ブックキュレーター作家 葉真中顕
人間、このしぶとく生きる動物に光あれ!
生きるって素晴らしい──なんて、簡単には言えない。言ったらそれは綺麗事だ。生きていれば、つらいことも悲しいこともある。それでも、人は生きる。苦しくても、みっともなくても、生きていく。そんな人間の綺麗事だけでは収まらない切実な「しぶとさ」を感じさせてくれる本を紹介。
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全裸監督 村西とおる伝
本橋 信宏(著)
前科7犯、借金50億、AVの帝王あるいは怪人と呼ばれる男。希代のトリックスター村西とおる監督の半生を、一番古い記憶から辿ってゆくノンフィクション。その破天荒すぎる人生は昭和から平成にかけての裏面文化史でもある。700ページも一気読み必至の一冊。ナイスですね!
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逝かない身体 ALS的日常を生きる
川口 有美子(著)
それは、ある日突然やってきて人生を破壊してゆく病。全身の筋肉が徐々に麻痺してゆく難病ALS(筋萎縮性側索硬化症)にかかってしまった母親の、あまりにも壮絶な介護の記録。病魔がむき出しにしてゆく「生」の実相、その苦しみと、貴さ。もしも私だったらと、考えずにはいられなくなる一冊。
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この世界は広く豊かだ。色々な人がいる。でもだからこそ、どうしてもわかり合えない「他者」が存在してしまう。阿部共実はそんな「世界の豊穣」と「共感不可能性」との表裏一体の緊張関係を、ときに可愛らしくときにソリッドに描く恐ろしい作家だ。本作第2巻収録の『8304』は紛れもなく、その最高傑作と思う。
ブックキュレーター
作家 葉真中顕1976年東京生まれ。2012年、老人介護問題を扱った『ロスト・ケア』にて、第16回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、ミステリー作家としてデビュー。2作目の『絶叫』で描いた、ひとりの女性の堕ちてゆく人生が反響呼び話題になった。その他の著書に『ブラック・ドッグ』『コクーン』、また「はまなかあき」名義による児童向け小説『ライバル おれたちの真剣勝負』などがある。
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