生き続けるのは幸か不幸か?不老不死の主人公の心を読むコミック

主人公・雪村魁は、見た目は少年ですが今年で88歳の吸血鬼です。不老不死になってしまったせいで好きだった少女と距離を置いた結果、彼女が非情な殺人事件「羊殺し」の被害者になったことを悔いています。半世紀以上が経った今も「羊殺し」の犯人を追いかけ突き止めようとしている姿には、せつなさが漂います。

食べると不老不死になるか、高確率で化け物になる人魚の肉。偶然に人魚の肉を食べて不老不死になってしまった元漁師の湧太。周りがどんどん老いて死んでゆくのに自分だけが若いまま。 500年間、孤独にさいなまれながら生き続ける湧太の苦悩と、それを理解せず、人魚の肉を求めて凶行に走る人間との対立が描かれています。

体に血仙蟲という蟲を埋め込まれ不老不死になった浪人・万次と、復讐のため用心棒として彼を雇った娘・凛。万次は不死に対しての悔恨や嫌悪感が薄く、腕を切断しおとりに使うなど、その体質をフル活用して戦います。自分のことよりも、亡き妹に面影が似ている凛を見守りながらも飄々と生きる姿は、どこか達観したようにも見えます。

20世紀の英国を舞台にした、吸血鬼を狩るための吸血鬼・アーカードと、バチカン、ナチスの残党との三つ巴バトルコミックです。アーカードもかつては人間でした。しかし、死にたくないという自らの心の弱さから不老不死を得たことに負い目があります。ゆえに命を賭けて彼に戦いを挑んでくる人間の勇気を賞賛し、全力で応戦します。

事故で死亡したはずが生き返ってしまった高校生、 永井圭。彼は不老不死でまがまがしい存在「亜人」と認定されてしまいます。なんとか収容された実験施設からの脱走に成功するも、日本政府から莫大な懸賞金をかけられて逃亡者とされてしまう・・・。周りすべてが敵で、誰にも頼れない圭の孤独と焦燥感がひしひしと伝わってきます。