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複雑な要因をはらむ「摂食障害」について知ることができる本
拒食や過食がやめられない「摂食障害」は、若い女性を中心に社会問題の一つになっています。痩せているのをよしとする風潮や家族環境など、摂食障害の要因は複雑。そのため治療にも年月が掛かります。人間の根本である「食」という行為に表れる心のSOSを知ることは、私たちの社会がはらむ問題を理解する助けにもなることでしょう。
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なぜふつうに食べられないのか 拒食と過食の文化人類学
磯野 真穂(著)
摂食障害は医療の世界でどのように解釈され、それが女性たちにいかなる影響を与えたかなど、多角的に考察しています。「痩せたい」という気持ちから摂食障害に陥った女性たちへのインタビューを軸に、現代社会で「痩せる」ということがもつ意味に迫ります。「食べる」という行為の本質について、改めて考えさせられる一冊です。
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彼女たちはなぜ万引きがやめられないのか? 窃盗癖という病
河村 重実(著) , 竹村 道夫(監修)
理由なき万引きを病的にくり返す「窃盗癖」のなかには、女性を中心に摂食障害を併発しているケースが一定数見られます。その症例とともに、施設や自助グループを介した治療方法、高い再犯率にどのように向き合うかなどが丁寧に記されています。当事者の気持ちを理解しづらい複雑な心の病の一端を知ることができる一冊です。
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鏡の中の少女
スティーブン・レベンクロン(著) , 菊池 幸子(訳) , 森川 那智子(訳)
ダンサーを夢見る15歳の少女が、ダイエットにのめり込み、拒食症になり、時間を掛けて病気と向き合う過程をつぶさに綴った小説です。少女の葛藤、家族の苦悩、治療者の逡巡には、思春期やせ症の研究をしている著者だからこそ描けるリアリティがあります。最終的に少女がたどり着いた気づきに、ささやかな希望が感じられます。
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