ブックキュレーター京都産業大学経済学部教授 玉木俊明
全体を見る目をもった歴史書から学ぶ
すぐれた歴史書は、ある理論に沿って、対象とする時代の全体像を描き出したものをいう。ここでは、そういう書物を厳選して選んだ。比較的古い本が多いが、それはその本に古典的価値があり、資料分析に裏付けられた見事な歴史叙述をしているからである。
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世界史の覇権は最初からヨーロッパが握っていたのではない。むしろアジアの方が経済成長していたのが、近世になり、ヨーロッパが優勢になったのだ。現在では中国がアメリカに逆転しようとしているが、それに成功するのだろうか。
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ヨーロッパ国制史の大家である著者が、国制史の手法を用いて、正統こそが中世のヨーロッパで異端を生み出し、やがて宗教改革に至ったことを証明した名著。異端は、その純粋性ゆえに自分たちこそ正統だとしたが、そのためかえって迫害されてしまった。
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イギリスからアメリカに移住した人々はピューリタンだとされていたが、本書は、貧民がライフサイクルサーヴァントとして新世界に渡り、イギリスは、国内のさまざまな問題の解決を植民地に押し付けたことを実証し、イギリス本国と植民地の強い関係を示した。
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名文を書く歴史家は多いが、美文の歴史家といえば越智武臣をおいて他にない。本書は、越智の目に映った近代英国の実相を、美しい日本語で描く。ジェントルマンを担い手とする国民史としてのイギリスの歴史が、説得力がある文章で綴られるのだ。
ブックキュレーター
京都産業大学経済学部教授 玉木俊明1964年大阪生まれ。同志社大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員、京都産業大学専任講師、助教授を経て現職。専門はヨーロッパ経済史、ヨーロッパ海事史、グローバル経済史。
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