クスッと笑って、心あったまってほしい人へ

物には存在する目的があるけれど、それは持ち主の自由。おじさんの傘に対する愛があまりにも可笑しくて、だけど、誰もがちょっと理解できるところが、また面白い。最初と最後しか登場しない奥さんが、ちょい役ながらあったかい。

おびかゆうこさんの訳がたまらなく好き。そして、エリーちゃんの前に現れるサンタさんの姿に、私は毎回力が抜けてしまうほど笑ってしまう。あまりにも細っこくて弱々しい。しかも、ぴったりのタイツ姿！でも、このサンタさんのお陰でツリーの飾りが仕上がります。とってもやさしい絵本。

豆のさやからポンと飛び出た5匹の子猫。まめまめしいのにそれぞれの特徴を活かし、健気におかあさんを探しに行くお話。色に溺れてしまいたくなる様な、山下さんの卓越した色づかいと筆づかい。一度みたら忘れられない毛虫。「ママ！」ではなく、「かあちゃん！」と呼びたくなる母親猫の姿が魅力的。

ひとりでお留守番をする時間は、心のままに過ごせる至福の時。食べたいものを思い浮かべているくまちゃんの幸せそうな表情が、なんとも言えない。楽しさが溢れ出ている。でも、何処かたんたんとしている可笑しさ。親子でシチューを食べている時の会話のあたたかさがたまらない。寒～い季節に心地よい絵本。

おつきさまって、本当は食べられるんです。お星さままで広がる甘～い香り。体がまんまるになるまで食べちゃう幸せ。でも、全部食べてしまったら・・・？本能むき出しの動物になって、どっぷり夜の世界を楽しんで頂きたい。夜空を見上げるのが楽しくなってくれたら嬉しいです。