ブックキュレーター花まる学習会代表 高濱正伸
思春期の子どもとともに読む本
人を成長させるものは何か?については、教育を生業としている故に、常に考えてきた。その結果、「母が偉大」「何かに没頭する経験」「読書体験」ということに行き着きました。思春期の子どもは、正論以外の現実に気づき始める。そのタイミングで、親子が対話することに大きな意味があります。その橋渡しとなるような本を選びました。
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著者の漆紫穂子氏は「遺書がわりの作品」とまで言っていた力作。私が妻と結婚した25年前は「良妻賢母」の価値観が存在したが、現在では、それが文化的な思い込みであることが露呈しつつある。「仕事と家庭のバランス」「どう活き活きと働くか」など、現代の全ての女性が悩む問題について、非常に深く踏み込んで、具体的なコツや心構えを披露している。是非、中学生以降の娘と母がこの本を通じて会話してほしい。
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ロジカルシンキング、プログラミングスキル、各種の資格など、分かりやすい仕事上のスキルをブライトサイドスキルと呼ぶ。しかし、社会に出てみると、全く違うところ(本書で言う、ダークサイドスキル)で、人は評価され、物事が進むことを知ることだろう。きれいごとだけでないスキルについて、その身につけ方も含め丁寧に記載されている良書だ。
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日本は、江戸時代から、数学者や数学愛好家は難問を解くことに成功すると神社や寺に算額(問題と解法が書かれたもの)を奉納する文化があったり、寺子屋では全員がそろばんを使いこなせる等、文化的に数学に馴染みが深い。結果として、明治維新により武士の時代から科学の時代に変化しても、時代の流れについてこれたのだという説もある。理系民族であることの財産を大切にし、数学の奥深さを知るために、是非、親子で読んでほしい。
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小学高学年や中学生になると、あるべき論だけでは成り立ってない現実に気づく。子どもは、大人から恋や愛の尊さをあるべき論で語られても、夫婦があまりうまくいっていないという現実を知っています。そのときに必要なのは、「語る側が、その人なりの信念を如何に熱く語るか」です。是非、この本を通じて、対話をしてもらいたい。
ブックキュレーター
花まる学習会代表 高濱正伸花まる学習会代表、NPO法人子育て応援隊むぎぐみ理事長、算数オリンピック委員会理事。1993年、「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にすえた学習塾「花まる学習会」を設立。『小3までに育てたい算数脳』、『わが子を「メシが食える大人」に育てる』ほか、『算数脳パズルなぞぺー』シリーズなど、著書多数。全国各地で年間約100開催する講演会も好評。ニュース共有サービス「NewsPicks」のプロピッカー。アプリラジオ「ちょっと聞いてよ高濱先生!」を「勢太郎の海賊ラジオ」にて放送中。1959年熊本県生まれ。東京大学農学部卒、同大学院農学系研究科修士課程修了。
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