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プリズンホテル 2 秋
著者 浅田次郎 (著)
おなじみ大曽根一家御一行と、酒癖の悪さで有名な警視庁青山警察の慰安旅行が重なったり、元アイドル歌手とその愛人がお忍びで現われたりと、何が起こっても可笑しくない一髪触発の事...
プリズンホテル 2 秋
プリズンホテル 2 秋 (集英社文庫)
商品説明
おなじみ大曽根一家御一行と、酒癖の悪さで有名な警視庁青山警察の慰安旅行が重なったり、元アイドル歌手とその愛人がお忍びで現われたりと、何が起こっても可笑しくない一髪触発の事態に、ホテルの支配人の花沢は青ざめた。愛憎ぶつかる温泉宿の一泊二日。笑えて、泣けて、眠れない。シリーズ第二作。
著者紹介
浅田次郎 (著)
- 略歴
- 1951年東京生まれ。日本ペンクラブ会長。95年「地下鉄に乗って」で吉川英治文学新人賞、97年「鉄道員」で直木賞、2000年「壬生義士伝」で柴田錬三郎賞を受賞。
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紙の本
未だ主人公は愛せないけれども、最高だ
2021/11/14 15:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る
2巻に入って、俄然面白くなる。
佐藤優の言っていた、人を侮ること、侮られまいと足掻くことが、実感として腑に落ちる物語だった。
なべ長がガラッと雰囲気を変えるのは、245ページでこれは手打ちだと思ったところからだろう。『他人には言えぬ悩みや悲しみや、クタクタに疲れた体や押し殺した怒りやー様々のストレスで爆発寸前の、自分自身との手打ちなのだ。』
『俺、わからねえもの。自分がどこの誰だか、何をしてるんだか、ずっとわからねえんだ。』
『ぼくは暗澹とした。真っ暗な底知れぬ、不可解な人生の淵を覗き込むようなきぶんになった。』
人間の価値とか、あり方、大きさ、真摯さというものは、決して出世とか、見た目や、表面的な行動だけで測ることはできないということ。そしてややもすると、自分でも自分の持っているそうした資質を忘れて日々生きているということがあるということに、気付かされた。プリズンホテルの魅力が漸く腹に落ちてきた。
其れにしても、主人公の作家は、事情はわかるけど、ちっとも理解できない。解説の人たちが書いてる様な、愛があるとは感じられず、愛すべきキャラクターとは思えないなぁ。その点では、鉄砲常の言葉に痺れる。『女子供をなかせるような外道は、この鉄砲常が活かしておかんですよ』
紙の本
名作だ
2021/02/23 14:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コアラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ひょんなことから冬春夏秋という順序で読んだ。秋は名作だ。大衆小説と蔑む向きもあるかもしれ合いが,エンターテイメントでなければ小説とはいえない。著者にはこういう本を書いて欲しい。最近は小難しい小説を書きたいみたいだが,是非向かいの極道小説を書いて欲しい。
本書を名作だというのは,まず勧善懲悪であること。昔ながらの物語の王道である。人はなぜ物語を好むかと言えば,実社会の非道さから逃れるためなのだ。現実社会は残酷だ。卑しい悪人が得をして善人が割を食うのが実社会なのだ。そのために物語があり,その中で悪が滅びで善人が報われることで安心して過ごせる。つまり精神病にかからなくて済んでいるわけだ。で,このシリーズは一見ひどい奴に見える小説家(モデルは本人か)を主人公に,報われない人々が最後は救われるようにできている。素晴らしい。娯楽小説のお手本だ。是非,続編を出してほしい。
紙の本
B級グルメの傑作
2020/03/13 12:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者の得意技である 人情もの 任侠もの ユーモアもの 全開、B級グルメの傑作である。
こてこての人情噺の間にうずもれてしまいがちだが、下記のよう技巧を凝らしている点は、「稀代のストーリーテラー」の呼び名通りだと思う。
・晩秋の奥日光の風景描写。
・緊迫した話を一気に進めず一呼吸置くためにユーモラスな短い話を間に挟む。
・演劇の三一致の法則にも似た、
ひとつの場所--プリズンホテル
ひとつの時 --一泊二日
で絡み合う話をまとめ上げている。
紙の本
笑って、少しほろりと出来るドタバタ人情喜劇だが、どこかで人間というのは大差ない生き物だと思えて来る。
2019/01/29 09:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
笑って、少しほろりと出来るドタバタ人情喜劇だが、どこかで人間というのは大差ない生き物だと思えて来る。特に、一般的には対極にあると見える、警察とヤクザを一つの「檻」の中に放り込んで自在に泳がせて描いた本作は実に愉快である。とは言え、本作の魅力は何といってもどこか普通とずれた登場人物の魅力でしょう。何しろ誰をとっても程度の差こそあれ社会一般からずれてるのだから可笑しくない訳がない。唯一人、普通だった筈の花沢一馬ホテル支配人すら既にプリズンホテルに馴染み始めている。とは言え、やはり最も歪んでいるのは私=木戸孝之介でしょうね。残り2シーズン(冬・春)でどう変わっていくのかが楽しみ。
紙の本
濃いぃキャラとストーリー
2021/05/16 20:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
このシリーズのいいところはキャラが豊富で、そして濃いぃところ。今作でも思う存分本領発揮!今作では手違いでプリズンホテルに宴会旅行にやって来てしまった警察官御一行様が、当然の如くヤクザの御一行様と遭遇!そんな濃いぃストーリーとキャラにあって、作家先生と一緒について来た6歳の美加。今作でも作家先生はいやらしさ満点。美加への虐めにむかつきます。最後はちょっとだけ改心?ナベ長やらいいキャラも出てきて、次作も楽しみ!
紙の本
わかっちゃいるけど泣いちゃうの。
2011/12/17 13:12
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先日読んだ『プリズンホテル【1】夏』に続く、
任侠団体による任侠団体のためのホテルを舞台にしたシリーズ第二弾。
『プリズンホテル【1】夏』の義理と人情と仁義と愛と涙と笑いの
バランスがとても心地よかったので続けて読んでみた。
が、好みと言ってもやはり文章が苦手な浅田作品。
続けて読んだせいか、くどさが否めない。
予定調和というか、安心できるというか、安定しているというか…。
想像したとおりに物語は進み、想像したところに着地する。
まぁ、ヤクザが経営するホテルなので
それなりにひと波乱もふた波乱もありはするのだけれど。
今回はヤプリズンホテルに桜の門を背負った警察の方々が
慰安旅行で宿泊したり、
その全く同じ日に同じく桜を背負ったヤクザの方々が宿泊したり、
とけっこうしっちゃかめっちゃか。
でもちゃんと物語は着地する。
このあたりが浅田さんのすごいところなんだろうなぁ。
個人的には、任侠もの小説家・木戸孝之助がお供に連れてきた
美加という名前の子どもがどうにも切なくて哀しくてたまらなかった。
美加にはどうか幸せになってもらいたい。
泣いちゃうんだよなぁ。
わかっていても。