ブックキュレーター翻訳家 天野健太郎
台湾史に隠れていた物語
東アジア史の台風の目、台湾。激動の近代を実直に生きる市井の人びとを描いた物語です。そこに描かれた現実は少しだけリアルでした。とりわけ家族のヒストリーには、独裁政権が封印し、書かれることがなかった当時の風景が生き生きと広がります。
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たとえばあんなかわいい優等生をこんなバカで調子のいい男の子たちがアタックし続けるシンプルなラブストーリーもまた、台中大震災を振り返ることで、成り立っています。彼らが共有した90年代の高校生活が楽しい。
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これも当時のまたバカな若者の青春ストーリー。ただ、ちょっとだけ「リアル」だった80年代の台北で悲劇は起こってしまう。当時の不良少年が走り回る軍人村や「中華商場」の匂いは殺伐として、でも今振り返れば、3人の友情だけは残っていたのだ。
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日影丈吉傑作館
日影 丈吉(著)
著者のいわゆる台湾もの短編小説、「消えた家」が白眉。終戦直後の台湾。日本でも中国でも台湾でもないあいまいな現代史の空白のような台湾で、軍人ではなくなった日本人が萬華の路地に迷い込んで見た風景が印象的。
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台湾海峡一九四九
龍 應台(著) , 天野 健太郎(訳)
母と父の歴史を忘却の海から救い出そう。かつての少年たちの視線を見つけだし、日中戦争から太平洋戦争、そして国共内戦・・・台湾で新たに語り継ごうとする、悲しい歴史物語。敵である日本人をも忘れずやさしく見つめる。
ブックキュレーター
翻訳家 天野健太郎1971年、愛知県三河生まれ。京都府立大学文学部国中文専攻卒業。2000年より国立台湾師範大学国語中心へ留学。帰国後は台湾専門翻訳・通訳、聞文堂LLC代表。ツイッターアカウント「@taiwan_about」訳書に龍應台『父を見送る』呉明益『歩道橋の魔術師』鄭鴻生『台湾少女、洋裁に出会う』ジミー・リャオ『星空』陳浩基『13・67』ほか。
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