ブックキュレーターhonto書店員 高山瞳
初めての時代小説
「時代小説」と聞くと敬遠しがちなジャンルかもしれませんが、「時代」を感じさせない読みやすい小説がたくさんあります。その時代の考え方や生き方は環境によって違うけれど、感じること、想うことはいつの時代も同じ。人間の営みから見える日常生活の匂いや温かな眼差しを感じてみませんか。
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桜ほうさら 上
宮部 みゆき(著)
宮部みゆきといえば「ミステリー作家」の印象が強い方も多いと思いますが、意外に「時代小説」もたくさん書いています。中でも、この作品は温かい気持ちになれる時代小説。父の汚名を晴らすため上総国から江戸へ出てきた古橋笙之介。江戸・深川の長屋の優しい人々に囲まれて、ほのぼのと物語が進んでいくと思いきや、自分の父親の死の真相を知ることになる・・・。
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蟬しぐれ 新装版 上
藤沢周平(著)
数ある藤沢作品の中でもオススメしたい一冊です。冒頭より美しい風景や町並みが目に浮かぶような描写でグッと引き込まれます。しかし内容は、悲運と悲恋の青春物語です。主人公・文四郎は、藩の権力争いによって非業の死を遂げた父の仇を討つため、父の遺言でもある「剣」を究めながらその時を待ちます。初恋の人「ふく」とのすれ違い・・・。せつなくも美しい物語です。
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装丁のにぎやかさと「しゃばけ」というタイトルに惹かれて手に取りました。主人公は、江戸の大店「長崎屋」の一人息子・一太郎。通称「若だんな」。不思議な事に若だんなの周りには「妖怪」がたっくさん。そう、若だんなは「妖怪」の血を引いています。病弱だけど頭の回転がすこぶる早い若だんなが数々の事件を解決するファンタジー時代小説。
ブックキュレーター
honto書店員 高山瞳大学卒業後、出版取次、オンライン書店バイヤーを経て、ハイブリッド書店サービス「honto」の電子書籍サイト編成を担当。物心つく前から泳ぎ始め、オリンピックを目指すほど水泳にのめり込んでいたが、高校時代に出会った先輩から薦められた村上龍の『69』を読んで読書に開眼。 大学時代は、国文学を学び江戸時代の文学、特に「黄表紙」という現代のコミックのような読み物や松尾芭蕉の『奥の細道』に感銘を受けた。はまるととことん極めたくなる性質で、物語の舞台や作者の生誕地、影響を受けた場所を訪ね、作者の気分に浸るという趣味を覚える。好きなジャンルは、小説、エッセイ、ノンフィクション、実用書。電車の移動中や旅先では電子書籍で、自宅では紙書籍でといったようにハイブリッドに、そして、同時に3冊~5冊の本を気分に合わせて読み変えるというパラレル・リーディングで読書を楽しむ。
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