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漫画の神様・手塚治虫が本当に伝えたかった戦争の真実
「漫画の神様」といっても過言ではない功績を残してきた手塚治虫は、自らの戦争体験を題材にした漫画を数多く描いています。彼が信じてきた漫画という表現手段で、どうしても伝えたかった戦争の真実とは何だったのでしょうか。手塚治虫の戦争への思いが十分に伝わってくる漫画を紹介します。
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アドルフ・ヒトラーの出生の謎をからめ、ドイツ・日本を舞台に3人の「アドルフ」の人生を追った歴史大作です。戦争と運命に翻弄される人々の悲哀を通して、国や主義のために戦うことの愚かさを見せつけてくれます。「『アドルフに告ぐ』は私の戦前・戦中日記」と語った手塚治虫の、記憶の底にある戦中の神戸が描かれています。
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医師免許をもつ手塚治虫が描く天才外科医ブラック・ジャックの物語には、たびたび戦争をテーマにした話が登場します。連載期間の1973~83年の世相を反映し、核実験やベトナム戦争などを題材にして、戦争の不条理さも描かれています。負傷兵を治して、また戦場へ送り出す。そんな医者のジレンマもテーマとなっています。
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『火の鳥』は「永遠の命」と「人の業」をテーマにした手塚治虫のライフワークで、2巻「未来編」は人類の結末を描き切った意欲作です。1950年代に激化した米ソによる東西冷戦と核開発を危惧し、核による終末戦争の世界が批判的に描かれています。今読むと、遠い未来の話ではないと思えてくるかもしれません。
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戦後の大阪を舞台にした未完の大河作品であり、手塚治虫の自伝的要素もある物語です。戦後食糧難の切実さ、闇市と戦災孤児、米兵やGHQへの憎しみなどの実相が描かれ、著者が当時感じたやり切れなさがにじみ出ています。児童漫画家の主人公の漫画に見向きもしない孤児たちの姿から、すべてを奪う戦争のむごさを感じます。
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