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- カテゴリ:一般
- 発売日:2012/08/24
- 出版社: 新潮社
- サイズ:20cm/741p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-10-375010-9
紙の本
ソロモンの偽証 第1部 事件
著者 宮部 みゆき (著)
雪をまとって校庭に降り立った悪意。それはさらなる犠牲を求めて校舎を彷徨った。五年振りの現代ミステリー全三巻。ついに刊行開始! その法廷は十四歳の死で始まり偽証で完結...
ソロモンの偽証 第1部 事件
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商品説明
雪をまとって校庭に降り立った悪意。それはさらなる犠牲を求めて校舎を彷徨った。五年振りの現代ミステリー全三巻。ついに刊行開始!
その法廷は十四歳の死で始まり偽証で完結した。五年ぶりの現代ミステリー巨編! クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した十四歳。その死は校舎に眠っていた悪意を揺り醒ました。目撃者を名乗る匿名の告発状が、やがて主役に躍り出る。新たな殺人計画、マスコミの過剰報道、そして犠牲者が一人、また一人。気づけば中学校は死を賭けたゲームの盤上にあった。死体は何を仕掛けたのか。真意を知っているのは誰!?
クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。けど、噂は強力で、気がつけばあたしたちみんな、それに加担していた。そして、その悪意ある風評は、目撃者を名乗る、匿名の告発状を産み落とした―。新たな殺人計画。マスコミの過剰な報道。狂おしい嫉妬による異常行動。そして犠牲者が一人、また一人。学校は汚された。ことごとく無力な大人たちにはもう、任せておけない。学校に仕掛けられた史上最強のミステリー。【「BOOK」データベースの商品解説】
クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。その死は校舎に眠っていた悪意を揺り醒ました。匿名の告発状、新たな殺人計画、マスコミの過剰報道、連鎖する犠牲者。死体は何を仕掛けたのか? 『小説新潮』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
宮部 みゆき
- 略歴
- 〈宮部みゆき〉1960年東京生まれ。「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞、「理由」で直木賞、「名もなき毒」で吉川英治文学賞を受賞。
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書店員レビュー
この作品を読んでいて、以前「模…
ジュンク堂書店郡山店さん
この作品を読んでいて、以前「模倣犯」を読んだときの興奮を
思い出しました。かなりの長編をいつの間にか読みきっていたという
感覚と、この物語の中に少しでも長く居続けたいという思い。
それは登場人物すべての顔が見えるからなんだろうと思います。
一人一人がなにを思い、どうしてそういう行動を取るのかが分かる
からこそ、思い入れが強くなるんだろうと。
そして、人間が持つ嫌な部分をあえて見せられることで、より
現実的にその物語の中に引き込まれてしまうんだと思います。
本を読むことが本当に楽しいと、心から思える作品でした。
文芸担当 郡司
紙の本
読み始めたら止められない!
2013/01/06 14:54
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学2年生の飛び降り自殺から物語が始まる。
ホワイトクリマスの雪に覆われたように、中学2年生の死の真相が明らかに出来ない。警察、学校、家族、教師、級友が一人称で語られる事実が物語を複雑にそして迷走させる。
3枚の告発状が出された辺りからどんどん引き込まれて読むのを止められない。
虐めによる復讐心、そして虐められる子の心は思いもよらない方向へも向かう。
一人一人の思い、そして日常の何気ない視線、表情がこの物語に躍動感を与えている事に驚かされる。
まだまだ明らかにはならないが亡くなった柏木卓也の真の狙いが明らかになる事が恐ろしい。
紙の本
超長大作品は宮部小説の醍醐味を味わえる
2019/05/20 19:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は宮部が描いたミステリー小説である。法廷小説というとやや違和感があるかも知れない。東京の下町、城東区にある城東三中で起きた事件という想定である。事件の中身は中学生が校舎の屋上から身を投げて自殺したという内容である。
