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純文学、硬派、愛国者・・・そんなイメージがくつがえる三島由紀夫の小説
三島由紀夫といえば、純文学、硬派、愛国者・・・というパブリックイメージがあります。だけど、そんなイメージを打ち砕く異色作も数多く残しているのです。そのなかでも初心者に比較的読みやすく、気楽に楽しめる本を紹介します。ぜひ美しい日本語表現を堪能してください。読後は今までの三島由紀夫のイメージが、がらっと変わるかもしれません。
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命売ります
三島 由紀夫(著)
自殺が未遂に終わってしまった青年が、死に場所を求めて「命売ります」と新聞広告を出したところ、命を懸けたさまざまな依頼が次々と舞い込んできます。本書はハードボイルドなタッチの、エンタメ色の強い小説です。主人公の青年に三島の死生観が反映されているかどうか、ぜひ読んで確かめてみてください。
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お嬢さん
三島 由紀夫(著)
裕福な家庭に育った女子大生のかすみが、父親の部下と恋の駆け引きを経て、そして結婚。しかし彼女はプレイボーイな夫に勝手な妄想を抱き、嫉妬心にかき乱されてしまい・・・。信じたいのに疑ってしまう、女心の描写が秀逸です。ユーモアのちりばめられた会話とリズムよく進むストーリーで、気楽に読めるエンタメ小説といえるでしょう。
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美しい星 改版
三島 由紀夫(著)
本書はなんと、三島由紀夫によるSF小説です。自分たちは宇宙人だと信じている家族の姿を通して、宇宙人同士の対決が描かれています。宇宙や地球にとって人類は必要なのか否か。本書の発表は1962年。当時の世相とかんがみて読むと、三島がなぜこのような小説を書いたのかがわかるかもしれません。
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女神 改版
三島 由紀夫(著)
表題作は、やけどにより美貌が損なわれてしまった妻の代わりに、娘を理想の女性に育て上げようとする男の物語です。三島の女性に対する美意識が全面的に反映されていますが、女性からは反発もあるでしょう。しかし登場する女性たちの心理描写は素晴らしく、三島ならではの美しい文体が心地よい1編です。本書には全11編が収録されています。
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夏子の冒険 改版
三島 由紀夫(著)
利発で美しくも、わがままな20歳の夏子が周囲を振り回しながら、自由に自分の生きる道をさがす冒険物語です。夏子に関わる登場人物がコミカルに描かれており、読者までもが翻弄される展開はエンディングまで続きます。読後は自分に正直に生きている夏子に、羨ましさや憧れを抱いていることでしょう。
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