涙腺崩壊は確実!?死によって分かつ期間限定の切ないラブストーリー

実写映画＆ドラマ化され、300万部を超える大ヒットとなった高校生同士の恋愛を描いた小説です。大人になった朔太郎が、白血病によって亡くなった恋人アキとの思い出を振り返るかたちで物語は進んでいきます。「人はいかにして喪失感を克服できるのか」ということを考えさせられる、涙なしには読むことが困難な一冊です。

本が大好きで人と関わることを煩わしく思っている高校生の「僕」は、ある日、明るくて人気者のクラスメイト・山内桜良が膵臓の病気で余命わずかであることを知ってしまいます。その日から咲良の強引さに引きずられ、食事や旅行に連れ出される「僕」。淡々と進む物語の先にある衝撃・・・、恋愛未満の2人の明るさが逆に切なくなってきます。

主人公の「私」は不治の病であった結核を発症した美しい婚約者・節子に付き添い、高原のサナトリウムへと向かいます。表題作「風立ちぬ」では、そんな2人の期間限定の時間が淡々と描かれています。季節の移ろいを丁寧に描くことによって、2人に残された幸福なときを映し出した名作です。ほか3編が収録されています。

いとこ同士ながらも惹かれあうようになった政夫と民子は、世間体を気にする大人によってその関係が引き裂かれ、政夫は遠くの学校へ、民子は嫁いでいくことになります。数年後、政夫は民子が自分の写真と手紙を手にして死んだことを知り・・・。親族の前では思い切り泣くことができない彼の心情に切なさが募る、そんな表題作のほか3編を収録した一冊です。

天才少女画家として名を馳せ、恋のうわさも絶えない純子。彼女に翻弄されながらも惹かれていく主人公は恋愛関係に発展することを期待していたのですが、それは純子の自殺により無残にも打ち砕かれてしまいます。それから20年後、作家となった主人公は純子にゆかりがある人物を取材し、彼女の本当の姿を知ることに・・・。渡辺淳一の自伝的小説です。