ブックキュレーター文筆家 木村衣有子
この秋おすすめ!文庫で読む「食」の本
どこからどう選び出しても渋いラインナップになってしまう、それが中公文庫のいちばんの個性かもしれません。そのいぶし銀の背表紙に、晴れて私の食エッセイ集『キムラ食堂のメニュー』も仲間入りできたことを記念して、食にまつわる文庫をピックアップしてみました。
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34歳から41歳までに書いた食べものエッセイを集めたというところから「食堂」なる言葉が浮かび、そして中公文庫には『小説家のメニュー』という開高健の名著があることに因み、このタイトルになりました。表紙を飾るのは、岩手は花巻『マルカンビル大食堂』名物の「ナポリかつ」です。
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銀座『ランブル』、南千住『カフェ・バッハ』、吉祥寺『もか』という三軒の店主らの、コーヒーに対する真摯で一途で過剰な思い入れを書き尽くした本。読んでから、果たしてコーヒーにこれほどまでに憑かれるのは男だけなのか、という小さな疑問が生じ、それはまだ胸中にある。
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魯山人陶説
北大路 魯山人(著) , 平野 雅章(編)
魯山人がこしらえたお皿や鉢をはじめて観たのは、18、9歳のとき。ガラスケースの中にあっても、すんごく活き活きとしていた。食器とはこんなに力があるものだと気付かされた。その魯山人が、器をつくるにあたっての背景や、手本にした器あるいは反面教師にすべき器などについて書き、語ったこの本も、やっぱり力がある。
ブックキュレーター
文筆家 木村衣有子文筆家。1975年栃木県生まれ。持ち場は食文化と書評。主な著書に『もの食う本』(ちくま文庫)、『はじまりのコップ 左藤吹きガラス工房奮闘記』(亜紀書房)、『銀座ウエストのひみつ』(京阪神エルマガジン社)、『コーヒーゼリーの時間』『コッペパンの本』(産業編集センター)などがある。お酒ミニコミ『のんべえ春秋』編集発行人。Twitter:@yukokimura1002 Instagram:@hanjiro1002
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