鮮やかな刺繍、漆黒の布。異国情緒を感じる民族衣装に目を奪われるコミック

アメリカへ留学したサトコのルームメイトはサウジアラビアからやってきた女の子・ナダ。顔のまわりを覆い隠すヒジャブや、全身をすっぽりと包む真っ黒なアバヤ。実はこのアバヤ、その黒をより美しく見せるための特別な洗剤があるのだとか。作中にはイスラム圏の他の衣装も登場するので、その違いにも注目して読んでみてください。

舞台は18世紀のチベット。医者見習いの少年、カン・シバとその婚約者、モシ・ラティの物語です。高山地帯に暮らす人々の毛皮でできた温かそうな服に大ぶりのアクセサリー。異国から来たラティがまとう鮮やかな色糸を織って作られたスカート。料理やその土地の文化など、異国情緒を感じる世界にどっぷり浸かれるコミックです。

アジアの山岳地帯のような架空の国。狼を祖先に持つ民が暮らすこの国では、まれに「白鹿」と呼ばれる白い髪を持つ特別な子どもが生まれ、彼らは例外なく王家と番になることが定められています。帽子や靴に至るまで細やかな刺繍が施された衣装は役職によっても異なり、そのデザインを眺めているのも楽しいコミックです。

西アジアや中央アジアに暮らす人々の生活を描いたこのコミックには、さまざまな地域の民族衣装が登場します。主人公のアミルやその夫・カルルクが身にまとう服に施された刺繍は、健康や幸福を願ってひと針ひと針丁寧に縫い上げたもの。細やかに描き込まれた美しい民族衣装の魅力に、ページをめくるごとに引き込まれてしまうはずです。

北海道を舞台としたこのコミックにはアイヌの少女・アシリパが登場します。彼女がまとう民族衣装はなんと樹皮でできており、アイヌ独特の文様が用いられています。アイヌの文様には魔除けとしての意味があるそうで、作中ではアイヌ民族の着物について他にもさまざまな豆知識が出てくるのでそちらも要チェックです。