ブックキュレーターhonto書店員 高橋
人間に飽きた、そんな方にオススメしたい、おとな向けの動物の物語
人間ばかりが出てくる小説に飽きた、何か面白い小説はないか、そんな方にオススメしたいのが動物が主人公だったりメインだったりする物語。『吾輩は猫である』が思い浮かぶ方も多いかと思いますが、古今東西、動物によって語られる物語はたくさん出版されています。その中でも特にイチオシしたい物語ばかりを集めてみました。
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憂鬱症のペンギン・ミーシャと暮らす売れない小説家が主人公のロシア文学。と書くとロシア文学にありがちな不条理な物語に思えますし実際その要素も強いですが、旧ソ連崩壊後の政治的な不安定さとペンギンの描写が不思議と調和して、読んでいて鬱々せず、読後感はむしろ爽快です。ちなみにとても表紙がかわいらしいからか、店頭で平積みにするとサクサク売れます。
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言わずとしれた動物が主人公の名作。飛ぶという行為に生きる喜びを見出したかもめのジョナサンの行動や周りとの関係性を通して精神論が展開される自己啓発的な内容です。
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農場を舞台に、「飼育される側」であることに違和感を持った動物たちの動物たちによる統治が描かれた物語。と書くと、なんのこっちゃですが、実際は旧ソ連体制に対する批判を込めた風刺文学。ところで、百田尚樹氏の『カエルの王国』が似たようなテイストで描かれてますが、同じ動物による風刺でも舞台が旧ソ連か現代日本かでだいぶ違っているのも興味深いですね。
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ベルカ、吠えないのか?
古川 日出男(著)
始まりは1943年。同じ環境に残された犬がその後どのような運命をたどったか、彼らとその子孫たちを追っているうちに、物語は20世紀の歴史と交錯し、いつの間にか時代がどんどん現代に近づいていく。文体のハードボイルドさとも相まって、とても「熱い」小説に仕上がってます。
ブックキュレーター
honto書店員 高橋大学で日本史を専攻。卒業後、新卒で丸善(株)に入社し、丸の内本店の医学書売り場書店員として2年間ほど手作りPOPで専門書と読者の距離を縮めることに心血を注ぐ。その後、本部にて採用・教育など人事畑を歩んだ後、「honto」の立ち上げに参画をきっかけにネットの書店員として本の売り場にカムバック。そんなわけで古文書、医学書、人事関連書籍への愛着を強く持つ。人をつなぐ「本」と「酒?」をこよなく愛する30代女子。
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