ブックキュレーター作家 柴崎友香
家と間取りから家族を見つめる小説
自分が住むわけでもないのに間取り図を眺めるのってなんだか楽しい。部屋の配置からそこに住む人の生活、人間関係を思わず想像してしまうからかもしれません。小説の中で、家の佇まいや間取りはそこに住む人や家族の人生や関係をあらわし、ときには、そのあり方に影響を与えるスリリングな存在でもあります。
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地方に陰鬱に佇む、荒涼とした屋敷。代々その屋敷を受け継いできたアッシャー家の末裔の最後の姿を見つめる。暗い運命を背負った兄妹を蝕む屋敷が、怖ろしくて美しい文章で綴られる。まさにすべてが「崩壊」する最後は圧巻。
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門
夏目 漱石(著)
友人から略奪したという結婚の経緯から宗助とお米がひっそりと暮らすのは、崖下の路地の奥、小さな家。崖の上にある裕福な家の主人と知り合ったことで、宗助の生活は揺らぐ。二つの家をつないだのが酒井抱一の屏風なのもおもしろい。
ブックキュレーター
作家 柴崎友香1973年大阪生まれ。大阪府立大学総合科学部卒業。2000年、『きょうのできごと』でデビュー(同作は2003年に映画化)。『その街の今は』で織田作之助賞大賞、芸術選奨文部科学大臣新人賞、咲くやこの花賞、『寝ても覚めても』で野間文芸新人賞、『春の庭』で芥川龍之介賞受賞。『ビリジアン』『わたしがいなかった街で』『週末カミング』『パノララ』、エッセイ集『よそ見津々』など著書多数。
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