だったのだろうと、おそるおそる「紳士の園」を読み返し、やはり最後の一文で「ドバッー」が来た。
そんなことを何度か繰り返してから、泡坂妻夫の他の作品も読んでみようと、近所の本屋で短編集『亜愛一郎の転倒』を買ってきた。一番最初の「藁の猫」を読むと、最後のところでまたもや「ドバッー」。話を一つ読むたびにのたうち回った。
亜愛一郎シリーズを読んでいる間はずっとそんな調子で分泌され続けた物質ではあるが、その後は出なくなってしまった。

それから正確に25年を経た現在でも、ミステリを読むときにはあの「ドバッー」を期待しているところがある。しかし、全く叶わなかった。
40を目前にしてようやく諦めた。
あれはきっと、14歳のほんの一時期にしか分泌されないものだったのだろう。むしろそのような絶妙なタイミングで泡坂妻夫に出会え、あんな体験ができたことを感謝すべきなのだ。

今回の『文芸別冊 総特集・泡坂妻夫』。
店の子から、こんな本が出てますよ、と教えられるまで気づいておらず、心の中で「うぎゃー」とさけびながら慌てて買いに走った。
表紙を見るとなんと、泡坂夫人と島崎博の対談を収録! なんとなんと。
我々読者よりももっともっと深く、家族から愛されていた様が語られている。帰りの電車の中で読みながら涙がこぼれた。脳内で物質が分泌されなくなった代わりなのか、最近は涙腺がゆるくて困る。

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ここが知りたかった向精神薬の服薬指導 竹内 尚子 (著)

ここが知りたかった向精神薬の服薬指導

うつ病に不眠症、統合失調症・・…

うつ病に不眠症、統合失調症・・・
少し昔は、ごく一部の人たちにしかなかったはずなのに、ストレス社会の昨今日常的に患者さんに遭遇するようになりました。。。
さてさて、患者さんの数が多くなったということは、薬を処方される患者さんの数も同じく増えたということであり・・・
薬剤師さんにとって、服薬指導は患者さんに接する唯一の時。
お薬のエキスパートとして、信頼される薬剤師さんになるべく、ぜひこちらの書籍、御覧ください。

MJ梅田店医学書売場より

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パルスオキシメータを10倍活用する血液ガス“超”入門 堀川 由夫 (編著)

パルスオキシメータを10倍活用する血液ガス“超”入門

「パルスオキシメータ、言われる…

「パルスオキシメータ、言われるがままに観察はしているけれども。。。」
本当に実はわかっていない!!!
わかっていないままでいいですか?
よくないですね。
ということで、
「パルスオキシメータの本当の使い方、教えます。」
力強いお言葉どおり、こちらの本は期待を裏切りません。
「血液ガス交換が苦手」そんな多くのナースたちにまずはこちらの書籍によって「パルスオキシメータ」から入ってもらうことで、今まで苦手意識の強かった「血液ガス交換」への知的好奇心が湧くことを願います。

MJ梅田店 医学書売場より

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見たことないサボテン・多肉植物 中谷 航太郎 (写真)

見たことないサボテン・多肉植物

不思議なカタチのサボテンたち。…

不思議なカタチのサボテンたち。その一つ一つの名前をご存知でしょうか?

実は日本刀のようなカッコイイものや、「なんで?」と言いたくなるヘンテコなものが多いんです!

例えば「紅蛇丸一文字綴化」や、「なるほど柱」がそれです。う~んカッチョイイ!そしてなんでやねん!

誰もが知ってはいるサボテンの意外と知られていない個別名が美麗な写真付きで紹介されています。

サボテン初心者にオススメなのは間違いないですが、サボテン好きに新しい発見があるかもしれない一冊です。

理工担当 MY

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追憶の鉄路 北海道廃止ローカル線写真集 工藤 裕之 (著)

追憶の鉄路 北海道廃止ローカル線写真集

一度も乗ったことのない鉄路、し…

一度も乗ったことのない鉄路、しかももう乗ることのできない廃線。
それなのにどこかなつかしく、北海道へ行けばそこに走っているのでは、
と思わせる淡い写真の数々です。
鉄道のむずかしい話などはなく、写真と少しの言葉が並べられている本なので、
どんな人の心もあたためてくれるはずです。

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小説仮面ライダーオーズ (講談社キャラクター文庫)石ノ森 章太郎 (原作)

小説仮面ライダーオーズ(講談社キャラクター文庫)

大人から子どもまで大人気の仮面…

大人から子どもまで大人気の仮面ライダーシリーズが、小説になって帰ってくる!
第一弾はオーズを含め、ダブルとカブトも出ています。
平成ライダーの好きな方は、ぜひ読んでみて下さい。

実用書担当K

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犬のココロをよむ 伴侶動物学からわかること (岩波科学ライブラリー)菊水 健史 (著)

犬のココロをよむ 伴侶動物学からわかること(岩波科学ライブラリー)

分かっているつもりでいた、愛犬…

分かっているつもりでいた、愛犬のキモチ。
実は飼い主の思い込みかもしれません。

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薬剤師レジデントマニュアル 橋田 亨 (編集)

薬剤師レジデントマニュアル

今まで、研修医にだって、新人ナ…

今まで、研修医にだって、新人ナースにだってマニュアル本はいっぱい出ていました。
どこの書店でも、『研修医フェア』『新人ナースフェア』が春の風物詩としてやっている。なのに・・・:
私たちは蚊帳の外????
そんな薬剤師さんたちの心の声にお答えすべくついにこの春、素晴らしい書籍が誕生いたしました!
あの、研修医ならだれもが持っている「レジデントシリーズ」に薬剤師編が登場☆
なんでもっと早くに出してくれなかったんだろう。。。。
そう思う少しキャリアを積んだ薬剤師の先生方も白衣のポケットにも忍ばせてください。
もちろん、新入局の薬剤師の先生方にはこの春のマストアイテム間違いなし!

MJ梅田店 薬剤師の娘W

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わくわく数の世界の大冒険 親子で楽しむ! 1 桜井 進 (著)

わくわく数の世界の大冒険 親子で楽しむ! 1

算数苦手~、と思っている人でも…

算数苦手~、と思っている人でも、読んでいるうちにおもしろい!不思議ー!と思ってしまう本です。
かわいいイラストと一緒に楽しめます。
ふりがなもふってあるので小学生でも読めますが、文章も多いので、大人が解説しながら一緒に読むと、より楽しめると思います。

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