ブックキュレーター「月刊 天文ガイド」編集長 佐々木夏
今年の夏は火星大接近の年!火星や太陽系惑星から宇宙の知識までを深められる5冊
2018年の夏は15年ぶりに火星が大接近します。7月31日に最接近し、夏休みの期間中は火星はもちろん同じ太陽系惑星の木星や土星も見やすく、観察を楽しめる時期です。火星大接近に備え、火星を含む太陽系惑星や宇宙の知識を深められる5冊を紹介致します。
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宇宙 そのひろがりをしろう
加古 里子(ぶん・え)
先日亡くなられた加古里子さんの本です。地球上の虫や鳥が飛ぶ距離や速さ、地球を飛び出すロケットの速度、やがて太陽系から銀河系を飛び出し、広大な宇宙の広がりまでをイメージさせる壮大な絵本です。1978年刊行ですが、現在読んでも色あせたところがありません。星空から宇宙に想いを馳せながら、親子で読みたい一冊です。
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惑星MAPS 太陽系図絵 もしも宇宙を旅したら もしも宇宙でくらせたら
宇宙兄さんズ(文) , イケウチ リリー(絵)
今を生きる子どもたちが大人になったころ、もしかしたら太陽系惑星への旅が実現しているかもしれません。本書は「将来行くかもしれない」場所としての太陽系惑星の旅行ガイドです。火星のパートでは、実際に火星を訪れた視点で、火星で生活する際の食べ物や、火星でもっとも高いオリンポス山に登る方法など、子供たちの好奇心を刺激するトピックを多数紹介します。火星の最新探査画像も掲載しています。
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The Real Mars火星の素顔
沼澤 茂美(共著) , 脇屋 奈々代(共著)
火星の最新の探査画像をまとめた一冊。豊富なビジュアルで火星を体系的に紹介しています。NASAや世界各国の探査プロジェクトが明らかにした火星に関する最新の知見が日本語で詳しく紹介されているので、資料性も非常に高い一冊です。望遠鏡で火星を見ながら、最新の火星の姿を本書で知ってみるのはいかがでしょうか。
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科学誌「Discover」の元編集長による書籍。現在、イーロン・マスクやジェフ・ベゾスなどの民間企業による宇宙開発計画が進んでいますが、人類は実際に火星に移住することができるのか、を現実的な視点で検証しています。火星で生きるための環境条件や経済的な課題、火星を変えるテラフォーミング計画から、人間を遺伝子レベルで変えて環境適応をはかる可能性まで、非常に興味深い話題が科学的な視点で紹介されます。そして、宇宙開発計画は夢に溢れているが、その活発化に伴い、無秩序な開発が始まる可能性があることにも警鐘を鳴らしています。
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日本の星名事典
北尾 浩一(著)
日本に古来から伝わる「星の呼び名」を紹介した本。現在の日本ではギリシャ神話由来の星座名が一般的ですが、太古の昔から人間は星を見、それぞれの土地、それぞれの文化に深く根差した星の名前を残してきました。たとえば日本では、オリオン座は、その鼓のような形から「鼓星」と呼ばれていたこともありました。著者の北尾浩一さんは長年、日本の星の名前を収集・研究してきた方で、天文ファンの間でも著名です。北尾さんのライフワークともいえる研究が一冊にまとまった、非常に貴重な一冊です。
ブックキュレーター
「月刊 天文ガイド」編集長 佐々木夏1975年生まれ。「月刊 天文ガイド」編集長。2001年、誠文堂新光社入社。2006年より「月刊 天文ガイド」編集部所属。天文ガイドのほか、天文・宇宙関連書籍の編集も手がけています。2018年7月現在、15年ぶりに大接近する火星と6月27日に小惑星リュウグウに到着した「はやぶさ2」を詳しく紹介したムック『わかる!楽しむ!火星大接近&はやぶさ2』が発売中!
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