ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
「異世界との出会い」を描くファンタジー小説
数あるファンタジー小説の中には、現実世界を生きる主人公がふとしたことから異世界へとさまよい込み、不思議な体験をするストーリーが多くあります。「ファンタジー」の語源は、「見えないものを見えるようにする」ということ。主人公たちと異世界へとトリップして、目には見えないけど大切な、この世界の普遍的なことを考えてみませんか?
- 66
- お気に入り
- 5663
- 閲覧数
-
ハンカチの上の花畑
安房 直子(作) , 岩淵 慶造(絵)
郵便配達の良夫さんが酒蔵のおばあさんから預かったつぼの中には、菊の花からおいしい菊酒を作ってくれる小人の一家が住んでいました。しかし、やがて良夫さんはおばあさんとの約束を破ってしまい・・・。メルヘン風のタイトルや表紙からは想像できないようなミステリアスな展開。幕切れの余韻がいつまでも記憶に残ります。
-
6年生の悟は、不思議な黒ネコ「ダレカ」に導かれて異世界へと入りこみ、「この世界で一番確かなもの」を探す冒険へと繰り出します。謎を出す竜との戦いなど、読者をぐいぐいと引き込む力を持つストーリー展開。物語の最後に悟が探していたものを見つけるシーンは非常に感動的。大人でも文句なしにのめり込めます。
-
野球の国のアリス
北村 薫(著)
野球好きの少女アリスは、ある日すべてが逆さまになってしまった世界に迷い込みます。そこでは野球が「負け進んで最下位になったチームを笑いものにする」スポーツになっていました。怒ったアリスは……。『不思議の国のアリス』のキャラたちも意外な形で登場。稀代のミステリー作家による、ユーモアと感動にあふれた一冊。
-
時計坂の家
高楼方子(著) , 千葉史子(イラスト)
夏休み、12歳のフー子はいとこのマリカからの手紙に誘われ、母の故郷である汀舘(みぎわだて)へ。時計坂にある祖父の家に泊まることになったフー子は、早くに亡くなった祖母の死と、突如現れる不思議な庭の秘密に迫ります。謎が謎を呼ぶストーリー展開。果てしない美の世界に魅入られた人たちのてん末が胸を打ちます。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です