サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. ブックツリー
  3. 小説・文学
  4. 平成末期の陰翳礼賛

詩人・小説家 小池昌代ブックキュレーター詩人・小説家 小池昌代

平成末期の陰翳礼賛

七年前の原発事故後、一時期、節電で東京が暗くなった。記憶にあるのは小田急線新宿駅の地下。日常にはまだ不安感があったが、薄暗い駅構内には、心の棘を抜く独特の柔らかさがあった。今、都市は、再び眩しい光にまみれている。だからこそ思い出したい。人肌の暖かい闇を。仄暗さのなかに浮かんだ、影をひく5冊だ。
※本ブックツリーの内容は、執筆時点(2018年11月12日)の情報に基づいております。

24
お気に入り
2024
閲覧数
Myブックツリーを見る
Myブックツリーに追加すると、気になるブックツリーをまとめて見ることができ、とても便利です。さらに、hontoトップで関連したブックツリーが表示されるようになります。

  • 「水枕ガバリと寒い海がある」この句を読むと、子供の頃の水枕の感触が後頭部に蘇る。病いに弱った身。寒い荒海にガバリと飲み込まれそうだ。ああ怖い。怖いが快感だ。そして斬新でどこか笑える。それが三鬼の句。影にちなんでこんな句も。「緑蔭に三人の老婆わらへりき」。

  • 著者は生命科学者としてこれからという時期に難病に罹患。40年近く治療方法も見つからないまま、激しい嘔吐や眼痛・頭痛などに苦しみ続けた。理解を得られぬ壮絶な孤独の日々。そんな著者による般若心経の現代語訳は、科学と宗教とが手を繋ぎ、独特の優しさと深みを持っている。闇の中から釈迦の声が聞こえてくる。

  • 『ハーメルンの笛吹き男』『「世間」とは何か』などで知られる著者。本書は自伝的な歴史学入門書。東洋人である自分がヨーロッパ研究を学問として選ぶに至った来歴が、自分の内面に照応されつつ書かれていく。最終章、音を通し、感性で捉えたヨーロッパのくだりにはとりわけ吸い込まれる。

  • 面影とは死者の面のことか。生者の顔にそれが浮かぶこともあるし、様々な現象や物の上に束の間、ふっと現れ消えることも。私たちは死者とともに生きているのだ。川岸に立って語り始める一人の女。さらさらと川の水が流れるように語られていくその文章は、心の襞の奥深いところまで侵入し、私たちの魂を慰める。

  • 影と光とは反意語ではない。影の芯には光があり、光の中に影が翳す。私にとって、地面に倒れこむ木の影ほど魅力的なものはなかった。なぜ影に惹かれるのだろう。移ろい、刻々と形を変え、やがては闇の中に溶けてしまう影。影を追いかけ、詩と文を書きました。

詩人・小説家 小池昌代

ブックキュレーター

詩人・小説家 小池昌代

1959年東京・深川生まれ。詩人・小説家。津田塾大学卒業。主な詩集に『永遠に来ないバス』(現代詩花椿賞)、『もっとも官能的な部屋』(高見順賞)、『夜明け前十分』、『ババ、バサラ、サラバ』(小野十三郎賞)、『コルカタ』(萩原朔太郎賞)、『野笑 Noemi』、『赤牛と質量』。小説集には『感光生活』、『タタド』(表題作で川端康成文学賞)、『たまもの』(泉鏡花賞)、『幼年 水の町』など多数。主なエッセイ集に『屋上への誘惑』(講談社エッセイ賞)、アンソロジー詩集に『通勤電車でよむ詩集』『恋愛詩集』『おめでとう』などがある。

ブックツリーとは?

ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?

テーマ募集中!

こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?

お問い合わせ

著者・出版社様などからブックキュレーターの応募などは、お問い合わせフォーム 「ご意見・ご要望」からご連絡ください。

お問い合わせする

テーマ応募フォーム

こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。

ご応募ありがとうございました。

閉じる

このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?

※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。

コメントを入力するにはログインが必要です

人気のブックキュレーターがおすすめ本を紹介! PICKUP!ブックキュレーター

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。