ブックキュレーター作家・ジャーナリスト 冷泉彰彦
トランプ時代を読み解く5冊
トランプ政権の発足から3ヶ月になろうとしていますが、いまだに政権の基盤は確立したとは言えません。また、政権の方向性も明確になってはいません。その一方で、世界の言論界は、この「トランプ現象」の意味を解読しようと躍起になっていますが、こちらも決定打というような解説は登場していないように思われます。そんな中で、読者の皆さまが「トランプ時代」とは、どんな時代なのかを読み解く手がかりとして、以下の5冊を取り上げようと思います。
※本ブックツリーの内容は、執筆時点(2017年4月3日)の情報に基づいております。
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ボストン在住。民主党支持者の動向に密着して、ヒラリーの選挙戦を追いつつ、トランプ陣営の動向、更には「忘れられた白人層」にも目を配った2016年大統領選挙のリアルな現地報告。視点が明確であることで、選挙戦の「現場」感覚が伝わってくる好著です。
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トランプ当選の衝撃を分析しつつ、その「意味」を選挙戦の時間軸の中に探ろうとした内容。民主、共和両党の予備選プロセスを丹念に追いながら、様々なエピソードを通じて浮かび上がる「アメリカの分断」と「苦悩」は、単に一回の大統領選の記録ではなく、現代のアメリカ社会を考える上での材料を提供していると思います。
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こちらは、歴史的な文脈の中で「トランプ現象」を把握しようという思考実験の書です。特に50年のスパン、20年のスパン、8年のスパンという立体的な切り口での分析は新鮮です。左右対立の硬直した発想から自由な思考スタイルが発揮されている点では、新世代の論者としての面目躍如と言えます。
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歴史的な選挙戦を現場取材した記者チームによる貴重な記録。そして、東大の久保文明氏の解説も含めて、今回の選挙の意味について立体的な理解ができる好著です。
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アメリカと中国
松尾 文夫(著)
著者は、1971年にニクソン訪中を予言して脚光を浴びて以来、半世紀近く米中関係を追いかけてきたベテラン。本書は、その集大成としてアメリカ建国の時点に遡って、米中関係の深層に迫るライフワークとなっています。今後の東アジアを左右する要素としての米中関係を考える上での必読書と言えます。
ブックキュレーター
作家・ジャーナリスト 冷泉彰彦ニュージャージー州在住。作家・ジャーナリスト。プリンストン日本語学校高等部主任。1959年東京生まれ。東京大学文学部卒業。コロンビア大学大学院修士。福武書店(現ベネッセコーポレーション)勤務を経て93年に渡米。近著に『トランプ大統領の衝撃』(幻冬舎新書)『民主党のアメリカ 共和党のアメリカ』(日経新聞出版)など。メールマガジンJMM(村上龍編集長)で「FROM911、USAレポート」を連載中。Newsweek日本版ブログ、週刊メルマガ(有料)「冷泉彰彦のプリンストン通信」(http://www.mag2.com/m/0001628903.html)配信中。
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