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ダンテ『神曲』だけじゃない!はじめてのイタリア近現代小説
イタリア文学の金字塔といえば誰もが知るダンテの『神曲』。だけどそれ以外の作品、ましては近年のイタリア小説のめぼしいものって・・・という方に、近現代でオススメの小説をピックアップしました。特にイタリア・ファシズムが横行した20世紀前半には、それを持ち前のユーモアで打ち倒すがごとく数々のユニークな小説が誕生しました。
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木のぼり男爵 我々の祖先
イタロ・カルヴィーノ(著) , 米川良夫(訳)
イタリア現代文学の旗手によるユーモアと哀しみに満ちた寓話物語。かたつむり料理を拒否して木に登った12歳のコジモは、それ以来木の上で暮らし始め、恋に革命に戦争に、彼の世界は木の上だけの出来事になります。そんな彼にとって人生の終焉とは、木からの転落を意味するのでしょうか。ところがそこには・・・、驚きの結末はご自身でお確かめください。
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ある家族の会話
ナタリア・ギンズブルグ(著) , 須賀 敦子(訳)
イタリア・ファシズム政権下の一家族、つまり著者自身の家族にまつわる一代記です。著者のナタリア・ギンズブルグは夫が政権批判をしたという罪で一家離散となり、彼女自身も流刑に遭い、夫を獄中で亡くしています。どんな困難な時代にあっても家族の会話には愛おしいくだらなさがあって、その時代を超えた普遍性にかえって深く胸を打たれます。
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供述によるとペレイラは…
アントニオ・タブッキ(著) , 須賀 敦子(訳)
主人公はファシズム政権下のポルトガルの弱小新聞社で文芸主任を務めるペレイラ。彼は人生に折り返し地点にいて、安住した地位で単調な生活を送っていました。だけど、ある男女との出会いによって徐々に政治活動に巻き込まれ、ふと未来に賭ける決意をすることに。この頼りないヒーローが、読者の心を強く、深く揺さぶるのです。
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薔薇の名前 上
ウンベルト・エーコ(著) , 河島 英昭(訳)
世界的記号学者が手がけたシャーロック・ホームズへのオマージュに満ちたミステリー小説で、世界的な大ベストセラーにもなりました。舞台は中世教会、アリストテレスが著したという幻の「喜劇論」をめぐって起きた殺人事件が主題です。神を貫くために躍起なった聖職者らによって引き起こされた、ジョークのような殺人事件が描かれています。
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