ブックキュレーター作家 上田岳弘
世界と歴史を旅する読書。ユーラシア大陸横断篇
文学で今を描くとき、おのずとそこには「世界」と「歴史」が現れる。その対象が政治であれ、革命であれ、恋愛であれ、今の人間存在と、色濃く結びついたそれらを読書によって自身にも紐づける。それが文学を読むという行為ではないか?・・・という大上段に構えた選書です。
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著者七年ぶりの本格長編小説。原稿用紙二千枚、初回配本、百三十万部というスケールがまず話題にのぼるが、人称が「私」へと移行した本作は、いわゆる「春樹的」なモチーフに溢れているようで、著者の視点や味付けは、これまでと明らかに異なっている。
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ウエルベックは本作において、かのシャルリ・エブド事件を誘発、あるいは予言したのか。世界にあまねく広がる価値基準があるとして、それを拒絶する人々がいる。価値観は錯綜し、諍いは日常へと溶け込んでいる。フランス文学の鬼子は本作において、故郷フランスを新たな時代の仮想の「戦場」としてしまった。
ブックキュレーター
作家 上田岳弘1979年2月26日兵庫県生まれ。大学卒業後、法人向けソリューションメーカーの立ち上げに参加し、現在は同社で役員を務める。2013年、「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞しデビュー。2015年、「私の恋人」で第28回三島由紀夫賞。2016年、国際文芸誌『Granta』日本語版にて「Best of Young Japanese Novelists 2016」に選出される。著書に『太陽・惑星』、『私の恋人』、『異郷の友人』。
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