それだけでは小説にはならない。処理を誤った学校、犯人を見たというブラックメール、そのメールが送られた担任教師の隣人によるマスメディアへの投稿など、起こってほしくない事件の連続である。そして、ついにマスメディアの知るところとなり、取材陣が中学生を含む関係者に襲い掛かってくる。
宮部の筆致は相変わらず、事件を微細に描いていく。その時の関係者の心情も含めて丁寧に描いていく。したがって、本編も超長編となっている。関連した出来事について、それは関係ないんではないかと思われたが、一つずつ積み上げて環境を整えていく。しかし、現実の世界でも、これだけ同時に事件が多発すれば混乱する。
その解決策として、作中では裁判を行うことになった。中学生の裁判である。裁判の場面を読み進むと、なにやら本物の裁判長、検事、弁護士と見紛う丁々発止のやり取りが展開する。高校生ならば可能性はあっても、中学生では到底無理であろう。とりわけこの3人の役を担った中学生は負担が大き過ぎよう。
そこは現実離れしているが、実に面白い。最後は他校の中学生が演じていた弁護士自らが関係者であったことが露見してしまう。いや、きっちりと結末もどんでん返しが用意されていた。本文にも書かれている通り、大岡昇平の『事件』の中学生版といっても過言ではない。
本書の文庫版の巻末に20年後の主人公たちの姿が描かれている中編が別に用意されている。中学生がそれぞれの人生をおくって成長し、宮部の人気シリーズである杉村三郎との出会いもあり、読者サービスを忘れない宮部の長大な作品であった。
紙の本
ソロモンの偽証
2012/09/22 14:00
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:seiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
大変面白かった。早く続きが読みたくて二巻めもかいました。
紙の本
リーディングマラソンへようこそ。(三分冊まとめての書評です)
2017/12/27 10:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たけぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る
長い。めっぽう長い。こんなに長い小説を読んだのは、
風と共に去りぬ以来だ。
それなのに、飽きさせずに読ませてしまうのは、宮部ワールドの
真骨頂であろう。
三分冊なので長いだろうと覚悟はしていた。700ページと
聞きかじっていたので、それなら頑張ろうと思ったわたしが
浅はかだった。まさか、一冊あたりのページ数だったとは。
三分冊総数で2,000ページ超。
もし、これまでの読破最長記録の更新を狙うのであれば
お薦めである。吸引力の強さはいつもどおりで、
挫折しにくいからだ。
題名はソロモンの偽証。ソロモンと名付けた意図は
よく分からないが、偽証とある通り裁判ものである。
「第I部 事件」「第II部 決意」「第III部 法廷」
この長編の最大の特徴は、行間から文章があふれている
というところだ。連続ドラマでも見ているようである。
様々な見せ場を作り、ぐいぐい引き込まれるが、
物語の解釈はがっちり固められている。
だから再読は厳しい気がするが、内容は充分すぎるほど
楽しめる。長編読破狙いでもいいし、文字ドラマを
見るつもりでもいい。そんな楽しみ方をする作品だと感じた。
<とっかかりを紹介しますが、気になる方は
以後を読み飛ばして下さい>
--------------------------------------
雪の降りつもったクリスマスの日。
城東三中の野田健一は通用門から中に入る。
何かがおかしい。一面に覆われた雪のせいだけではない。
野田は気づく。
雪の中から腕がつき出ていた。
そして、その腕の先には、雪で凍りついた柏木卓也の
見開かれた目があった。
学校は騒然とする。様々な憶測が飛ぶ。
保護者会は学校を吊るし上げにかかる。
およそ想定されるであろう学校と保護者たちの動き。
大人たちに翻弄される生徒たち。
事件性の証拠が見つからないため、自殺という結論に
なりかけた時、告発状が届いた。
柏木卓也は殺されたと。
事件の真相は何か。
警察は、マスコミは、取り巻く大人たちはどう動くのか。
中学生たちは、様々な困難を乗り越えながら、一歩一歩、
真実への道を歩み始める。
ページ数の割には、びっくりするほどどんどん読めると思う。
紙の本
おもしろかった
2016/06/06 21:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぽんぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
おもしろかったです。2巻も読みたいです。
14歳の少年の死が始まりで次々と事件が!?
