ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
児童文学で描かれる、動物たちとの不思議な交感
動物が登場する児童文学は数多くありますが、ここで紹介するのは一風変わった、人と動物たちとの交感を描いた物語。人とは異なる言葉、感覚を持つ動物たちと心を通わせることで、人間である登場人物たちの中に大きな変化が訪れるシーンが魅力的に描かれているものばかりです。小学校高学年くらいから大人までおすすめできる5冊を選びました。
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イグアナくんのおじゃまな毎日
佐藤 多佳子(作) , はらだ たけひで(絵)
誕生日に生きているイグアナをプレゼントされてしまった、11歳の樹里。25度以上、40度以下の温度で飼わねばならず、成長すると2メートルもの大トカゲになるイグアナに、一家は大慌て・・・。登場人物たちの思わず笑ってしまう軽妙なせりふ回しと、イグアナをめぐって本気でぶつかり合う家族の姿が印象的。
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シーラカンスとぼくらの冒険
歌代 朔(作) , 町田 尚子(絵)
6年生のマコトが塾帰りに地下鉄の駅で出会った、人間のように歩いて言葉を使うことのできるシーラカンス。マコトは彼を「師匠」と呼び、幼なじみのアキラとひと夏の冒険にくり出します。地球と生命の歴史について、未来について考えるきっかけが得られる、壮大なスケールの冒険物語。
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片目のオオカミ
ダニエル・ペナック(著) , 末松 氷海子(訳)
動物園の檻に閉じ込められて生きる気力を失っていた片目のオオカミと、アフリカ出身の一人の少年の織りなす物語。自分たちがなぜこの場所に来たのか。どうやって出会ったのか──。作者は『カモ少年と謎のペンフレンド』などでも有名なフランス人作家。困難な状況でも生きる力が得られる珠玉の一冊です。
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ライオンと歩いた少年
エリック・キャンベル(作) , さくま ゆみこ(訳) , 中村 和彦(絵)
クリスはアフリカで父と飛行機事故に遭遇しますが、奇跡的に軽傷ですみます。瀕死の父とパイロットを救うため、クリスは一人サバンナへと踏み出します。そこへ一匹の年老いたライオンが現れ・・・。生を求める少年と死に近づく老ライオンの不思議な交感をスリリングに、しかし感動的に描き出します。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
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