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『変身』『城』『審判』だけじゃない。カフカの底知れぬ魅力が味わえる本
20世紀最高の小説家の一人、フランツ・カフカ。『変身』『城』『審判』が有名ですが、それらを読んだだけで彼の魅力は汲み尽くせません。そこでここでは隠れた名作や評伝、日記など、さまざまな角度からカフカを知ることができる本を集めました。「不条理」のひと言では表現できない、あまりにも独特な想像力に引き込まれることでしょう。
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失踪者
カフカ(著) , 池内 紀(訳)
女中を妊娠させてしまったせいで、両親にドイツからアメリカへ放り出されたカール青年。異国の地で孤独な彼の前に現れるのは、なんとも奇妙な人物ばかりでした。突然絶縁状を叩きつけられたり泥棒扱いされたりと、行く先々で理不尽な目に遭います。どことなく暗い印象をもつ他の長編とは違い、明るくコメディ感があふれる小説です。
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カフカが遺したノートや日記、手紙からピックアップした文章を収録した本です。『鳥籠が鳥を探しに出かけていった』『人間の肉体の明瞭な輪郭性は不気味である』『お前と世界との決闘に際しては、世界に介添えせよ』など、一読すると奇妙な言葉ばかり。前代未聞の作品を生み出した特異な思考と想像力の源泉をかいま見ることができます。
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カフカの生涯
池内 紀(著)
コンパクトにまとめられたカフカの評伝です。好きではないのに有能だった保険協会での仕事ぶり。同じ女性と二度婚約して二度とも破棄。会うよりも手紙のやりとりに熱心だった恋愛。健康を害しても止めることのなかった深夜の執筆活動。なんとも複雑な性格ながら、「書くこと」にすべてを捧げた姿が浮かび上がってきます。
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カフカとの対話 手記と追想
グスタフ・ヤノーホ(著) , 吉田 仙太郎(訳)
17歳のときにカフカと知り合った著者が、2人が交わした会話を中心に綴った回想録です。話題は文学、政治、宗教から、著者の人生相談までさまざま。息子ほども年の離れた若者の質問にもやさしく真摯に答えるカフカに、孤独で人付き合いの悪い一般的なイメージとはまた違った一面を知ることができます。
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