ギャップに心くすぐられる!?ちょっと変わった主人公に惹かれる小説

宝生麗子は国立署に勤務する刑事ですが、実は国立のお屋敷に住むお嬢様。宝生グループの総帥・宝生清太郎の一人娘です。仕事のオンとオフを見事なまでに使い分けて、外ではパンツスーツ、家ではドレスでシェフのつくったディナーをワインとともに食する生活。そしてなぜか毒舌の執事・影山が事件を解決する、明るいタッチのミステリーです。

女子から「ミルクみたいな匂い」がすると評される歩美は、現役の男子高校生。アルバイトをして買った、数万円もする人気ブランドのコートがお気に入りです。そんな歩美には、死者と生者を会わせるツナグという能力があります。さまざまな理由で死者と会いたいと願う依頼人と歩美の、感涙必死の物語です。

奥田浩介と渡来真緒は、同じ中学の同級生でした。2人は仕事がらみで再会。「学校有数のバカ」といわれていた真緒は、会社期待のビジネスウーマンとなっていました。２人は恋人同士となりますが、唐突な別れがやってきます・・・。真緒とはいったい何者だったのかが、ラストでわかる展開も待っている恋愛小説です。

歩は、変わり者の姉・貴子と対照的に、幼いころからソツなく自分の立ち位置を確保できる男の子でした。家族は離散しますが、それでも主人公はそれなりに人生を渡っていきます。しかし突然、持っているものすべてをなくしてしまう・・・。歩と貴子、対照的な２人の関係にも引き込まれていく物語です。

主人公・五浦大輔の片思いの相手は、北鎌倉で古書店を営む年上の女性・栞子。栞子は『長い睫毛の下にすっと通った鼻筋。薄い唇が軽く開いている。柔らかい感じの美貌』の20代です。かなり人見知りするタイプですが、本に関する知識が深く、本の話題になると人見知りも吹き飛んで饒舌に。栞子が活躍する、古書にからんだミステリーです。