ブックキュレーターフォトグラファー・記者 長塚奈央
心の底から溢れ出る「好き」という気持ちを、日々重ねていきたくなる本
最近読んだのは気がつけばどれも概して、「天才」「怪物」とやがて言われるようになる少年が主人公のコミック。でも読んでいて一番感じたのは、優れた才能よりも彼らがその対象を「好きで好きでたまらない!それなしの人生なんて考えられない!」と日々全身で楽しむ様子。個人的にこれから積み重ねたい「好き」に関わる本と合わせて紹介します。
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バスケ部だった高校生の宮本大が、ある時見たジャズライブに圧倒されサックス奏者として世界を目指す物語。その強い「好き」は彼に迷っている隙など与えないほどで、どんな日も河原で独り練習し突き進む様子が印象的。迫力ある音が聞こえてくるようなシーンと、主人公の将来を仄めかす毎巻末のシーンにもワクワクします。
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この本の主人公、村尾潤平も子供の頃に見たバレエに取り憑かれながらも「男がバレエなんて」と気持ちを押し殺し中学生に。そこでの新たな出会いから、ついに自分の気持ちに正直にダンスに取り組む。人の目を気にしていた彼が学校でも「これが自分の好きなこと」と軽やかにステップを踏み、練習に没頭するシーンが爽快。
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映画の中の本屋と図書館
飯島 朋子(著)
生業にしないまでも、日々積み重ねていくような「好き」も身近にいろいろ。「本」も「映画」も好きな私は、日々映画を見るたびにそこに登場する本屋や本が気になっていたけれど、そんな矢先に出会ったのがこの1冊。撮影場所となった図書館や、登場する図書委員などにも触れていて、逆引き的に読んで映画を見る楽しみも。
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世界を食べよう! 東京外国語大学の世界料理
沼野 恭子(編)
世界には200近い(数え方ではもっと多く)の国が存在する。各国の人が一体どんなものを食べているのか、直接その国に行けないまでも出会えるきっかけがあれば味わって「食」への「好き」を積み重ねたいと思う日々。大学の教員たちが自分の専門研究エリアの食文化について語った一冊はレシピ付きで31ヵ国制覇できます。
ブックキュレーター
フォトグラファー・記者 長塚奈央1973年東京生まれ。学習院大学文学部フランス文学科卒業ののち、パルコブックセンター本部勤務を経てカメラマンに転身。書籍や雑誌を中心に料理や雑貨、インテリアの撮影を多数手掛けるほか、カメラ学校の講師などもつとめる。著書に自ら旅し、食のシーンから街の空気を写真と文章で綴った『上海口福案内』がある。近年は撮影の傍ら、地域に密着したWebニュースの記者として積極的な取材活動も行っている。日常からあっという間に非日常へとワープできる本と映画、舞台が生活に必要不可欠。
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