ブックキュレーターhonto編集員
名画を100%堪能したい!美術鑑賞がもっと楽しくなる入門書
美術館に行っても、ただ漠然と絵を見ているだけでは本当のよさはわかりません。作者や作られた時代背景などについて知ることによって、美術鑑賞はよりいっそう心に響くものになるはずです。その手引き本は入門書から学術本までさまざまなものが出ていますが、ここでは美術館でも気楽に取り出せる新書と文庫にしぼって紹介します。
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誰も知らない「名画の見方」
高階 秀爾(著)
表紙にもなっているフェルメールの「真珠の首飾りの少女」を取り上げ、瞳に白い点を加えることが活き活きとした人間の表情を描く「発見」であったことが本書で指摘されています。また、遠近法を使わずに影だけで奥ゆきを表現したベラスケスの技法など、名画の見方を8つのテーマに分類して紹介した美術初心者にぴったりの一冊です。
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著者はまず、ヤン・ファン・エイクによる絵画「アルノルフィーニ夫妻の肖像」に描かれた犬に注目します。犬は、妻の夫に対する貞節を表現する象徴なのだそうです。そのほか、さまざまなモチーフから絵を読み解いていきます。猫は犬と違って悪役、猿は西洋美術では邪悪の根源とされているなどなど。美術鑑賞を豊かにするトリビア満載の一冊です。
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セーヌで生まれた印象派の名画
島田 紀夫(著)
印象派の絵画はわかりやすいイメージがありますが、本書を読めば知らないこと、知っておくべきことが、たくさんあったのだと痛感させられます。セーヌ川を流れに沿ってたどりながら、印象派の画家たちが描いた場所を尋ね、印象派の誕生とその後の展開を探ります。解説への理解がぐっと深まる、カラー図版も多数収録されています。
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岩佐又兵衛 浮世絵をつくった男の謎
辻 惟雄(著)
2歳のときに一族が織田信長に処刑されるなか、乳母の手で救出された岩佐又兵衛。その後は京都で育ち絵師となり、絵巻や風俗画で名をはせました。数奇な運命をたどった又兵衛の特異な個性に、近世絵画研究の第一人者である辻惟雄が迫ります。カラー図版も多く掲載され、又兵衛の作品のもつ生々しさに驚かされることでしょう。
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百鬼夜行絵巻の謎
小松 和彦(著)
妖怪を描いた絵巻「百鬼夜行絵巻」は、これまで歴史的な継承がつかめず研究が難航していたそうです。しかし、「百鬼ノ図」という絵巻が新たに発見され、多くの謎が解明されるようになりました。ですます調で書かれた文章は読みやすく、著者の興奮が伝わってくるようです。妖怪画の想像力に圧倒され、日本の絵画のユニークさが実感できる一冊です。
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