ブックキュレーター児童文学作家・翻訳家 石井睦美
友達が、恋人が、そして家族が集うこの季節に、家族について思いめぐらしてみませんか
いつもそばにいて、なんでもわかっているように思う家族。でも、ほんとうにそうでしょうか。もしかすると、世界のなかでいちばん不可解なのが家族かもしれません。それに、家族の在り方だっていろいろです。この五冊、おとなりにいそうな家族から、少し――いいえ、かなりとくべつな家族まで。ほんと、家族って奥深い。
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すきまのおともだちたち
江國 香織(著) , こみね ゆら(絵)
新聞記者の「私」が旅先で出会ったのは、物言うお皿と暮らす風変わりな「女の子」。帰り道を失った「私」は彼女のお客さまに。それから数年、二度目の突然の訪問に戸惑う「私」。「女の子」はといえば、まるで、放蕩娘の帰還をやれやれと迎える母親のよう。ふたりの関係はともだち以上、家族未満?いいえ、家族そのもの。
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まつりちゃん
岩瀬 成子(作)
一軒の家にひとりで暮らす小さな女の子、まつりちゃん。あ、ひとりじゃなくて、猫のきんちゃんも一緒です。ひとりと一匹でも、まつりちゃんの日々は不思議な明るさに満ちている。それは、微塵もうたがわずに信じて待つことができる家族の存在があるから。物語同様、まつりちゃんと触れ合うと、ほんの少し、自分が変わるかも。
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十三番目の子
シヴォーン・ダウド(作) , パム・スマイ(絵) , 池田 真紀子(訳)
ひとりの女の十三番目の子を、十三歳の誕生日に生贄として暗黒の神に捧げる。村に伝わる掟によって、家族から引き離されて育った少女ダーラ。運命の日の前夜に知ったのは、あまりに過酷な信実。絶望のなかで死んでいこうとしたそのとき、双子の兄が現れて。家族の苦しみ、悲しみ、そしてそれを越えようとする深い愛の物語。
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マッチ箱日記
ポール・フライシュマン(文) , バグラム・イバトゥーリン(絵) , 島 式子(訳) , 島 玲子(訳)
ひいおじいちゃんが持っているたくさんのマッチ箱。字が書けなかった少年は、日記代わりに思い出のかけらをマッチ箱に詰めた。ひとつひとつマッチ箱を開きながら、ひ孫娘に思い出を語るひいおじいちゃん。着彩で描かれる現在と、セピアで描かれる過去。絵本でしかできないやり方で物語られたイタリア移民の一家の物語。
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しろうさぎとりんごの木
石井 睦美(さく) , 酒井 駒子(え)
ちいさなしろうさぎは、まだまだ知らないことがたくさん。けれど、おかあさんがいれば安心して生きていられる。ちいさなしろうさぎに、ちょっと手をやきながらも、おかあさんもしろうさぎがいることがしあわせ。変哲もない日々の幸福を、その大切さを、億面もなく描いたものです。
ブックキュレーター
児童文学作家・翻訳家 石井睦美神奈川県生まれ。『五月のはじめ、日曜日の朝』(岩崎書店)で毎日新聞小さな童話大賞と新美南吉児童文学賞、駒井れん名義『パスカルの恋』(朝日新聞社)で朝日新人文学賞、絵本の翻訳『ジャックのあたらしいヨット』(BL出版)で産経児童出版文化賞大賞、『皿と紙ひこうき』(講談社)で日本児童文学者協会賞を受賞。作品に「わたしはすみれ」シリーズ(偕成社)、『しずかな しずかな クリスマス・イヴのひみつ』(BL出版)、『兄妹パズル』(ポプラ社)、『愛しいひとにさよならを言う』(角川春樹事務所)、『ビックバンのてんじくネズミ』『しろうさぎとりんごの木』(文溪堂)など多数。
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