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溢れる情報をどう処理して行動するか、現代に必須な知的能力を養う本
情報が容易に手に入り、情報それ自体に価値がなくなった現代では、受け取り手がそこから先に何を考えどう行動するか、という知的能力が問われる。情報収集の速度をあげたり、情報源を多様化させたりといった「量的な問題」にとらわれることなく、その人固有の価値基準の形成を助け、知的活動の核となり基軸となりうる本を揃えた。【選者:楠木建(くすのきけん:1964-:経営学者)】
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ヒトラー 上 1889−1936傲慢
イアン・カーショー(著) , 石田 勇治(監修) , 川喜田 敦子(訳)
ナチズム研究の第一人者が書いたヒトラーの評伝。「全人類必読の遺産」と言ってもいいほどの価値がある一冊。ヒトラーが権力を掌握し、頂点を極めた後に奈落の底に落ちていくまでのプロセスを追体験できる。歴史的教養が詰まった本書を読むことで、今日の事象に対しても自分なりの考えを持ち、自分の頭と言葉で判断し行動する力を養える。
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スターリン 赤い皇帝と廷臣たち 上
サイモン・セバーグ・モンテフィオーリ(著) , 染谷 徹(訳)
「本当に強いリーダー」が出てきたら人間社会はどこまで振り切れることができるのか、本書はその恐ろしさを教えてくれる。スターリンは正真正銘の「バケモノ」であり、良くも悪くも「強いリーダー」そのものだった。彼は最後まで独裁者として生涯を全うし、驚くべきことに、粛清された側の人々でさえ最後までスターリンを尊敬していた事実が本書では明かされている。
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日本永代蔵
井原 西鶴(著) , 東 明雅(校訂)
井原西鶴は江戸時代の物語作家というイメージが強いが、彼は同時にジャーナリストでもあった。本書は当時の商売のケーススタディを通じて、商売の原理原則を考察する。事例自体は素朴だが、彼のビジネス論理は現代と本質的に変わらず、100年先でも通用する基本原理である。商売の根本原理をつかむにふさわしい書である。
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サミング・アップ
モーム(著) , 行方 昭夫(訳)
小説の本領は人間の本性を見つめることにある。本書は極上の人間洞察に溢れた一冊だ。人間についての観察と考察を繰り返したモームが行き着いた結論は「首尾一貫した人は誰もいない」ということだ。昨今の社会では人間についての前提が薄っぺらにすぎると思う。本書は”綺麗ごと”ではない本質的な人間理解を与えてくれる。
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