ブックキュレーター「BOOKS 青いカバ」店主 小国貴司
短編小説で味わう!おすすめの翻訳小説
どうも翻訳小説は苦手で・・・という声をよく聞きます。では、短ければどうですか?短いだけで、翻訳小説へのハードルも低くなりませんか?海外文学のみんながみんな、ドストエフスキーじゃないから大丈夫!というわけで、おすすめの翻訳短編小説を選んでみました。
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映画監督、アーティストとしても活躍しているミランダ・ジュライは日本でも人気があります。彼女の初邦訳短編集から。短編の王道から外れるほど奇妙な物語ばかりですが、こんな「ヘン」な話を読めるのも短編ならでは。「ヘン」なのに、一個一個の小説が、自分のために書かれているような気がするのは、なぜだろう。
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ナボコフ全短篇
ウラジーミル・ナボコフ(著) , 秋草 俊一郎(訳) , 諫早 勇一(訳) , 貝澤 哉(訳) , 加藤 光也(訳) , 杉本 一直(訳) , 沼野 充義(訳) , 毛利 公美(訳) , 若島 正(訳)
華麗な文章に酔ってみたい。そんなあなたには「言葉の魔術師」ナボコフの短編を。ロシア語、英語と自在に操り、知的で、センセーショナルな『ロリータ』を生み出した作家です。短編が面白くないわけがありません。日本の翻訳家にも恵まれて、本読みには家宝級。再読、再再読、拾い読み、と考えると、恐ろしく安い一冊です。
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鰐 ドストエフスキーユーモア小説集
ドストエフスキー(著) , 沼野 充義(編) , 小沼 文彦(訳) , 工藤 精一郎(訳) , 原 卓也(訳)
ドストエフスキーだって短編を書きます!しかも、ロシアの作家らしく、ちょっと理解不能なユーモアをもって。鰐に食べられた男が、その腹の中は「居心地がいい」と、妙な論理を振り回すところが「なんじゃそりゃ」な表題作をはじめ、怪作がたくさん。ドストエフスキーを読んで、みんな笑おう!(笑うだけじゃないけど)
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あなたまかせのお話
レーモン・クノー(著) , 塩塚 秀一郎(訳)
「三つの元気なお豆さんの話を聞きたいかい?」突然すみません。でも、この問いで始まるフランスの作家レーモン・クノーの短編が好きなんです。ぜひ、みなさんには「聞きたい!」って思っていただきたい。そして聞き終わった方は、この短編集から、ぜひ『地下鉄のザジ』へ。クノーの書くいたずら坊主的な小説、好きです。
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創造者
J.L.ボルヘス(作) , 鼓 直(訳)
アルゼンチンの作家、ボルヘス。幻想的でありながら、細部は精緻な機械を見ているかのよう。彼は86年の人生の中で、長編小説は一作も書いていません。短いものだと1ページちょっと。短いからすぐに読めそうですよね?え?読めない?長編を読むよりも、時間がかかる?そうです。短編小説は、迷宮のように深いのです。
ブックキュレーター
「BOOKS 青いカバ」店主 小国貴司新刊・古書を扱う書店「BOOKS 青いカバ」店主。学生時代より古書に親しみ、大手書店チェーンに入社後、店長や本店での仕入れ・イベント企画に携わったのち独立。夜寝る前の読書を欠かさないが、本を読んでいるのか、夢を見ているのかわからないこともしばしば。
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