目を覆いたくなるような残酷さ・・・でもやめられない中毒性のあるコミック

地球を守るために少年少女が巨大ロボットで戦うストーリー。ですがアクション系ではなく、強制的に「死」に直面させられた少年少女の心境が描かれています。死がもたらす悲劇や絶望を感じるだけでなく、「地球を守る使命感」があることによって「死とは？」「正義感とは？」と考えるうちに引き込まれていくコミックです。

転校生である野崎春花が受けているイジメがエスカレートし、彼女の家族にも被害が及んでしまうことからはじまる物語。そして春花がいじめっ子に対して残虐に復讐をくり返していきます。復讐内容が過激なために目を覆いたくなりますが、異常なまでにいじめっ子に「死」という罰を与えていく姿は、爽快にさえ感じます。

主人公・シイナは竜の子・ホシ丸という不思議な生物と出会ったことで、別の竜の子の力を悪事に使おうとする輩たちとの戦いに巻き込まれます。その輩たちの異常な思考・拷問シーンの過激さはトラウマ級。「死以上の絶望」を感じさせ、後味が悪いのに不思議と読み進めてしまう。現実では味わえない絶望感には中毒性があるのかもしれません。

主人公・荻野と高井は、谷脇にパシリにされ、絶望を共有する仲。しかし萩野は、バイク教習所で出会った美女と付き合うことに。一方、高井は親が失業し、絶望感から谷脇への復讐をある男に頼みます。その男は谷脇を拉致し耳を削ぐなど残虐。異常な展開に巻き込まれていく緊張感を感じるとともに、萩野の恋の行方が気になります。

母子家庭で育った住田は、母と貸ボート屋を営み貧乏ながらも「普通で平凡」な暮らしを求めていました。しかし母が男を作り借金を残して家を出ていき、さらに父親が現れ絶望的な展開に・・・。たくましい性格の住田が徐々に希望を失い崩れていく姿に「自分が住田だったら？」と考えさせられ、どんどん引き込まれます。