ブックキュレーター保育士・ライター・コラムニスト ブレイディみかこ
もっと、視点アップデートのための翻訳本を!
ブレグジット、トランプ現象、テロ・・・、揺れる国際情勢を理解するのに不可欠な「海外で話題になった本」の翻訳本。が日本で出にくい時代になっています(出てもタイムラグがやけに長い)。いまこそ、翻訳本、だいじ。もっと早くに日本でも読まれるべきだったと強く感じるものも含め、翻訳本を5冊選んでみました。
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現代の英国を代表する若き左派論客が21世紀の階級差別を赤裸々・辛辣に論じる。英国のみならず、海外でもベストセラーになったこの本の邦版が出たのは出版から6年後の2017年。このタイムラグは大きい。と切実に思う。
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『こうした新しい社会闘争(そのいくつかは「人種」において、あるいは「人種」を通じて遂行される)が階級闘争と呼ばれうるなら、階級の分析それ自体が徹底して見なおされなければならない』(同著より)。1987年刊のクラシックにはいまでも十分に新しい文章が随所に登場します。
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ブレグジット、トランプ現象で世界にその(悪)名をとどろかせた「ワーキングクラス」。英国の労働者階級はどのようにして形成され、どのように闘い、勝利をおさめ、敗退し、過去100年間でいかに変化してきたでしょうか。同著は、日本の人々が知らない「もう一つの英国の歴史」を教えてくれるでしょう。
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2011年に出版されるや否や世界的な議論を呼び、アナキストだけでなく反緊縮派たちに愛され、ピケティに「アイ・ラヴ・負債論」と言わしめた大ベストセラー。ようやく2016年に日本でも翻訳版が出版されました。日本に経済問題を訴える社会運動が出にくいのは、実はこの時間差が原因?
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若者、そして子どもたちは、当然ながら社会の未来を担う人々。激動する社会に翻弄されて短期的な処方箋を考案しているばかりでは、長期的にはその社会は自殺を図っているようなものなのだという現実を、米国の側から見せてくれます。
ブックキュレーター
保育士・ライター・コラムニスト ブレイディみかこ保育士・ライター・コラムニスト。1965年福岡市生まれ。96年から英国ブライトン在住。著書に『花の命はノー・フューチャー』(ちくま文庫)、『アナキズム・イン・ザ・UK』『ザ・レフト』(以上、Pヴァイン)、『ヨーロッパ・コーリング――地べたからのポリティカル・レポート』(岩波書店)、『THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日本』(太田出版)、『子どもたちの階級闘争――ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房、第16回新潮ドキュメント賞受賞)、『いまモリッシーを聴くということ』(Pヴァイン)がある。http://blog.livedoor.jp/mikako0607jp/
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