ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
自分はどう生きる?児童書の隠れた傑作で生き方を考える
「自分はどう生きるべきか?」そんな答えのない問いを考えるのにうってつけなのが、実は児童書。子どもの透徹した視点で書かれた数々の児童書は、慌ただしい日常では見過ごされがちな、人生の大切な問いを考えるきっかけを与えてくれます。小学校5、6年生くらいから大人まで幅広くおすすめできる、魅力的な5冊を選びました。
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まるまれアルマジロ! 卵からはじまる5つの話
安東 みきえ(作) , 下和田 サチヨ(絵)
オケラ、オオカミ、ハゲタカなど、個性的な動物たちが主人公の5話からなる短編集。そこに描かれているのは、自分の生き方に迷いを感じている人間の姿です。立ち止まって今の自分を見つめ直すきっかけとなる一冊。著者の代表作である『頭のうちどころが悪かった熊の話』とあわせておすすめできます。
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キップをなくして
池澤 夏樹(著)
キップをなくした少年イタルは、「ステーション・キッズ」と呼ばれる子どもたちと東京駅で暮らし、駅や電車に関する様々な仕事をすることになります。少年たちのひと夏の不思議な冒険を通して、生と死、時の流れなどさまざまなテーマが描かれます。希望を感じさせる読後感が魅力的。
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時をさまようタック
ナタリー・バビット(作) , 小野 和子(訳)
家出した少女ウィニーは、不思議な泉の水を飲んで永遠の生命を得たタック一家と出会い、思わぬ事件に巻き込まれます。限りある自分の人生をどう生きるべきかを考えるきっかけとなる傑作ファンタジー。夏の森や湖など、情景描写も印象的。『エバーラスティング』というタイトルで映画化もされています。
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十一月の扉
高楼 方子(作) , 千葉 史子(絵)
引っ越しを前に、2ヶ月だけ「十一月荘」で下宿生活を送ることになった爽子(そうこ)は、個性的な人たちとの出会いを通して、やがてお気に入りのノートに自分だけの物語を書き始めます。「人が自分の物語を紡いで生きること」を描いた、読後感非常にさわやかな一冊。登場人物たちの生き生きとした描写も魅力的です。
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エンデュアランス号大漂流
エリザベス・コーディー・キメル(著) , 千葉 茂樹(訳)
1914年、南極大陸横断を目指すも氷の海で遭難したエンデュアランス号。しかし、アーネスト・シャクルトン率いる探検隊は数々の困難を乗り越え、隊員28名全員が奇跡の生還を果たすことに成功します。絶望に陥ったときどう行動すべきか?真の勇気とは?遭難中の実際の写真も興味深い、胸熱くなる一冊。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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