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実は親しみやすい!?フランス文学入門にぴったりな本
フランス文学といえば、「とっつきにくい」「難しそう」というイメージを抱いている方も多いことでしょう。でも実はそんなことはないのです。フランスの歴史や文化を知らなくても、十分に楽しむことができる本はたくさんあります。読者の感性と思考を心地よく刺激してくれる、フランス文学の世界をお楽しみください。
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愛の妖精 プチット・ファデット 改版
ジョルジュ・サンド(作) , 宮崎 嶺雄(訳)
フランスの農村地帯を背景に、野性的な少女ファデットと双子の兄弟の恋愛と成長を描いた物語です。醜く嫌われ者のファデットが恋に目覚め、美しい大人の女性に成長してゆく様子が、みずみずしい水彩のようなタッチで描き出されています。ファデットと双子の弟ランドリーの恋をめぐる細やかな心理描写には、誰もがときめきを覚えるはずです。
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「箴言」とは「格言」のことです。『われわれは皆、他人の不幸には充分耐えられるだけの強さを持っている』『もしわれわれに全く欠点がなければ、他人のあらさがしをこれほど楽しむはずはあるまい』など、17世紀のフランス文学者が鋭い洞察力で人間の本質をぴしゃりと言い当てています。身に覚えのある箴言に、思わずドキッとしてしまうかもしれません。
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フランス短篇傑作選
山田 稔(編訳)
風変わりで個性的な18の短篇が収められた短編集です。特に注目なのが、突然見知らぬ歯科医に重大な歯科疾患があると指摘され、めちゃくちゃな治療をされることになる短編「ある歯科医の話」。毒のあるユーモアが光っており、治療を受ける「私」に同情しつつも、読んでいると思わず吹き出してしまうことでしょう。
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巴里の憂鬱 改版
ボードレール(著) , 三好 達治(訳)
パリの群衆やその陰に生きる貧しい人々、異質めいた人々などをうたった50編の散文詩が収められています。ときに息苦しささえ感じられる鬱々とした孤独感が散文詩ならではの美しい旋律と調和し、読後には不思議な充足感を与えてくれます。世界の文学に影響を与えた19世紀の詩人ボードレールの、晩年の成果を集めた一冊です。
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にんじん 改版
ルナアル(作) , 岸田 国士(訳)
赤毛とそばかすだらけの顔のために、「にんじん」というあだ名で呼ばれる少年の日常を綴った物語です。家族から不当な扱いを受け、ことに母親から理不尽なまでの仕打ちを受けるにんじんは、子ども特有の観察眼や機転を働かせ、身を守ろうと試行錯誤します。大人びた諦念と愛されることへの憧憬に、切なさが込み上げてくるお話です。
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