ブックキュレーター朝日新聞「好書好日」編集部
異業種作家がつくったユニークな絵本
気分で本を探せるブックサイト「好書好日」では、近年の刊行ながら高い評価を得ている絵本を紹介する連載「えほん新定番」のほか、絵本に関する記事を数多く掲載しています。そのなかから、絵本とは異なる業界で活躍する人々が手がけた注目作を選んでみました。どんな思いから絵本づくりに携わったのでしょうか。
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100かいだてのいえ
いわい としお(作)
メディアアートの第一人者、岩井俊雄さんが十進法につまずいた娘のためにつくった絵本です。男の子が100階建ての家に住む動物たちと出会いながら、1階ずつ最上階を目指していくおはなし。タテに開いて読み進めるしかけは、さすがの発想で、「デジタル」の語源が「指(折り数える)」だったことを思い出させてくれます。
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すきま地蔵
室井 滋(文) , 長谷川 義史(絵)
女優の室井滋さんは、何冊もの絵本を出している絵本作家でもあります。彼女が、現代版「幸福の王子」を書きたいとの思いをこめた新作。周りにビルが建ち並び、隙間から出られなくなったお地蔵さん一家におつかいを頼まれた「ボク」が、東西南北の町を駆けめぐります。登場人物(?)たちの優しさが心に沁みるおはなしです。
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アリになった数学者
森田真生(著) , 脇阪克二(イラスト)
在野で数学の可能性を探究している独立研究者による思弁的な絵本です。ヒトが当たり前のように使っている「1+1=2」という数の営みが、どんな意味を持つのかをアリの視点から想像していきます。数の世界に先入観のない子どもはもちろん、理解したつもりになっている大人にとっても、新しい発見を与えてくれる一冊です。
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このおに
山崎 静代(さくえ)
南海キャンディーズの「しずちゃん」がボクサー時代について描いた絵本です。鬼コーチの故・梅津正彦さんとの出会いから、五輪出場を目指した地獄の特訓、沸き起こる愛憎、そして別れまでの日々が、力強いセリフの数々とダイナミックな絵とともに展開します。最後に置かれた梅津さんの表情に、万感の思いがこもっています。
ブックキュレーター
朝日新聞「好書好日」編集部朝日新聞社が2018年6月にオープンしたブックサイト(https://book.asahi.com/)。朝日新聞読書面の書評をはじめとした新聞記事や、ライフ&カルチャーにひもづけて本を紹介するウェブオリジナル記事を掲載。
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