気持ち悪いと感じる人がぽろぽろと。これらの人は最後に笑っていてほしくないと思ってしまった…。リアルにもこういう人はいるのでしょうね、関わりたくないわー。
紙の本
長い
2016/01/17 23:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学生の転落死。他殺か、自殺か。告発状が届いて新たな局面に。小説とはいえ、昨今の中学生は、これほど考えが洲生んでいるのだろうか。それはとにかく、宮部氏の作品は長いのが、どうも。面白ければとにかく、外れると…
紙の本
わくわくを予感
2015/03/22 05:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮部さんの文章に安心しきっていて気づけば読み終わっている。冒頭のフィリップ・K・ディックの「子どもって何も知らない。だけど子どもはほんとは何でも知ってるんだ、知りすぎるくらい。」この言葉がすべて。第2部でからの展開が待ち遠しい。
紙の本
5年ぶりの現代ミステリー。著者の最高傑作にならんことを期待して
2012/09/20 15:33
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:よっちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
2007年の『名もなき毒』には次回作を期待させるものがあって、その期待を5年間待たされたことになる。
「第1部 事件」だけで740ページ。これから第2部 第3部と、恐ろしいほど長編のミステリーで仕上がることになる。
第1部だけを読んだだけだから的外れになるかもしれないが、部分的印象を述べてみよう。
第1部は、第2部でさらに深まるだろう謎の前提、第3部での謎解きのための基本の状況設定が書かれている部分だ。
飾り帯に紹介された文章をやや補足すれば………。
「学校に仕掛けられた史上最強のミステリー」
「クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳の少年。警察は自殺と判断する。自殺の理由は不明。だが、殺人だとして犯人を名指しする匿名の告発状がマスコミに届けられ、少年の死はその周囲に幾重もの波紋を広げてゆく。連鎖する犠牲者。校舎の悪意が呑み込んで………。」
「彼の死を悼む声は小さかった。けど、噂は強力で、気がつけばあたしたちみんな、それに加担していた。そして、その悪意ある風評は、目撃者を名乗る、匿名の告白状を産み落とした。真相は雪が覆い隠した………死体は何を目論んだのか!?新たな殺人計画。マスコミの過剰報道。狂おしい嫉妬による異常行動。そして犠牲者が一人、また一人学校は汚された。ことごとく無力な大人たちにはもう、任せておけない!」
単なる中学生たちの学園ミステリーのようであり、そうであれば興味を失うところだが、ここは続編を期待しておこう。
いくつもの家族が登場し、子供の目線で語られるホームドラマがある。
悪意のマスコミ、保守的な学校の先生たちが無垢の子供心を傷つける。
親たちがギャアギャアとわめき散らす。
逆に子供にある悪意がたまたま実行され事件を深刻化させ、周囲を混乱させる。
これらエピソードがどんどんと積み上がっていく。
ボリュームはあるが読むのに時間がかからない。ほとんどが子どもの会話と独白だから難しい話ではなく、しかも丁寧すぎるほど詳しいから読み飛ばしても差し支えなさそうである。そのエピソードは実際によく耳にした実例であり、ドラマや小説にもこれまでよく取り上げられてきたテーマである。
すいすい読めるのはもうひとつ理由がある。ビリヤードの球が次々にはじけるように、ひとつの事件がアレッと思わせる新しいパターンを連鎖反応的に作り出していく。次にどうなる、それでどうなると、読者は先へ先へと急き立てられるように読みすすむことになる。
ところで、あれはどうなったのだろうと振り返る余地はない。巧妙だと思う。その度に解決されていない疑問が生まれるのだが、それらはさりげなく置き去りにされているのだ。だから置き忘れた問題が残らず合理的に理解できるような展開がラスト近くからはあるはずである。
物語の時代は1990年である。
今より20年も前の中学という学園を思い浮かべることはできないのだが、時の流れの速さからみれば、随分昔のお話だという印象を持たざるを得ない。携帯はなく、ポケベルである。もちろんインターネットはない。この間の情報ネットワークの急速な普及が中学生の生活環境に与えた影響は計り知れないものがあると思うから、1990年を舞台にしたお話はもはや現代ではない。現代ミステリーを期待していたのにふた昔も前のミステリーを読むことになるのかもしれないと不安になった。
タイトルの「ソロモン」であるが、イスラエル王ソロモンであろう。子を奪い合う二人の女の裁判で、日本で言えば大岡裁きと同様の名審判がある。そういうイメージを持ちながら「ソロモンの偽証」とはなんなのかと考えている。